観劇好きになり歌舞伎も楽しむようになったからには一度はチャレンジせねば!と文楽デビューしました。場所はもちろん国立文楽劇場。ここには2年前に北翔海莉さんの25周年公演で行きまして、演出も劇場も気に入らなかったんです(その時の感想はこちら)。
しかも私はモーレツな「ナマの人間好き」ですから人形劇なんぞ楽しめるはずがないと思っていました。それでも観に行ったんですから物好きですよねぇ。

演目はド定番な「曽根崎心中」。映画「国宝」で取り上げられた影響もあるのか客席はかなり埋まっていました。
でね、私にとっては最悪な出だしだったんです。

前列にめっちゃ大柄な海外の方がいて、広角で撮影したこの写真ではわかりにくいんですがかなり視野を遮りまくり!
しかも、

イヤホンガイドの声が信じられないほどにガラッガラ!
歌舞伎公演で聞き慣れた声です、だけどこの度は風邪をひいたようなガラガラ声で聞いてるこちらまで喉が詰まってくる感じ。冗談抜きにレンタルしたカウンターに叩きつけて返金を求めたくなりました。
なんというか私、声への執着が強いんです。顔は妥協できても声は無理。
これまでイヤホンガイドのナレーター達を心の底から信頼していただけにこの度の(私にとっての)裏切り行為には怒り心頭となりました。
さらにとどめの演者さんですよ。
舞台上手が回転して太夫(たゆう・だゆう)と呼ばれる語り手と三味線弾きが登場するんですが・・・ふたりの相性が最悪!
太夫の声にハリも声量もない上に、三味線弾きがガシャガシャ演奏しまくるんでいよいよ語りが聞き取れない。あまりの不協和音ぶりに気分悪くなりました。
イヤホンガイドがなければ何を言っているか全くわかりませんでしたよ、でもって親切に解説してくれるイヤホンガイドの声はガラガラで・・・視野も遮られていたし、私の中では「もう帰りたい」くらいにゲロゲロでした。
それでも「今回限りだから」と頑張って次の段も観る事にしたんですけどね、なんと目の前がスカッ!視野を遮りまくっていた大柄さんが戻ってこなかったんです。まぁその日本人の私にとっても苦痛だったから外国人がドロップアウトするのも無理ありません。
さらに、さらにさらに!!!!!
びーーーーっくりしました。
違う太夫と三味線弾きになっていたんですがこの2人が凄かった!
最初の段でげろげろうんざりだったんでイヤホンガイドが風邪声で「太夫の最高位である切語り(きりがたり)」と紹介してくれてもちーっとも期待していなかったんですね。
ところがこの太夫の声がすげぇ、すげぇ聞き取りやすい!
決してアナウンサーみたいな滑舌の良さじゃあないし、もちろん劇団四季のような母音法でもない。
感情たっぷりでもないし、淡々としているわけでもない。
なんだろこれ?
もうねぇ、提灯記事みたいだけど
これぞ伝統芸能の鑑!
って言いたくなるんです。
でもって隣の三味線弾きが太夫の語りを決して邪魔せず、かといってBGMに徹しているわけでもない。時に太夫を支え時に自分が主役となっていました。
とにっかくスペッシャルなハーモニー。グイグイと引き込まれてどんどん聞きたくなったし、イヤホンガイドなしでも聞き取れる事が多かったのでイヤホンガイドのウザいガラガラ声も気にならなくなりました。

竹本錣太夫さんという方でふりがながなきゃ読めないお名前ですが凄かったぁ!
よっ!しころ!
あんたマジで良かったよっ!

2022年に新しく3人の切語りが誕生したそうですからあとの2人も聞いてみたいです。
この度の経験は「正座したままひたすら語るだけの芸」の奥深さを感じるきっかけでもあったんですね。

読者さんからおすすめされてNHKの「昭和元禄落語心中」を観ていまして、人間関係のドロドロにはワクワクする一方で落語にはちっともハマらないままなんですが理由がわかった気がします。岡田将生さんも山崎育三郎さんもすんばらしい俳優さんです、とはいえお2人の落語は結局は付け焼き刃。本物の真打ちの落語には遠く及ばないはず。
これはやばいぞ、真面目に本物の落語を聞き続けたら好みの方が出てきそう。
というわけで、
宝塚ブロガーのはずなのにOSK、四季、歌舞伎、松竹新喜劇、さらには文楽、今後ひょっとすると落語も?と浮気心が止まらないたーでした。
さて、ここからはオマケ。

帰りは小雨の中を難波まで歩き、

一度行ってみたかった「ワークマン女子」へ。看板は女子のままなのに男性アイテムも扱っておりユニクロやGUをパクっている雰囲気むんむんでした。パート先に行く際あまりにボロな服だと恥ずかしいのでコスパの良い服を探しているんですがなかなか難しいですね。
すっぴんというわけにもいかないし屋外でのパートゆえファンデもこだわるようになりまして、

マキアージュのリキッドファンデーションの新色、ソフトベージュに満足しています。ただし持ち運びには不便なので

韓流クッションファンデも買ってみました。色は21Nでマキアージュのソフトベージュよりほんの少しオークルかなぁ?めっちゃ小さいし下地ナシで使えるから助かります。


コメント
たーさま
こんにちは。
文楽は見たことがありませんが
文楽テーマの小説を読んだことがあります。
仏果を得ず
作家は三浦しをんさんです。
落語はごくたまーに行きます。
おすすめの小説です。文楽見たくなりました。
しゃべれどもしゃべれども
作家は佐藤多佳子さんです。
どちらも面白いので文楽、落語の興味が深まるのではないでしょうか。
以前三浦さんの講演に行ったのですが拘りというかおたく心満載で身近に感じるかたでした。エッセイも小説も面白いのでご興味があれば。
やすみさん、おはようございます!
文楽ものの小説をご紹介くださりありがとうございます。アマゾンのレビューなども参考にまず「仏果を得ず」から読んでみようと中古ですがポチしました。到着を楽しみにしています。
記事のアップから数日過ぎましたが松竹新喜劇を扱った記事よりもビュー数が少ないんですよね、文楽のオワコンぶりを感じます。
そういえば私も文楽人形及び人形遣いの方々についてはスルーしてしまいました。凝った人形をこだわりの方々が操っている事はわかったものの結局は「ふーん」という感じで。人形はもちろん人形遣いも全く声を出さないですしね。三浦しをんさんが文楽のどこに最も注目しているか気になります。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
たー様、こんばんは!
文楽を観に行かれたのですね。
私は文楽はまだ未経験です。一生未経験かも。
でも日本人なのに未経験のままなのも勿体ないような気もします。
落語は結構好きで、寄席ではなく独演会とか三人会とかホールでやるのは時々行きます。
20年位前にまだ有名になる前の春風亭昇太さんの独演会に行き新作落語があまりに面白かったのと、前座の漫才と講談(売れる前の神田山陽さんでした)も面白くてなんて楽しいのかしらと思ったのがきっかけです。
広い舞台に座布団に座った落語家さんだけっていうのもシンプルでまたいいのですよ。
お客さんは男性が多いですね。
お芝居でも落語でも、コンサートもスポーツも生身の人間が目の前でパフォーマンスをしてくれるのは贅沢なことですよね。やはりなんでも生が1番です!
松茸さん、こんにちは!
思いのほか楽しかったです文楽。自分が日本人である事を感じたような気もします。でもね、観たい時に観れば良いんですよ結局はエンタメなのですから。
NHKの昭和元禄落語心中も終盤になりいっぺん落語も経験してみたくなりました。やっぱ行くなら天満天神繁昌亭かな?ただ「上方落語」とうたっているだけに出演者が限定されていそう。
春風亭昇太さんの「春風亭」は江戸ルーツのようですね。テレビの「笑点」の司会ぶりはさして面白くないように思うんですがナマでの新作落語は違うんですね、一気に興味を持ちました。
神田山陽さんは落語家としてはお休み中のようですね。
はい「シンプルな良さ」ってありますよね。
私が観た文楽の最後の段は語りも三味線も大勢いたんですが、私の感覚としてはその前の段の「ひとりの切語り&ウマウマ三味線プレイヤー」の時の方が盛り上がりました。本当に素晴らしい話芸と三味線のハーモニーでした。
そういえば私が観た文楽も男性が多めでしたよ、宝塚はもちろん歌舞伎でも松竹新喜劇でも女性が多かったのでちょっと驚きました。
そーなんですよねぇナマは贅沢です。
私は錣太夫の芸に感動しましたがいわば完成しきっており宝塚でいきなりトップスターを拝むようなもの。その前の段のギクシャクな方にしたって5年10年すれば見違えるように成長するはずだしその頃には世代交代も必要でしょう。成長を追う楽しみは宝塚だけじゃなくナマの舞台すべてに当てはまるのだとホンマ思いました。
これからも心身の健康を大切にしてパート代でチケットを買いたいです!
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
たー様こんばんは。
ご無沙汰してました。もう10月も下旬ですね。
前回コメントしたときは暑い時期でしたが、今はすっかり秋。日が暮れるの早いし晴れない日は冷え冷えします。過ごしやすい時期って短いですね。
私は文楽の舞台は未見ですが、歌舞伎では文楽が元ネタの作品は沢山あるので興味はあります。
国立劇場で拝見した妹背山婦女庭訓や、今月初めに歌舞伎座で観た義経千本桜とか。
歌い手さんや三味線の方の演奏も素晴らしいなといつも感心しています。
私の観た第三部では役者の右近さんが義太夫で出演されてました。
悪くは無いけど、歌舞伎役者の右近さんが観たいですね。
私は、一昨年滑り込みで国立劇場での歌舞伎観劇が叶いましたが、文楽の方は間に合わなくて、さぞや立派な劇場だったろうなと想像します。
私が小さい時はNHKで人形劇を見るのが日課で、紅孔雀やプリンプリン物語楽しみに見てました。私もいつか文楽マジで観劇したいです。
わかりやすい演目と、そして音楽も大事ですね。
ところで、今月久々に歌舞伎観劇しました。
義経千本桜の第3部、Aプロです。
観劇を検討した時点で高くて微妙なお席しかなくて、幕見にチャレンジ。
宙乗りもある團子さんが人気のようで、2回失敗して3回目の申し込みで繋がりました。
おととしぶりの團子さんでしたが、外連味ある澤瀉屋のアクロバティックな技頑張ってました。演技も成長が感じられました。とても良いビジュアルなので人気出そうですね。
伸びしろがあるといいますか。
團子さんて宝塚ですと礼華はるさんみたいな雰囲気の方です(私見です)。
今週はようやく星組全国ツアー観劇です。
とても楽しみ、なのはショーのみで、正塚芝居はキツいので自分は寝るかも。。
私はいつか文楽もですが能や狂言、大相撲などもチャレンジしたいです。
お手軽価格が前提ですが。
とはいえ遠征するなら宝塚でしょうか。いつかまた桜の時期に行きたいです。
これからは冷えるので身体温めてお過ごしください。
かずこさーん、はい、ちょっとご無沙汰でしたね。そうなんです心地よい秋はあっという間に過ぎてしまいそう。
そうですね、歴史は歌舞伎より文楽の方が長いんですよね。文楽は結局は人形劇ですから「人形じゃなく実際に人が演じてみよう」と考える人がいるのも納得です。
でね、この度文楽で観た曽根崎心中ですが、歌舞伎でも観ていただけに「やっぱ人(=歌舞伎)のほうがええな」と思いました。メタボがんちゃん&シワシワせんちゃんに随分とムカついたものですがそれでも役者にやってもらいたいです。ただ文楽では語りの重要性を知る事が出来て良い経験になりました。
そうですね、国立劇場での文楽を私も観たかったです。私もかずこさんと同様に歌舞伎の妹背山女庭訓がハローグッバイでした。
「大きいは正義」を実現した劇場でしたね、本当に本当に大きかった。でもってあの大きさゆえ建て替え計画がスムーズに進んでいないのかもしれません。
人形劇には「コスパが良い」というメリットがありますよね。
私も観ていましたよぉプリンプリン物語。ウィキってみたんですがすごい設定ですねぇ、何らかの理由で赤ん坊の時に箱舟で海に流された15歳のプリンセスだそうで。「十戒」「マハーバーラタ」も主人公が箱舟で流されていますからお約束のストーリー設定っぽい。
義経千本桜Aプロの感想をありがとうございます。
相当な人気のようですね團子さん。顔が小さくて高身長ですから見栄えするでしょうし、おそらく私が拝んだ一昨年の「新・水滸伝」の頃より洗練されているんでしょう。
ああ、そうですね礼華はるさんっぽさが確かにあるかも。見た目だけでなく将来性も。
星全ツどうでした?
かずこさんは正塚晴彦が苦手でしたね、わかりますよ独りよがりだし押し付けがましいからね正塚ワールドは。
ショーはプログラムで竹田悠一郎がどんな挨拶をしているか気になりますから、もしかずこさんが読まれたのなら概要を教えていただけると嬉しいです。
お能や狂言、大相撲もいっぺんは生で観てみたいですよね。
そうなんですこのあたりは価格が謎なのが困るんですよねー、特に大相撲。
その点大劇場は良心的ですが、来年からは値上げですからねえ。パートの時給が上がっても扶養範囲の「社会保険130万円の壁」が変わらないのでかえって働き控えしなくちゃいけません。
壁を乗り越えるには月に4万円以上多く稼がないといけないので家事とのバランスを考えても乗り越えないままが得策だと思っています。
私は屋外でのパートでこれまでは猛暑、これからは極寒に耐えなくちゃいけません。
今のうちから「あったかグッズ」情報を収集しています。かずこさんおすすめがあれば教えていただきたいです。
お互い身体も心も温めてすごしましょうね。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。