ゴールデン・リバティ感想 鳳月杏への祝福が少なすぎる

大劇場公演

さーて、月組「ゴールデン・リバティ」の感想にいってみましょうかぁ。
ド駄作でしたよ。プロットがダメダメってのもありますが、一番言いたいのは

鳳月杏さんの大劇場お披露目なのにお祝いっぽさに乏しい

って事。
そもそもプログラムからして妙なんですよ。
記念撮影しながら思いました、

「なんでこんなに年増ぶりが出まくっているんや?(心の声)」

もうね・・・目元から頬にかけて年齢が出すぎてしまっている。
2018年のファントムから大劇場公演のプログラムを買い続けてきた私にとって「ダントツ1位のオバサンぶり」ですよこれ。
いまどき、パソコンでちょちょいのちょいとどうにでも出来ただろうに何故?
そういやファントムプログラムの望海風斗さんは「パソコンでちょちょいのちょい」しまくっているようだったのに。

そしてお芝居が始まりさらなる悲しみが私を襲ったんです。
それは

「いつの間にか平服(ウェイター姿)でアンサンブルとともに舞台にいたちなつ」

でした。

ねぇ、、、
トップスターの大劇場お披露目なんですから、これ以上ないほどに
ドッカーン!
っと出てこないとアカンのちゃいます?
舞台中央のセリからウィィィンと出てくるとか、スポットライトを全身に浴びつつ中央からさっそうと歩いてくるとか、とにっかく「トップスターだけがスポットライトを全身に浴びて舞台の中央にゆっくりと登場する」もんちゃいますの?そして客席が一斉にお祝いの拍手をしまくるわけ。

それがそれが、鳳月さんはいつの間にかアンサンブルとともに舞台の隅っこ(下手側)にいて、よく注目すれば強めのライトを浴びてはいるけれど実に拍子抜けな登場で。服装もウェイター姿だし。なので観客も戸惑い「劇場が割れんばかりの拍手モード」にならないんですね。
その後鳳月さんは他のキャストと押し問答した後に舞台袖に消えて、5分後くらい?に西部劇ウェアに着替えて機関車とともに舞台中央に登場します。
歌っているし、スポットライトを独占しているから観客もようやく安心してお祝い拍手出来るわけです。だけど私的には
「なんでこの演出を先にやらんのかいっ!」
でした。

プログラムの表紙に続いてお芝居の出だしまで納得がいかず口がへの字に曲がっていた私ですが、とあるジェンヌさんの登場にあんぐり。

「れ、れいこ?」

んなわけないんですよね、前月組トップスターの月城かなとさんが大劇場の舞台にいるはずがない。
そこにいたのは彩海せらさんでした。
これがもうドびっくりの「れいこ寄せ」。新公主演した「グレート・ギャッツビー」などかねてより月城さんへの寄せぶりが話題になってきた彩海さんではありますが、

やりすぎやろー!!!

もうこれ、狙いすぎなほどに狙って寄せていますねw
舞台で拝むと輪郭や口元が月城さんと異なっている事がわかります、だけどとにっかく目元がれいこってるんです。トップスター交代直後ゆえやっぱ寂しいんですよね、なもので彩海さんのお顔をガン見して月城さんを懐かしんでいました。
でね、ふふ、彩海さんってばビジュアルこそ月城さんに寄せまくっているのに歌唱は寄せていないんですよ。彩海さんの方がだいぶうまい。月城さんも十分に歌える方ですが「努力で得た歌唱力」タイプ。一方で彩海さんは「天性の歌唱力」タイプなんですね、努力では得られない生まれつきの才能がある。望海さんがまさにこのタイプでした。
お芝居心もアリアリだしいつも瞳がキラキラしている彩海さんがトップになってくれたら嬉しいなぁ。劇団が推しているのは明らかに礼華はるさんなんですけどね。礼華さんは礼華さんで、腕脚長くスラッとしたプロポーションや小さな顔に収まるちょっと眠そうな目元が前雪組トップスターの彩風咲奈さんを彷彿とさせるものですからこれまた懐かしんでいました。

彩風さん時代の「Lilac(ライラック)の夢路」ではトップ娘の夢白あやさんが女性でありながら少年を装っていましたがゴールデン・リバティもこのパターン。トップ娘の天紫珠李さんが少年を装い、ロングヘアを帽子の中に隠し、帽子をはずされてロングヘアがはらり、、、丸かぶり演出の連発で苦笑しました。ただし「女性バイオリニストでは舐められるから」と少年を装った夢白さんと異なり天紫さんはなんとどこぞの小国の王女様だったんですよ。
サラッとネタバレしますと、
己の利権のために天紫さんの小国を我が物にしようとする悪役が夢奈瑠音さんと英かおとさんで最後まで悪役のまま。風間柚乃さんは夢奈さん英さんの手下だったけれど正2番手ゆえ本当は良い人だし最後は善良な政治家(市長だったかな?)になるという美味しい役どころでした。確か天紫さんの小国がアメリカの州だか市だかに組み込まれてそこの州長だか市長だかに風間さんがなったとか、そんなの。
天紫さんの小国は南国らしくてお芝居の終盤、何故かフラダンスみたいなシーンになります。あまりにも唐突にフラダンスになったので「なんや?幕間ナシでお芝居からショーに切り替わったんか?」って思っちゃいましたよ。

まぁその、、、南国的とかフラダンスとかはまぁ良いんですが、お芝居中盤の「インディアン」はアカンかったと私は思っています。
鳳月さん天紫さんがサーカス団に加わるんですが、何故か鳳月さんはインディアン姿のダンサーになるんですよ。ストーリー的にそうする必要性は全くないんですからポリコレ違反に抵触しかねない演出は避けるべきでした。

とはいえ最も避けて欲しいせんそうは扱っていなかったし、あっけらかんとした大団円におさまってはいます。2度観終わったその時は「3度目はショーだけで良いかな」なんて思ったりもしましたが、きっと鳳月さんの任期は短いでしょうから3度目もお芝居からありがたく拝ませていただく事にしました。

コメント

  1. めい より:

    西部劇映画が好きなので、私は気に入りました。少なくとも天使さんが主役の花組公演よりは。寝なかったですし~花組は半分くらい寝てしまいました。

    でも、宝塚あるあるですね。
    演者のためではなく、作者が自分の趣味全開or主義主張のために書くのは。
    大野先生も西部劇映画好きなんじゃないでしょうか。
    主役の名前がジェシーというので、ジェシー・ジェイムズを連想してしまいました。過去に見た映画をあれこれ思い出して楽しかったです。

    とはいえ、せっかく当て書きが可能な環境なのに演者を活かせない脚本ばかりになってしまってるせいか、皆さん海外ミュージカルがお好きなようですね。
    月組次作が発表され大いに盛り上がってます。
    私は輸入ものミュージカルは役が少ないし外部でも観られるので、宝塚では当て書きの作品が好きですけど。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      めいさんはエンジェリックライよりゴールデン・リバティを気に入ったんですね。私は逆でしたからホンマ、観客の数だけ感想がありますね。

      何事もメリット・デメリットはセットで、「座付き」ゆえに当て書きしやすいし劇団は権利を掌握出来るけれど演出家がぬるま湯に浸りきり精彩を欠いてしまいがちにもなるんでしょう。優秀な社員が去りそうじゃない社員が居残るのは一般企業と同じですね。

      ジェシー・ジェイムズを調べてみました。実在の人物なんですね、ボニー&クライドと同じ世代かと思いきやボニクラの方が半世紀も後でした。
      私にとっての「西部劇」ってローハイドかなぁ、ドラマを真面目に観たわけじゃなく「懐かしのドラマ」みたいな番組で紹介されていてローリンローリンローリーーーン♪な主題歌が耳に残ったというか。調べてみたらトップスターのエリック・フレミングは41歳で事故死されたそう、一方で正2番手のクリント・イーストウッドは94歳の現在もご存命なのですから人生もいろいろだと思いました。

      はい、次の月組はガイズ&ドールズをやると発表されましたね。3作目で大物が来る事が多いのに2作目だからいよいよ「短期」っぽさがマシマシです。
      輸入ミュージカルは1本ものだし宝塚じゃないところでもやれるんですから、宝塚は宝塚らしい2本立てをメインにやってもらいたいと私も思っています。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

      • めい より:

        同じものを観ても感想は人それぞれ~というのが良いですね。

        それぞれ~ということで、鳳月さんと同期の92期の人達のことを考えてしまいました。
        出世頭のようだったけどコケた真風涼帆さんとか、帝劇エリザベート歌唱力でコケた蘭乃はなさんとか、タンバリン芸人?だった天真みちるさんとか、退団後ダイエット本(ヨガ本だったかも)を出した天咲千華さんとかバラエティに富んでいます。
        他にも彩凪翔さんとか、劇団四季で活躍中の真瀬はるかさんも92期です。

        2013年月組「ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編」で新人公演主演の煌月爽矢さんも92期。
        目の大きな美人さんで、今は本名の中原由貴さんで活動されてます。
        この新公で鳳月さんはアンドレ役でした。公演パンフレット表紙は主演の煌月さんひとりで終演後のご挨拶も煌月さんでしたが、鳳月さんにも挨拶を促していて「良いひとやなぁ」と感心したのを覚えています。本公演ではオスカルとアンドレはトップスターの龍さんと準トップの明日海さんで役代わりでした。

        煌月さんのブログ↓率直な人で感じが良いです。
        https://note.com/yuuki_nakahara/n/n09932a734be1

        • 関西の、たー 関西の、たー より:

          めいさん、はい、何においても「他人様の価値観は自分と異なっていて当然」くらいに思っているのが幸せになる近道だと私は信じています。ここぞという時は徹底的に戦うためにも普段は適当にやり過ごしていれば良いと。

          92期の面々はやっぱ、真風さんが出世頭のままじゃないですか?長期間トップスターを務めた上に退団して2年ほどで結婚したんですから。
          塞翁が馬かもしれません。宙組生の事がなければもっと仕事は入っていたでしょうがどのみち「需要は減るばかり」だったはず。それに独身のままだったかも?うまくいくかはさておき結婚を経験してソンはしないと私は思っています。今ならお子さん誕生の可能性もあるしね。タンバリンの天真さんは今年8月に出産したそうです。
          蘭乃さんはなかなかにイタくなってしまいました。とりたてて美人でもなく、ダンスは加齢の影響を受けやすく、鍛えたつもりの歌唱力は肝心の本番でプレッシャー負けして、それでも独立してまでも表舞台にこだわっているのですから。気の強さでトップ娘になれたものの気の強さで退団後の人生をこじらせているように感じてなりません、これまた塞翁が馬かも。

          煌月さん、なんか見た事があると思ったら早花まこさんのウェブマガジン連載に出てきたOGのうちのひとりなんですね。この連載はスタートだけは華々しかった、早霧せいなさんや仙名彩世さんも招いて盛大でした。一生物のライフワークになる可能性だってあったのに早花さん自らダメにしちゃったんです。ひどく読みづらいあの文章で宝塚の中では「文豪」と崇められていたそうですからいろいろこじらせたのかな。それでもどうにか単行本化したのでウェブマガジンへの掲載は7割がた消えてしまいました。ウェブマガジンに残っている文章は読みやすくなっているのでおそらく本物の文豪の手が入ったんでしょう。

          退団後に名前をチェンジする方は劇団とのわだかまりがあったと私は想像(っていうかほぼ確信)しています。92期次席でありながら路線に乗らなかったっぽい真瀬はるかさんですがわだかまりなく気持ちを切り替えていたからこそ名前を変えず四季を受けたんじゃないでしょうか?
          名前を変えた方はそうする事によって劇団に復讐し、劇団と決別して生きていく覚悟をしたのでしょう。だけど実際に待っているのは元宝塚という肩書にすがらざるを得ない人生なんですよきっと。煌月さんは現在台湾で活躍しているそうですね、台北新聞のインタビュー記事に「(元宝塚という肩書に)すがるわけではなく、自分の経験として生かしたいと思っています」と述べていました。だけど「すがる」のと「自分の経験とする」のは同じですよ私の感覚だと。まだプライドが残っているから名前を戻さないのかな。命に関わる経験をした高嶺ふぶきさんは戻したし今後も一生「高嶺ふぶき」であり続けると私は想像しています。

          リンクいただいた煌月さんのnote、読みました。確かに率直でド正直な方です。そして正直ゆえに残酷でもありますね。バイト先のカフェで常連客からラブレターをもらった事をきっかけに「もう私は店員という経験の上では満足するものを得られたかも」と悟ったそうで、ほんま「ラブレター主が読む事は絶対にない」前提でのド正直発言です。美人はええですなぁやっぱ。きっと結婚しても早々に「もう私は妻という経験の上では満足するものを得られたかも」と悟るんじゃないですかね?

          いつもありがとうございます。
          今後もどうぞよろしくお願いいたします。

      • あんちゃん より:

        色々人によって感じ方が違うのですね!私はたーさんに近いです。。観終わってお口直しにエンジェリックライが無性に観たくなりました。エンジェリックライは観る度にハマって行ったので、ゴールデンリバティも観る度にハマることを期待はしてるのですが💦

        • 関西の、たー 関西の、たー より:

          あんちゃんさんは私と同じく「エンジェリックライ>ゴールデン・リバティ」なんですね。このあたりは好みや相性ですよね。
          私はゴールデン・リバティもまた「回数をこなせば慣れる」ような気がしました。あんちゃんさんもおかわりの予定があるのでしたら感想をお聞かせいただけると幸いです。
          この度はコメントをありがとうございました。

  2. エマ より:

    お久しぶりです。いつも楽しくググって読んでおります。

    月組のご感想、率直に書いてくださりありがとうございます。
    大野先生、駄作なんですね…。
    良かった、と言いますのも実は先日職場で雪組ベルばらを見た話をしましたら、
    お一人の方から宝塚見たい(初めて)とのことでチケットを取りました。

    花組にするか月組にするかかなり悩んだのだのですが、大野先生≪谷貴矢先生かなやっぱり、と思い花組にしました。

    たーさんの感想を読む前に取ってはいるのですが、いつも雰囲気や感想参考になります。
    最初花組公演を否定的だったので心配でしたが、ご主人が楽しまれたようでホッとしました。

    来月観劇しますので、楽しみです。
    たーさんの月組ショーの感想も楽しみにしております。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      エマさん、前回のコメントは9月でしたね、ちょっとお久しぶりです。

      はい、私にとっては駄作も駄作でしたよゴールデン・リバティ。エンジェリックライの方がよっぽどマシだった。だけど読者さんから逆の感想のコメントが届きましたし観客の数だけ感想があるんですね。そういえば夫は私より随分とエンジェリックライを気に入っていました、星空さんの歌唱力をべた褒めしていたし。どうも夫は小柄な歌ウマ娘役が好きそうなので天紫さんをどう思うか気になるなぁ。

      エマさんはお友達のためにチケットを取ったんですね、お疲れ様でした。けっこうなプレッシャーですよね。こうゆうのはお友達のキャラが重要な気がします、高評価な作品でも相性が悪い時ってありますしね。
      あと宝塚だとお友達好みのジェンヌさんがいるかどうかってのも大切そう。花も月もショーは良かったからお芝居ですっ転んでもショーで挽回出来る可能性があるかと。こうゆうのってご縁ですよね。

      私は思った事をそのまんま記事にしています。エマさんは楽しんでくださっているようでとても嬉しいです。
      今日中に月組ショーの感想を記事にする予定ですので遊びに来ていただけると幸いです。
      エマさんは来月観劇されるんですね、よろしければ感想をお聞かせください。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. ごんちゃん より:

    たー様、お早うございます🤗

    先週末、私も月組公演を観劇して参りました。
    置いてけぼり席だったので、パンフレットも振り振り棒も購入しませんでしたが…。
    オペラグラス越しの鳳月杏さんは、凄ーーくお痩せになっておられて頬のこけ具合にびっくり🫢トップスターさんの重責は大変なんだなぁとあらためて思いました。

    さて、少し前のお話になりますが…私設ファンクラブに入会して応援させて頂いていたジェンヌさんが、鳳月杏さんの同期の方で、よく『ちなつが、ちなつが』と話題にされていて、今頃きっとご自分の事の様に喜んでいらっしゃるだろうなぁと。
    今朝、一昔前の思い出と名付けられたその方の写真が充電中のiPhoneに浮かび上がり、懐かしく思ったり、一昔前⁈と突っ込んでみたりしました。写真の日付けは2014年でした(笑)

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      ごんちゃんさんも月組を観たんですね、感想をありがとうございます。
      置いてけぼり席ってどのあたりなんですかね?私が言う「カスカス席」かな?ショーではいちおう2階にもジェンヌさんが来てくれたけれど1階の方が盛り上がっていましたね。

      はい、すごく痩せました鳳月さん。「琥珀色の雨にぬれて」でも、いや、「消え残る」の時すでにガリガリだったかと。顔も身体も大きめな天紫さんと並ぶんですから余計に細さが目立つかもしれません。

      ごんちゃんさんは鳳月さんと同期の方を応援していたんですね。しかもその方は退団後も活躍されているんですね。
      そのOGさんがSNSに懐かしの写真をアップされていたそうで、しかもフォローしていると自分のスマホに自動的に浮かび上がるんですかー。インスタの機能ですか?娘に聞いてみようっと。
      2014年なら10年前で、確かに「一昔前」ですね。当時の私にとって宝塚は「全く関係ない世界」でしたし意識した事すらなかったです。はたして10年後はどうなっているかなぁ?

      ごんちゃんさんも私も10年後も元気でいられますように。
      まずは今年の年越しですね。ごんちゃんさんはお正月にウィキッドでしたね、だんだん近づいてきましたねー!是非感想をお聞かせください。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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