宝塚ブロガーなのに松竹新喜劇に続いて歌舞伎の記事をアップしちゃいます。
決して「狙って」じゃないんですよ、
録画していた「芸能きわみ堂(11月8日放送)」をやっと再生したら、
18代中村勘三郎さん特集だったんですね。本来なら亡くなると「代」ではなく「世」を使うらしくて正確には「18世」、いや「十八世」になるんですがこの記事では存命であるなし関わらず「代」で統一させていただきます。
私にとって歌舞伎は宝塚よりひよっこですが「俊寛(しゅんかん)」は特別でした。頑張って書いた感想記事がこちらですから良ければ読んでやってください、あらすじもわかりやすく書いたつもりです。
私が観た時のタイトルロールは仁左衛門さんでしたが他にも複数の有名な歌舞伎役者さんが演じているんですね。18代勘三郎さんもそのうちのひとりで、しかも、
俊寛が島流しにされた鬼界ヶ島(きかいがじま)だろうとされる硫黄島(いおうじま)で上演したそうですよ。鹿児島の離島で、劇場じゃなく屋外で島の景観を活かしての上演なんですからマジで凄いです。
その時の映像を流してくれてワクテカったのに超ダイジェスト版だったんですよね。「ちぇー、ケチー」ってマジで口から出てきました。
が、、、
なんと今年の10月に18代勘三郎さんの息子や孫息子が硫黄島で上演して、
なんとなんとその時の映像を、
NHK教育テレビ「古典芸能への招待」で放送してくれるんだってー!!!
いやー太っ腹!さすがさすがのNHKさまさまさま!!
BSじゃないのがありがたいですよ、うちは地上波しか観る事が出来ないので。
私が観た公演(2023年)と96年、今年のキャストをまとめますと
こうなります。
丹左衛門尉基康(たんざえもんのじょうもとやす)が何ともイケ散らかしたカッコつけつけの役人で私的には「菊之助はこんな役ばかりやな」と思ったのが懐かしい。そんなイケ散らかし役人を28年前は鴈治郎(当時は翫雀)さんが演じていたとは胸アツでテレビに向かって話しかけちゃいましたよ、「おっ!がんちゃんやんか!今じゃあメタボだけど昔は痩せていたんやなぁ」って。その基康を(Eテレで放送予定の)今年の公演では七之助さんが演じたそうです。うん、女方のイメージが強い七之助さんですがイケ散らかした美しい立役の方がフィットしていそう(私の感覚です)。
貴重な映像なのにタダ!
生観劇した方々は中村屋指定のツアーではるばる鹿児島の離島まで行ったんですから経済的にも体力的にも超大変だったはず、そりゃあ映像は生には叶わないけれど気楽だしもう一回言いますがタダってのが凄いですよホンマ。毎月最後の日曜に放送される「古典芸能への招待」では歌舞伎、お能、その他いろんな公演を放送してくれるんですが今月はマジで大盤振る舞いかと。
是非録画してください!ホンマにおすすめです!!
宝塚アレンジも出来そうなんですよマジで。俊寛を神父(牧師)、鬼界ヶ島を「カリブ海に浮かぶ孤島」にしたって大丈夫、そのくらい普遍的なストーリーです。
だけど悲しいかな、、、宝塚版俊寛を見事に作り上げてくれる演出家は上田久美子しかいないと思ってしまいます、もう宝塚をやめているのにね。
・・・
ここで終わらせておけば善良な観劇ファンなんですがもうちょっと付け足します。
放送される今年の公演ですが無理矢理すぎるキャスティングがあるんです。丹波少将成経(たんばの しょうしょう なりつね)をたかだか13歳の男の子が演じるのは無理すぎる、宝塚なら2番手か3番手の役ですよこれ。
だけどそうせざるを得ない事はわかります。だって「18代勘三郎の子孫のための公演」なんだもん。
18代勘三郎さんの息子である6代目勘九郎さんと七之助さん、そして6代目勘九郎さんの息子である3代目勘太郎さん、、、名前を覚える必要はないけれどようはめっちゃ家族経営なんですね。
宝塚にはなく歌舞伎にはある「家族経営」に私は惹かれているんです。
必死のパッチさを感じるから。
歌舞伎って国に守られて安泰かといえばそうでもなく、名跡ごとに存続するために必死のパッチっぽいんですよ。贔屓は役者個人ではなく名跡っちゅーか家柄のファンになっているけれどそれをキープするのも大変そう。
さして詳しいわけじゃないんですが時蔵さん(現在は萬壽さん)に「玉三郎にお株を奪われた悔しさをバネにした(のであろう)頑張りぶりが凄いなぁ」とか尾上家(音羽屋)に「菊五郎と(鬼平犯科帳で有名な)吉右衛門の血を引く新・菊之助はどうなるんや?寺島しのぶの息子もおるしなー」とかね、お家がらみでいろいろ想像するのが楽しいんですよ。このあたりもいつか記事にしたいなぁ~。
こういった感覚があるから松竹新喜劇でも渋谷天外さん天笑さん義理親子の野心(詳細はこちらの記事の中盤以降)にもワクテカっているんでしょう。
ちょっと思うんです、、
「家族経営ゆえ守られているんだろう」って。
宝塚歌劇団の運営陣がジェンヌを使い捨てるのは「一代限り」だからじゃないでしょうか、親族にジェンヌOGがいたって歌舞伎ほどの影響力はありませんしね。令和になっても宝塚は中卒デフォな一方で歌舞伎役者は有名私大卒デフォになっている事からしても「家族で末永く仲良く運営したい」気持ちを感じます。
それでも私は宝塚が好きだし今後も観るつもりだし、それで良いと思っています。
コメント
お知らせありがとうございます。
先月中村家の巡業で江東区の公演を見たのですが、
冒頭のトークコーナーで中村兄弟と鶴松さんのおさんかたでトークをされていました。
お兄さんが真面目にトークをされていると、弟の
七之助さんと鶴松さんが少しわちゃわちゃしたかんじで、特に鶴松さんがチャラいんでは?と思いながらみていました。
私も年をとったせいか若手の歌舞伎役者さんは全体的に若いなーという印象があります。
お兄さんが俊寛の公演のはなしをされていました。
お父さんの遺志を継いで立派に歌舞伎を守っておられますね。
今月も明治座で公演されていますよね。
七之助さんが女形で早変わりをされるとか。
かなえさん、私は中村屋の「俊寛」の放送がホンマ楽しみです。勘九郎さんの俊寛は想定出来ますが七之助さんの立役姿と大抜擢すぎる13歳勘太郎くんが気になってしゃーない。
鶴松さんは知りませんでした、18代勘三郎さんの部屋子となり修行を積んだ一般の方なんですね。ほほー、莟玉さんと同学年でこりゃあ良いライバルになりますね、2人してイケメンだしー!
そうですねいつのまにかアラサーの人たちも「若い子」に見えるようになっちゃいました。
当代の勘九郎さんは親孝行ですよぉ、19代勘三郎襲名はいつになるのかな?その際に勘太郎くんは勘九郎を襲名するはず。
勘九郎さんは1981年10月生まれで2012年2月に勘九郎を襲名したという事は30歳だったのかぁ~、って事は勘太郎くんがまだ13歳だから勘三郎・勘九郎襲名は10年以上先かなぁ?
時蔵さんや菊五郎さんは存命なのに世代交代を急いだけれど勘三郎さんは故人ですから勘九郎さんの覚悟次第になるのかも?
明治座公演は26日までなんですね。鶴松さんもいるしおおっ!橋之助さん巳之助さん米吉さんもいてゴージャスだなぁー、、、ああっ?うわーーーっ、喜多村緑郎さんまで(?)いるじゃないですかー!!!!あああこれは観たかった観たかったあああ!!!!!七之助さんが早変わりする「お染の七役」では喜多村さんが悪役らしいしマジで観たかったなぁ。
もうひとつのコメントにもこれからお返事させていただきますね。
2度目のコメント失礼します。
上田久美子さんの旗揚げ公演のお知らせがステージナタリーの記事でネットにあがっていました。
さすがかなえさん、いつもありがとうございます。上田久美子が大衆演劇、、、かなり驚きました。
ステージナタリーの記事を読みましたが随分と大変そうですね、宝塚でふんぞり返っていた日々を懐かしみ退団を悔やんでいそう。
富士山、いや、フランス好きっぽいのでモンブラン級にしましょうか、そんなプライドがずたずたになっているのかも。きっと高額な配信サービスでは稼げていないんでしょうね。
それでもプライドはまだ残っているのかな、京大卒で宝塚で活躍したくせに関西の大衆演劇にしなかったのだから。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。