「壮麗帝」を漫画で予習
明日から宙組公演「壮麗帝」が始まる予定です。どうか無事、千秋楽までやりきっていただきたいです。残念ながらチケットはハズレてしまいました。
ライブ配信の欠点
なので18日の楽天TVのライブ配信で「おうちでずんそら」するつもりなのですが、ライブ配信の場合、プログラムの入手方法がネックなんですね。生観劇なら会場でラクラク買えるのに。
「フライングサパ」生観劇の際「プログラムで予習しといて良かった」と痛感しただけに、こりゃあもう、プログラム購入のためだけに梅田のキャトルレーヴに行くしかないな、入場制限あって面倒くさいんだけどな、って思っていたんです。
漫画の存在をメールで知った
しかし!
「あの皇帝の話は漫画で読んでいます」
とメールで教えてくれた読者さんがいたんです!ををを、そんな漫画があるとは!
ネットじゃなくリアルで購入
で、さっそくAmazonや楽天でお手頃価格の中古品をポチしようとしたら、まだ完結していないからかセットでコレってのがなくって。定価で新品を買うか、キャトルレーヴに行くか・・・と悩んでいたらピーン!と、我ながら良いアイデアが浮かんだんですよ。
うちのまわりの中古本ショップに問い合わせてみよう!って。
タイトルは「夢の雫、黄金の鳥籠」
で、お店で買いました買いました、「夢の雫、黄金の鳥籠」。「黄金」は「きん」と読むそうで。作者は宙組公演「天は赤い河のほとり」と同じ、篠原千絵さん。そういえばこの「天」は「そら」と読むそうで、こうゆうの篠原さんの好みなんでしょうか。
ずっとそばにいる夫と娘に恨まれない程度のペースでどうにか読了。最新刊は14巻だそうですが私は13巻まで入手しました。定価は1冊499円ですが、中古なので全部で3,000円ほどで買えました!
「大奥」と「半沢直樹」
オスマン帝国ってよくわからん・・・な私ですし、とっつきにくさを感じる方はほかにもいるかもしれません。でも大丈夫!
「大奥」と「半沢直樹」なんですから。
後宮(ハレム)での女のバトルはまさに大奥です。妾同士のドロドロ。ハレムの女達も大奥の女達も出自がパッとしないところがまた、似てる。育ちが貧しいから生き残るためには手段を選ばないんです。
オスマンの男達は内部でも外部でも争いが続きます。生きるか死ぬか、です。半沢直樹では命にかかわる事はないけれど、いろんな大きさの器を持つ男達の欲望が入り乱れてバトルしていますよね。負けても死なないけれど、社会的な生死をかけて戦っているんです。裏切りが多発しまくる中にも信頼が生まれたりしていてホンマ、どちらも似ています。
なので、登場人物の名前が覚えにくいのと、服装が着物でもスーツでもないだけで、ストーリーは特別、とっつきにくいものではないと私は思いました。
読んでホンマ良かったです。教えてくださった読者さんに心より感謝申し上げます。
宝塚版「壮麗帝」との比較
重要キャスト
「月の雫、黄金の鳥籠」での主要登場人物を「壮麗帝」のキャストと照らし合わせ、重要人物をピックアップしてみます。
- スレイマン(桜木みなと)→オスマンの王
- ヒュッレム(遥羽らら)→そらを好きだがずんの第二夫人に
- イブラヒム(和希そら)→ずんに忠誠を誓うがららが好き
- ハフサ(凛城きら)→ずんママ、過去は性悪だったかも
- マヒデヴラン(秋音光)→ずん第一夫人、陰湿さマックス
- アルヴィーゼ(澄風なぎ)→ずん妹と恋仲だが結婚出来ず
- ハティージェ(天彩峰里)→ずん妹でららと仲良し、そらの妻に
- アフメト(鷹翔千空)→ずんの家臣だが反乱を起こす
「壮麗帝」見どころ
で、私の予感なんですが、「壮麗帝」は「夢の雫、黄金の鳥籠」の9巻までのストーリーになるのではないかと。キャストでは鷹翔千空さんと秋音光さんに注目です。
路線、鷹翔千空は「器の小さい男」
9巻でアフメトは、謀反を起こした罰を受けます。アフメトって自己中の極みで器の小さい男で、鷹翔さんがどんな風に演じるのか楽しみです。101期首席入団ですでに2度新人公演主演を済ませている路線さんですから、見せ場があるはずと思いまして。ストーリー的にも良い区切りになりますし。
男役、秋音光は「陰湿な第一夫人」
秋音光さんは男役ですが、マヒデヴランは女なんです。それも頭の中が悪巧みばっかりで、自分と息子を守るためなら殺人もウエルカムな陰湿な女。
秋音さんは96期。私にとって96期の男役と言えば和希そらさん一辺倒でしたが、「ロックオペラモーツァルト」を円盤で観てから紫藤りゅうさんを好きになり「フライングサパ」で美しいお姿を生観劇出来て嬉しかったんです。秋音さんが3人目の「好きな96期男役」になるか楽しみ。演じるのが陰湿な、それも女なだけに余計に気になります。
ここは変えて欲しくなかった
公式サイトの公演解説を読んですごく残念だったのが、
スレイマンは、腹心の友イブラヒムを伴い密かに出掛けた街で、一人の娘と出会う。
(中略)
スレイマンは、美しいだけでなく才気あふれる彼女に惹かれていき、新たにヒュッレムという名を授ける。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2020/soureitei/info.html
ココです、ココ!
「月の雫、黄金の鳥籠」では、イブラヒム(そら)が奴隷として売られてきた娘(らら)と出会い拾い上げ、しかるべき教育を受けさせてスレイマン(ずん)の妾に推薦したんですね。娘に「ヒュッレム」という名前を与えたのもイブラヒムなんです。
だからこそ、ヒュッレムの初恋の相手はイブラヒムなのだし、イブラヒムも後に健気なヒュッレムにゾッコンになったんです。
このあたりを説明しないと、見た目も性格もイケメンなスレイマンに大切にされて愛されているヒュッレムが何故イブラヒムを愛し続けるのか、観客は理解しにくいと思うんですよ。
なので・・・脚本担当の樫畑さんの手腕が楽しみです。
はぁ、このあたり、どのくらいまで話していいんでしょうね。ねたばれすぎる、あなたは許されない事をした、なんてコメントが怖いからめいいっぱい控えたんですがそれでも、怒られちゃうかな。
あと、末筆ではございますが今回の記事では桜木みなとさんを「ずん」、和希そらさんを「そら」、遥羽ららさんを「らら」と呼び捨てにしている事をどうか、お許しいただきたく存じます。
おまけ
さて、この漫画を買ったお店ですが、車で行くには駐車場が不便だったので、自転車をかっ飛ばして向かったんですね。
今はどこもビニール袋をくれないからこんなふうに、イオンの買い物かごを持参しました。AEONのマークを写したくてずらしていますが実際は黒いバスケットに買い物かごがしっかり入ります。
そう、この自転車バスケットはだいぶ大型。当初はノーマルサイズを使っていたんですが、どうしてもイオンの買い物かごが入るサイズが欲しくて自分で付け替えました。
この落下防止ネット、便利です。
コメント
こんにちは。迷っていましたが結局さきほど壮麗帝のライブ配信を購入し(お布施9割)、もろもろ予備知識を突貫で入れ…、そういえばたーさんなんて書いてたっけと思って。
イブラヒムとヒュッレムの恋愛設定は篠原先生が生み出したもののようですね。宙組公演については原作のクレジットもないし、2人の間の恋愛設定はなさそうな気がします。むしろ少し前に目にした和希さんのコメントから、『こころ』(夏目漱石の)系かなと思ってました(男->男)。
あと30分弱!
こんばんは。つい先程、ライブ配信を観終わりました。せっかく観劇前にコメントいただいたのに、気付くのが遅れてすみません。
「イブラヒムとヒュッレムの恋愛設定は篠原先生オリジナル」の件ですが、別の読者さんからテレビドラマの「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~」をご紹介いただきあらすじを読んでいたので、ある程度は把握していたつもりです。ですがあまりにも、あまりにもマンガの内容が私の好みだったのでどこか、「壮麗帝」にマンガのようであって欲しい気持ちがありました。結果は「イブラヒムとヒュッレムの恋愛はゼロ」でしたね。
夏目漱石の「こころ」は20年以上前に読んだ気がしますがしっかり覚えていません。同じ女性を好きになったのに主人公が親友を差し置いて奥さんにした話だったような・・・和希さんのコメントがどのような内容だったのか知らないので気になります。
匿名さん的にはどうでしたか?お布施の割合は減りましたか?増えましたか?
良ければまた、コメントくださいね。
ありがとうございました。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
こんばんはー。いえいえ、素早いご返信ありがとうございました。
なんか、お布施と思ってしまうと、もう無料で見た気分になるものでして笑、花も星も見ましたが(ビフォーコロナはほぼだいきほしか見てなかったので花も星もお布施で…)、配信ってなんかそういう気分になるかもです。危険です。無料にしてはよかったー、とか思って。むしろ贔屓のいる組のほうがお布施と思ってない分辛口になるかもですね。あとはもうなにはともあれこの状況下で千秋楽を迎えられた奇跡の感動が勝っちゃいますね。
『こころ』は、高校の現文の授業で、先生はお嬢さんが好きなんじゃなくてKのことが好きで、だからKが思いを寄せるお嬢さんのことを先生も好きになった、と教えられたんです。臨時のめちゃくちゃ変わった講師の授業だったんですけど(一応けっこうな進学校だったのですが、授業内容が革新的すぎて一部の生徒が暴動を起こしかけてました)、すごく衝撃的だったし腑に落ちました。柄谷行人の論説だったかなあ。。
壮麗帝は、まあイブラヒムがヒュッレムを好きになるわけではないので『こころ』とは違いますが、男と男の友情を超え気味なところが同じかなと。(和希さんはたしか「イブラヒムはヒュッレムに嫉妬」みたいなことを言ってたと思うのです)
長文失礼いたしました。
さっそくの再コメントありがとうございます!確かに配信には、劇場で生観劇する時のような緊張感はありませんね。費用もお手頃で(うちなんて娘と観てるから余計)、お布施感覚になるのもちょっとわかるような。壮麗帝は無事千秋楽をお迎え出来ましたが今後もしばらく落ち着かないでしょうし、これから宝塚は配信に力を入れていくでしょうね。
「こころ」なんですが娘がなんかいろいろこだわりがあるようで、違う解釈をしているんです。ただ、匿名さんがおっしゃる説もあるにはあると言ってました。
こうゆうのいいですよね。同じ文章を読んでもそれぞれに受け取り方が違うのが文学の良さですよね。宝塚にもそんな良さがあると思います。
匿名さんは先生の説明が腑に落ちたそうで、それは相性が良かったんだと思います。たとえマイナーな意見、解釈でも、自分が良いと思ったら大切にする事が幸せや長生きの秘訣かと。
ちなみに篠原先生のマンガでは、スレイマンとイブラヒムのキスシーンもありまして、これが超美少年同士だからサマになっていてw
太陽と月のようなキャラだから、お互いに嫉妬しあっていたかもしれません。
良ければ今後もライブ感想など是非お聞かせくださいね。
贔屓がいるゆえ辛口になる雪組についても、是非w
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
贔屓のいる公演の方が厳しめの視点で見てしまうの、すごくわかります(笑)
「壮麗帝」が目指していたものが「こころ」だという意見、私にはとても納得感ありますね。
というのは宝塚の公演は男1・2と娘1の関係がほとんどの場合最重要な人間関係として描かれると思うのですが男1と娘1が恋愛するのはある意味当たり前、安心して見られる部分なのに対して男1と男2の関係性の方が緊張感というか、ドキドキが必要なものを構築しないとダメだと思っているからです。
それは友情でも敵対でも(疑似恋愛でも笑)いいんですが、とにかく『お前は俺にとって特別な男だ』という男1と2の関係があると公演がすごく面白くなる気がします。
私も「こころ」の解釈にはいろいろあると思いますが、宝塚的にいうと先生=男1・K=男2・お嬢さん=娘1(私=男3)
で、この作品が女性は蚊帳の外で男同士の複雑な感情が主軸の作品であることは間違いないですよね。
ライブ配信も見られなかったので実際どうだったのかは分かりませんが、「壮麗帝」もヒュッレムとスレイマンの関係は(そりゃハレムの話ですから)もう当然として、スレイマンとイブラヒムの間にあった強い信頼関係から、最終的にイブラヒムを殺すに至るまでの彼らの感情や状況の変化が一番の見せ場になるはずだと思っていたんですよ。
篠原先生の漫画はそこにイブラヒムとヒュッレムの恋愛を絡めることでより説得力が増したと思います(まだ漫画ではイブラヒム殺されてないですけど…史実はそうなので笑)
…で、「リッツホテルより大きなダイヤモンド」でもちょっと思っていたのですが、宙組生え抜きの男役さんってこういう男同士の関係に色気(特別感っていうんですかね…なんかこう、観客が2人の並びを見てときめくような笑)を出すのがあまりうまくないのかなって…。技術的には全組1?くらい穴のない方々だと思うのですが。
ずんそらはどうだったのかなあ。「壮麗帝」というモチーフを選んだ時点で絶対にそのあたりを演出家は狙ったはずだと思うのです。
まかぜとキキちゃんにはありますよね。2人の特別感。
個人的には男役、特にトップと二番手の間にはこういう感じがあってほしいです。
congaさん、ちょいとお久しぶりでーす!コメントありがとうございます!
はい、「こころ」は「先生(男1)とK(男2)の関係」と「Kの決断の責任は自分にあると悩む先生と、そんな先生と知り合った私(男3)の関係」の、男同士の複雑な感情が主軸ですよね。今気付いたのですがこれって宝塚の好きな構成かも?男1と男2がどちらも娘1を好きで、男3が狂言回しになるわけですからー
話を戻しますが、私も「壮麗帝」ではスレイマンとイブラヒムの間にある強い信頼関係が最終的にあのような結果となる、その軌跡をもっと丁寧に描いて欲しかったです。そもそも、強い信頼関係そのものを描ききれていなかったような。逆に言うと樫畑先生は桜木さん和希さんの特性や関係を踏まえていたのかも?
マンガではキャラクターをすべて篠原先生が自在に操るわけですが脚本家は生身の人間を相手にするだけにそうもいかず、大変なのかも。
男同士の信頼関係や色気といった特別感、真風さん芹香さんからたっぷり感じますね。ひとつ前の朝夏さん真風さんコンビからも感じまくります(私は映像で観ただけですが生観劇した方はもっと感じたんじゃないかと)。なので伝統か?と思いつつ、でもこの3ジェンヌさんは皆さん、組替えされていますよね。宙組生え抜きでは何か難しいのでしょうか?はっきり言って私は、「壮麗帝」の限り、桜木さん和希さんにはワンツーとしての特別感、感じなかったです。共演というより競演になっちゃうというか。私も「リッツホテルより・・・」観劇しましたがホンマ、瑠風輝さん鷹翔千空さんの間も色気の面で物足りないです(こちらも競っているように見える)。
で、さらに言ってしまいますが、将来芹香さんがトップになった場合(ほぼ確定でしょうが仮説とします)、2番手として桜木さんも和希さんもちょっと、イメージしにくいんです。おふたりとも「初の宙組生え抜きトップの候補」としてほまれ高い事は十分承知していますが・・・さらにさらに言うと、どうしてもどちらか片方を!となると、私の感覚では、和希さんです。
相変わらず言いたい放題していますが、今後もお付き合いいただければ幸いです。
コメント本当にありがとうございました。