おVISA様貸切エンジェリックライを観たので感想を記事にするつもりでしたが心変わりしまして、上田久美子さんについてもうひとつ。ちょうど前回の記事で上田さんを取り上げたから続編っぽくなるかな?
観客も動植物役の実験劇、演出家・上田久美子がパリ研修を終え開催…「空間自体が作品に」
この上田さんのインタビュー記事が話題になっておりすでに複数の宝塚ブログで取り上げられています。
ふふ、これって長いタイトルには大切な要素が含まれていないんですよ。読売新聞の記事になりさらにYahooニュースにもなったのは一番最後の見出しである「古巣・宝塚への思い語る」ゆえでしょう。急逝した宙組生について触れているし、さらに劇団を批判しているんですよね。
多くの方が読んだように思いますがどうでした?私の感覚だと、言葉遣いこそ丁寧ではあるものの「自分の事は棚上げにして宝塚を批判している」ような気がしました。自身のハラスメント疑惑に一切触れていないんですよね。インタビューした記者は突っ込まなかったのか、最初からそこには突っ込まない約束があったのか。
他の宝塚ブログでは上田さんによる「入団年齢の改定を提言」にフォーカスしているように感じます。おそらくインタビュー記事の「(宝塚歌劇団への)入団年齢」ってのは誤りで「(宝塚音楽学校への)入学年齢」なんでしょう。ようは「大卒まで音楽学校を受験出来るようにしろ」って事かと。若い女の子の2年ってむちゃくちゃ大切なのにひどいミスで、果たして上田さんが間違えたのか聞き取った記者が間違えたのか気になるところです。
とはいえ私はこの度の記事では受験年齢の引き上げの是非について言及しません。ただただ私がこの記事を読み真っ先に感じた事に突っ込んでみます。
それは・・・
「ウエクミも相当ピンチなんやろうな」
でした。
もっと具体的に言うと、経済的に安定する見通しが立っていないんじゃないかと思ったんです。
演出家らしい仕事がありませんよね?退団後すぐに「バイオーム」という朗読劇をやったけれど宝塚では絶対に出来ない演出があり賛否両論だったようですし(私は観ていません)、続くウエクミオペラも評価は割れたらしい(これまた私は観ていません)。
どちらも観ていない私は作品そのものを語ったりはしないけれど、
・上演から2年過ぎても朗読劇やオペラどちらも再演のサの声もない
・朗読劇とオペラを終えてからは梅芸や東京芸術劇場レベルに格式ある劇場での公演をやっていない
という事実が上田さんの評価そのものだと思っています。
生きていくにはお金が必要です。
ノーマルな演出家活動が困難っぽい上田さんが高額な配信サービス「シラス」にチャンネルを持ったり、奇をてらった講演会などをしたり、インタビューに応じて自らを売り込む(=カネにする)のは当然でしょう。
ですがこの度の宝塚批判はアカンかったと私は思っています。
ご自身でも
(退団後も)私が公演を打って、皆さんが来てくださるのは宝塚の恩恵。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e9c4879fb0ddf1335db37d52ebc67b5f02b6aed より引用しました
とインタビューで話しているのに、その後に「創立100周年以降のビジネス至上主義化」だの「劇団の利益重視の傾向も離れる理由の一つだった」だのとそれなりの批判をしてしまったんですね。しかも自分がやった(とされている)ハラスメントには一切触れず。
このあたりは最初から読売新聞と約束した上でのインタビューだったかもしれません。だけど上田さんほどのインテリなのに気付かなかったのでしょうか、こんな発言をしたらいよいよ宝塚と関われなくなってしまう事を。
元宝塚の座付き演出家だった荻田浩一さんもいろいろあっての退団だったようですね。
私は当時宝塚ファンじゃなかったのでそのあたりはわかりません、だけど荻田さんが堅実に舞台演出の仕事を続けている事は知っていますし私もいくつか観に行きました。
荻田さんは来年には
「ジェンヌOG尽くし」な公演の演出を担当するらしいですよ。とりわけ杜けあきさんは気合を入れて準備しているでしょう、退団公演と完全一致なタイトルですしね。新人公演主演だった香寿たつきさんも張り切っていそう。
キャスティングといい、関西公演は兵庫県立芸術文化センターの阪急 中ホールでやる事といい、こういった事実は私に「オギーはたくさんのOGと仲良くしているし劇団(及び阪急阪神ホールディングス)との関係にしたって険悪ではないんやろ」と想像させます。
そんな荻田さんは宙組生の急逝に触れていますか?音校受験年齢の引き上げを提言していますか?
していないですよね、私はSNSをやっていないし情報収集力が弱いから断言は出来ないけれどきっとそう。
仕事なり結婚なり、いかなる人間関係も継続するにあたり「絶対にやっちゃいけない事」ってあるんです。
たとえ社会的にはどんだけタブーであれ触れてはいけない事がある。
私はそう思っています。
だから、宝塚の闇について黙る荻田さんには今後もそれなりの仕事が舞い込み、語る上田さんはもう宝塚関係はもちろん、まっとうな演劇関係での仕事は得られないだろうと推測しています。
ご本人はそのあたり百も承知で、それゆえに語ったり高額な配信サービスを始めたのかもしれません。
だけど続きますか?読売なり他の新聞社が今後も上田さんのインタビューを記事にするでしょうか?私はそうじゃないと思っています。
でもって配信サービスは安泰ですか?ここはここでリスクが高そうですよ、シラスの創業者さんは「YouTubeとも信者サロンとも違う」と述べているけれど私は後者だと思っているんです。
そもそもオンラインサロンもすでになかなかにレッドオーシャンじゃないですか?草分け的な存在であるキャンプファイアーもかつてほどの勢いがなく、
久しぶりに蒼羽りくさんのサロンを確認したら
月1,000円プランが45人
月3,500円プランが16人
月10,000円プランが5人
とトータル66人で4年前に記事に取り上げた時の103名より減員(=減収)しています。
それでもご結婚もした中で運営が4年続いているのはすごい事で、続かなかった娘役OGさんもいました。
それなりの路線男役だった蒼羽さんでもこの状態ですから、
ジェンヌではなく演出家だった上田さんの、おそらくかなり上から目線で、OGとの対談にしたってまぁ様・だいもん・たまきちの3人で打ち止めになりそうなチャンネルに毎月4,400円をコンスタントに払い続ける方はそう多くはないと私は思っています。
あとシラスは創業者の怒りに触れたら一発アウトらしく(前回の記事で述べています)、宝塚より気遣いが必要かもしれません。
あくまで私の推測ですが、宝塚にすがりつつ批判もするスタンスでは先細りは避けられないような気がします。宝塚の紋所をチラつかせつつすり減らしているようなものです。
紋所を大切に手入れしながら活用し続けるか、完全にポイするか。
上田さんにはそんな選択が必要かもしれません。
コメント
たーさん、こんばんは、お久しぶりです。
私もこの記事を読みましたが、いろいろな意味でびっくりした。
日本語がまだ上手くない外国人の視点から見ると、『演出部からも声をあげていたけれど、結局は止められなかった。後悔している』というのは、自分を正しい側として表現しているという意味なのでしょうか?
否定したり説明したりせず、自分を逆の立場として語っている。この表現の仕方はとても巧妙ですね。さすが言葉を使って仕事をするプロの演出家だと思いました。
それから、『社会に資する作品を作りたい』という言葉ですが、宝塚時代の作品にはあまり意味がないということを表しているのでしょうか?わたしは考えすぎていますか?
確かに劇団にはいろいろな問題があり、全て商業作品かもしれませんが、ジェンヌさんやスタッフさんたちは皆、とても一生懸命に素晴らしい舞台を作り上げていて、たくさんの観客に楽しさや感動を与えています。
『金色の砂漠』は、わたしの大好きな作品です。芹香さんが演じたジャーは、感動を与えてくれたというよりも、病気と闘っている中で、前に進む勇気を与えてくれました。
なんだか悲しいですね。以前、上田先生の作品から感じていた感情が否定されたように思います。
mmthreeさん、ひと月ぶりですね、お久しぶりです。
mmthreeさんも上田さんの発言にビックリしました?
そう、、、
>『演出部からも声をあげていたけれど、結局は止められなかった。後悔している』というのは、自分を正しい側として表現しているという意味なのでしょうか?
これは上田さんは「私は正義・劇団は悪」って主張しているし、
>『社会に資する作品を作りたい』という言葉ですが、宝塚時代の作品にはあまり意味がないということを表しているのでしょうか?
これは「宝塚ではくだらない作品を作った」って事です。
もうホンマ、mmthreeさんの日本語力はそこらの日本人より上ですよ!
>否定したり説明したりせず、自分を逆の立場として語っている。この表現の仕方はとても巧妙ですね。
マジでこの通りですから!!!
>確かに劇団にはいろいろな問題があり、全て商業作品かもしれませんが、ジェンヌさんやスタッフさんたちは皆、とても一生懸命に素晴らしい舞台を作り上げていて、たくさんの観客に楽しさや感動を与えています。
ここもホンマにその通りです。
あらゆるエンターテインメントのほぼすべてが利益のために存在しています。宝塚ではジェンヌさんやスタッフさん達が頑張ってくれているんですよね。そして楽しさや感動を与えてくれています。
上田さんは宝塚および宝塚ファンもバカにしています。現役時代からそのスタンスだったかと。
でね、だからこそ「金色の砂漠」のような作品が出来たのだと思います。トップスターが床に這いつくばり踏み台になって、トップ娘がトップスターの背中に足を置く、、、こんな演出は宝塚ラブな演出家達には出来ないでしょう。宝塚ファンは基本的にマゾですから上田さんの冷血ぶりに萌えたんじゃないでしょうか。
そして「お山の大将」になったんですよきっと。宝塚で評価されまくって天狗になって「私ほどの才能があれば宝塚を出たってじゃんじゃん活躍出来る」と思ったんじゃないでしょうか?
実際、退団後しばらくは順風満帆でした。すぐに朗読劇やオペラをやったし、文化庁の制度(つまり国費?)でパリ留学も果たしたんですから。
ですがここまででした。
その後はまともな舞台の仕事がなさそうでしょう?って事は安定した収入がないはず。
だから高額な配信サービスを始めたり、新聞社の望むような発言をするんですよ。
ユーチューブやゴシップ誌ならプライドが許さない。けれどインテリ創業者の高額配信サービスや大手新聞社なら、、、ってところじゃないですかね?
プライドが高かろうが低かろうが、生きていくにはお金が必要です。
プライドの高さで宝塚では成功した上田さんだけど、今はプライドの高さが生き辛さにつながっていると私は推測しています。
mmthreeさんは闘病中に「金色の砂漠」を観て、芹香さんのジャーに救われたんですね。
私は円盤で観た2014年の「エリザベート」の芹香さんルドルフにすっごく救われました。当時の我が家は大きな困難を抱えていたのですが芹香ルドルフのお陰で夫も私も娘も笑顔で楽しくすごせたんです。生観劇した「アナスタシア」にも随分と励まされました。
でね、mmthreeさん、「過去に救われた事実」はずっとそのままで良いんですよ。
芹香さんの事といい上田さんの事といい、現在は確かに悲惨ではあります。
だけど「過去に救われた事実」に変わりはありません。現在の悲しみは現在の事として消化すれば良いわけで、わざわざ過去に遡って悲しむ必要はないんです。
とはいえ悲しいですよね。
今のmmthreeさんが
>なんだか悲しいですね。以前、上田先生の作品から感じていた感情が否定されたように思います。
と思うのはそのままで良いんです。で、同時進行で
宝塚ブロガーが「現在がどうであれ、過去に救われた事実に変わりはない」と言ってたわ~
と頭の片隅に残していただけると嬉しいです。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
お久しぶりです。Dorabellaです。
今回はPCからの投稿です。
宝塚を離れてからの上田さんは奇をてらった演出ばかりしておられますね。一度正統派の演出をなさったらよろしいのに。
オペラの演出も(演目自体が苦手で観劇していませんが)文楽と組み合わせたり変なことをしていましたね。昔、オペラ「魔笛」にウルトラマンが登場する演出がありましたが、上田さんの演出にはこのような驚きや楽しさが感じられないのです。発想のスケールが小さいし地味。
フランス研修が良くなかったと思います。オペラでもフランスの劇場製作の演出は奇をてらった変なものが多いです。フランスの悪影響を上田さんはもろに受けていそうです。
それにしても上田さん、退団直後に比べて少しおやつれになったみたいですね。
ビジネスと上田さんの発信したいものが両立できればよいのですが。1回ビジネスに振り切った演出をしてもらいたいです。
Dorabellaさんすみません、「お久しぶりです」との事ですが前回のコメントをみつける事が出来ませんでした。おそらく異なるお名前だったと思われます、覚えていらっしゃれば教えていただけると幸いです。出来る限り過去のコメントを遡りたいので同じ名前を使っていただけると幸いです。「今回はPCから」という事は前回はスマホからなんですね、そのため名前以外の方法で前回のコメントを探す事も出来ませんでした。
あら、上田さんはオペラに文楽を組み合わせていたんですね。
文楽人形がデデンと出ていたんでしょうかね?日本人にとってもインパクトが大きいですからねぇ。
魔笛って「♪おとーさん、おとーさん~♪」ですよね?中学生の頃に音楽の授業で聴いて怖かったです。
ここにウルトラマンが出るなんてすごいなぁ、調べたら2010年に公益財団法人東京二期会という団体が上演したそうですね。私は初めて知ったけれど格式ある団体で、オペラなど伝統芸能の振興を目的とする事業を行っているそうで。
格式ある立派な団体のたくさんの人が関わってウルトラマンオペラが生まれたんですから、いくら京大を出ていたって上田さんひとりの作品と比較するのは可哀想かもしれません。
しかも1年ぽっちのフランス研修でさらにこじれちゃったのかな。
そうですね、写真の感じ上田さんは痩せたかも?
精神的にも経済的にもキツいんじゃないでしょうか。宝塚時代では当たり前に手にしていた「めいいっぱいの称賛」や「安定した給与」を失ったんですから。
宝塚をバカにしていながら、実は上田さんにしたって宝塚でしか通用しない演出家だったんです。
はい、それこそ単発で良いので宝塚向けの「ビジネスに振り切った演出」な芝居を作ってくれたら良いのにね。
この度はせっかくおかわりコメントしてくださったのに前回のコメントを見つける事が出来ずすみません。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
たー様、いつもコメントにお返事ありがとうございます。
今佐川急便の時間指定集荷(朝8時から12時)を待っているところで、別記事にコメントした私のお返事を読んで気持ちがリフレッシュしました。
集荷は待っているとこない感があります。
不適切でしたら編集してください。多分この記事のコメントの方はベラドンナさんではと思います。
違っているかもですが。
私以前歌劇団を辞めて渡仏前の上田久美子さんのオペラの演出作品を池袋でみました。
演目はオペラ作品では一緒に上演される事が多いです。
蘭乃はなさんが出ておられたのですが、あの美しいお顔が白塗りのでもったいないなーと思いながら見ていました。
ダンサーと歌手を一つの役で演じる、舞台は日本みたいなコンセプトだったと思います。
本格的なオペラ作品だとどうしてもチケット代が高くなりあまり鑑賞していないのですが、上田さんの演出作はオペラ歌手特に主人公の海外の男性の方の歌唱がすごくてそちらに注目していました。
確か原田諒さんも大きな箱で「椿姫」を演出されていましたが、再演の時にあのスキャンダルで東京公演は他の方が演出された記憶があります。
上田久美子さんの定額サービス代金、強気な設定ですね。この値段だと宝塚歌劇団や楽天の宝塚の配信(千秋楽は少し値上げしましたね)がありがたいなとかんじました。
コメント入力中に集荷がきました!!
かなえさん、無事集荷が来て良かったです。私は集荷を利用する事はありませんが配達を待つ事はしばしばあり、はい、待っているとこない感がありますね。
しかも待っていたのにいつの間にか郵便受けに不在連絡票が入っていた事もあるし、ころな以降はこっそり(?)置き配されている事が増えました。
えっとね、Dorabellaさんがベラドンナさんかもしれないって事ですよね?
確認してみたんですが「ベラドンナ」はヒットしませんでした。気にしてくださりありがとうございます、ご本人さんからのコメントを待ってみます。
かなえさんは上田さんのオペラを観たんですね。
蘭乃さんが出ていた事は知っていました。当時の蘭乃さんはとても丁寧なブログ記事をアップしていて、上田さんから連絡が来てオペラ出演に誘ってくれた事への感謝の文面もとても生き生きしていたんです。個人事務所になってからブログが手抜きになりました(私の感覚です)。で、せっかくなので久しぶりに訪ねてみたら延々と、いつまでもいつまでも「鉛丹」がタイトルに入った記事ばかり。「TOKYO RED 鉛丹」という映画に主演したそうですね。ブログや映画への興味はわかなかったけれど「鉛丹(えんたん)」なる単語を知る事が出来ました。
上田さんのオペラは確かイタリア語での上演でしたね。日本語は字幕があったのかな。って事は歌ウマの男性歌手はイタリア人だったのかな?歌ウマ男性大好きな私ですが日本語が良いなぁ。
へー、原田さんは椿姫を演出したんですかー、それは知らなかった。うわっ!東京二期会がやったんですかー!まさにDrabellaさんが教えてくれた「ウルトラマンオペラ」も東京二期会だったんですよ。私の脳内で「日本ではオペラといえば二期会」となりましたw
原田さんの劇団との係争はどうなったんでしょうね?いつかゴシップ誌で取り上げられるのかな?
上田さんの定額サービス代、どう考えても高すぎますよ。
シラスには「ほとんどのチャンネルを見放題」プランもあるんですが上田さんのチャンネルが「ほとんど」に入っているのかは不明です。
このままじゃ続かないですよきっと。
高額なだけじゃなく作戦をしくじってしまいましたね。まぁ様、だいもん、たまきちとトップスターOGばかり3連チャンしちゃったから今後トップスターOG以外を呼ぶ事が難しくなってしまいました。
初回のまぁ様の次は伶美うららさんあたりにしとけば良かったのに。作品でつながりがあるし上田さんは伶美さんを気に入っていたらしいのになぁ。
それこそ蘭乃はなさんを呼んだって良かったのに(順番としてはだいもんの次?)。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。