小物な男たち(宝塚と関係なし)

私の気持ち

宝塚のお芝居の登場人物で「小物な男」と言うと、私の脳裏に真っ先に浮かぶのは「金色の砂漠」で高翔みず希さんが演じたナルギスです。高翔さんの演じっぷりが実に見事でした。

しかしナルギスは所詮、架空の人物。
リアルの高翔さんは小物じゃないんですから、演じるにも限界があるかもしれません。

で、、、
「ひょっとしたらリアルにはこんな小物な男たちがいるかも?」
というお題で、フィクションを書いてみます。

宝塚と全く関係ないので、超ヒマな方だけ読んでやってください。

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先日高速バスで遠出した私に課せられた、いくつかの用事。
そのうちのひとつに「とある公共施設での賠償の話をまとめる」がありました。
なんで私が、っていうのはまぁ、置いといてw

もともとは、電話だけで済むはずでした。
事前に伝えられた修理の見積金額が1万にもならなかったしね、個人賠償責任保険を使ってアッサリ終わるはずだったんですよ。

が・・・
受話器の向こうで話す、アクシデント発生時に現場にいた方(若手さん、とします)の説明がどうも、シャキっとしない。
「(私)さんから保険会社に連絡しなくてはならないらしいです。保険会社の人がそう言っていたらしいです」と「らしい」を連発で、頼りなくって。
それでも穏便に済ませたかった私は「わかりました。保険会社のその方と話をしたいので、名前を教えてください」と答えたんです。
そしたら若手さんは「いやその実は、まだ保険会社には連絡していなくて。えっと、これからわたくしが、電話してみます!」なんて言う。

その後ゴタゴタしつつも私は保険会社とも電話で話したんですが、若手さんと言い分がかなり違っていました。
保険会社の担当さんは極めてテキパキしていて、シャッキシャキ。
「良ければ必要書類を送ります」と言ってくれ、送ってもらっても必ず保険を使わなくちゃいけないというわけでもないそうなのでお願いしたら

実に速やかに手元に届きましてね、とにかく、対応がテキパキしていたんです。
なので問題があるのは若手さん、つまり公共施設としか思えなかったんですが決めつけはせず、また電話で話してみました。
するとどうも若手さんの背後に事務長がいるらしい。この事務長が黒幕で若手さんはいわゆる、伝書鳩にすぎなかったんです。
なので私は事務長と話したかったのですが「いやその、わたくしが窓口ですので」って。鳩なりにいろいろ辛そうでした。

費用が安価だったので保険を使わずに現金で支払っても良かったのですが、公共施設のくせにこんなに気持ちの悪い対応するのが腑に落ちず、ケリを付けたくなりました。
なので、どのみち遠征する用事がありましたし、直接会いに行ったんですよ、事務長に。
で、若手さんに
事務長さんと直接会いたい、
ついでに破損の現物を見たい、
業者が出した修理見積書も見たい、
とお願いしました。

そして、当日。
どれだけ忙しいのか、電話にはついぞ出てくれなかった事務長ですが・・・
会ってみるとヘラッヘラと笑っているんですよ。このたびはどうも~、へへへ~、って。
となりにいる若手さんの方がよっぽど緊張しているようで、アンバランスでねぇ。
つい、事務長に向かって
「何故、笑うんですか?私はこのたびの出来事の解決に向けて(居住地)からはるばる、やってきたのですが」
って、心に思っているだけのつもりが、口に出して伝えてしまいました。

その後、顔をゆがめた事務長の案内で破損箇所と修理の見積を確認したのですが、

これがもうホンマに、驚きだったんですよ。
破損箇所は、ごく小さな部品。

作業にしても、ドライバー1本で私でも簡単に出来そうなので実際にやってみたら、やっぱりそうで。
何がどうなってこの見積金額になったのか。

確認すべく見積書を眺めてみると部品代そのものは、数百円でした。
しかし「電気工事費」として数千円、さらに「諸経費」なる謎の費用も千円ほどついていたんですね。

ヘラヘラと「いやその、勝手な事をして何かあったらいけませんからね、プロに任せないと。ハハハ」な事務長さんに私は「この見積を出した業者さんとお話させていただいていいですか?」とお願いし、その場で電話をかけたんです。すると業者の代表取締役社長と話す事になりました。

自己申告ですが・・・
私は「仕事っぽい」な電話対応、けっこう、丁寧なんですよ。
うまいつもりですよぉ、証明できなくて残念ですけどぉw
で、そんな丁寧な私に、社長は

「うちにはうちのやり方ってのがあるんでねぇ」
「そんな細かな事あれこれ説明する義務、こっちにはないんだしねぇ」
「この見積ががイヤなら、うちがやる事は出来ないって事!」
「ちょっと、(公共施設)さんと電話、替わってくれる?」

って、とにっかく横柄で。
公共施設の工事を請け負うってつまり、税金で収益をあげている業者のはず。なのに、まるで映画に出てくる、社会に反する団体のような口のききかたをしてきたんです。

それでもこらえて「取付作業は私がやるので、部品だけ購入させてくれませんか?」って私がお願いしても、「ちょっとそれはぁ、どうかなぁ。(公共施設)さんを通してくれないとねぇ」って横柄アゲイン、されちゃって。
こらえてこらえて「とりあえず保留でお願いします」と伝えると「ふん、いいですよぉ、うちはどっちでもいいんですから」との事。
私は唇を噛み締めつつ丁寧に挨拶をして電話を切りました。

そして事務長に、
私の感覚としてはこの部品の交換にあたり電気工事技師の資格は不要としか思えない、
なので業者を使うのは部品の取り寄せのみにして取り付けは私がしたい、
業者は私からの注文を受けないと言っているので事務長に注文をお願いしたい、
旨を、伝えました。

事務長が乗り気じゃない事はありありと伝わりましたが、一応了解してくれました。
なので本来ならお礼を言うべきだったのですが、つい、
「(事務長)さんは、この破損部分を見て、電気工事業者による修理が必要だと、本当に思ったのですか?」
と聞いてしまいました。
答えてくれなかったけど。

なので、
「この業者さんは(事務長)さんが選んだんですか?」
と追加で質問しても答えてくれないかと思いきや・・・
今度は即答で
「いいえっ!(とある組織)のエイゼンカが決めた業者なんです」
って。

エイゼンカ???
産まれて初めて聞いたのでそれって何ですかと聞いてみたら、「営繕課」との事。
ほほう、字面を見ると確かにそれっぽい。
いかにもオカミが好きそうな単語だなと、苦笑してしまいました。

で、事務長に伝えたんです。

「先にも伝えた通り、業者に部品を注文していただきたいんです。取り付けは私がしますので。もし断ってきたら、お手数ですが私に連絡願います。その時は、私は(とある組織)の営繕課に連絡してみます」

「業者の社長さんと話したのですが極めて横柄で、私はとても残念でした。こういった社長が経営する業者が公共施設の工事を請け負う事に正直、疑問を感じます。もし部品の取り寄せを拒否するようでしたらその事も納得いかないですし、すべて営繕課の方に、伝えてみます」

って。
その後、この日最高に真面目な顔を見せてくれた事務長にご挨拶して、事務室を出ました。

若手さんが付いてきて、施設の出入口まで見送ってくれたのですが

「本当に・・・本当に、すみません。わたくしも、部品の交換だけで良いのではないかと、思ったのですが・・・」

とめっちゃ謝ってきたので、
「事務長さんと保険会社と私の間でいろいろ、お辛かったですよね。ご迷惑かけてすみませんでした」
と伝えました。

この若手さんがずっとこのまま、ピュアな人であるように。
って思ったけれど、きっと・・・
この公共施設で生き残っているうちにこの若手さんもまた、事務長のようになるんでしょう。

疲れましたよ。
だから早くビジネスホテルに向かいたいのに、公共交通機関がなかなか来なくって。
なんか不思議なご縁に導かれ、今回はソロ活ドライブではなく高速バスや公共交通機関で遠征したんですよね。
本当に、ソロ活ドライブにしなくて、良かった。
もう脳内がぐちゃぐちゃでねぇ、自分で運転していたら、危なかっただろうから。

悔しかったです。

あの横柄社長は、(とある組織)の営繕課の人たちにはきっと、ペコペコと頭を下げ、丁寧な言葉遣いでヘイコラヘイコラしているに違いない。
あの事務長だって、私が庶民のババアだからなめくさって、笑ってごまかそうとしたんだろう。

って思うともう、悔しくって。

権力が欲しい。

普段の生活では、いらない。
宝塚のチケットだって、今の状態で買える範囲で買ったらそれでいい。

けれど今回のような事では本当に、権力が欲しい。

これまで何度も何度も思った事をまた、思い浮かべていました。

どうにかこうにかビジネスホテルに着いたものの、Wi-Fiがすっごく遅い、っていうか切れちゃう。
権力があれば税金でゴージャスなホテルに泊まってネットし放題だったのかな?なんて思うのはバカバカしく、「これはネットはやめて寝ろって事だな」と気持ちを切り替えて、ベッドへ。
ただひたすら、週末に控えたロミジュリ観劇をこころのよすがにして眠りに付きました。
観劇してエネルギーチャージしたら、あの業者や営繕課について調べよう!って。

そして迎えた翌朝。
チェックアウトして公共交通機関に乗ろうとしたら、見知らぬ携帯番号から電話が。
ヘラヘラ事務長?横柄社長?朝から、イヤやなぁ~と恐る恐る出てみたら、若手さんでした。

部品だけの注文が出来る事となりました、って。
早っ!
しかも、あの事務長が自ら、取り付けを買って出てくれたそうで。
「費用を振込します」と伝えたけれど、後日で良いとの事。事務長が立て替えるならバックレたい気分ですがちゃーんと払いますよ、きっちりと。

若手さんにめいいっぱい喜びの口調でお礼を述べて、電話を切りました。
心の中では
「ヘラヘラ事務長も横柄社長もよっぽど、(とある組織)が怖いんやな」
って、思ったんですけどね。

ちなみに、今の世の中って本当に便利で・・・
事務長や社長は「業務用の部品だから取り寄せるのが大変」って言ってたけれど、

アマゾンで買えちゃいました。
すでに若手さんに注文をお願いしたのですがまぁ、記念に手元に置いておこうかと。

-完ー

※この物語は、フィクションです※

コメント

  1. Mika より:

    最後まで読みました。
    たーさんは、きっとお仕事できるタイプですよ。
    でもって対応も大人だったと思います。
    大人は怒鳴らず、怒らず、クールにですよね。
    とある組織やら事務長やら営繕課やら、事なかれでなぁなぁ主義で非効率的で人のお金(税金?)はタダと思っている人達な気がします。

    一人で乗り込んで、対応してよくやりました。
    本当にお疲れさまでした!

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      いやーん、Mikaさん、この記事は私が脳内でこしらえた、フィクションですよぉー
      リアリティを演出するために、あれこれ工夫しすぎちゃったかなw

      で、この記事とは関係ない話ですが、
      仕事の手を抜く事ばかり考えている公務員にはホンマ、困ります。
      民間企業なら担当者を変えるなり同業他社にチェンジしたりが出来るけれど、公務員の仕事だとそうもいかないので。

      私は怒鳴るし、怒るし、大やけど級にホットですよ。
      なのでこの記事では「こんな風に対応出来たらいいな」ってイメージで、架空の話を作りあげたんですw

      いつもいつもありがとうございます。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします。
      久しぶりに、早目にお返事出来たー
      今日はこれから夫と自宅で飲み会です♪
      ではまたー

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