歌舞伎座での一幕見席&團十郎「め組の喧嘩」感想

歌舞伎・芸舞妓

宝塚ブログなのにお構いなしに歌舞伎座での一幕見席(ひとまくみ席)について、そして観劇した「め組の喧嘩」の感想を述べてみま~す!

一幕見席には覚悟が必要だと思うんですね、というのも、

チケットを入手後決められた時間通りに「一幕見席入口」に来て、入口の扉が開くと(たしか)3mほど先にあるエレベーターに皆で乗り込み、4階に直接向かうんですけどね、

一幕見席専用フロアってめっちゃ殺風景なんですよ。
日本画が飾られていたりいろんな売店がある全幕通し用の座席とはどえらい違いです。

イヤホンガイドは借りれまして、しかも

500円と、通し(800円)よりは安いです。
とはいえ昼の部なり夜の部なり、3幕通しで観ても800円でイヤホンガイドを借りれるのですから幕間見席のイヤホンガイド価格が特別にお得というわけではありません。

一幕見席の詳細については4階に来て、スタッフさんの説明を聞いて初めて知りました。

たった2列しかない座席の半分以上が前日にネットで売れていると。
当日に窓口でチケットを購入した場合は自由席エリアしか利用出来ず早い者勝ちになると。

https://www.shochiku.co.jp/play/theater/kabukiza/makumi/ よりお借りしました

帰宅後に調べたらちゃんと松竹のサイトに案内がありました。
私は歌舞伎座に着いてから行き当たりばったりで一幕見席の利用を決めたので全然知らなかったんです。
ちなみに予約サイトはこちらになります。ふふ、次に一幕見席を利用する時はネット予約するつもりなので自分のためにリンクを載せときましたw

でもね・・・
極力、普通に通しで買う方が良いかな。

一幕見席はとにかく席数が少ない上に、前列だと手すりが邪魔になります。ネット購入だと席が指定されるようですが後列を選べるかわかりません。
かといって窓口で自由席を買うとソロ活の場合トイレに行くために席を離れるのもヒヤヒヤです。なんせ海外の方が多いので観劇マナーが異なるかもしれませんし。

私は有り難い事に結果オーライで、たまたまチケット(兼整理券)の順番が早かったので後列の良い座席をゲット出来ました。
昼の部で座っていた3階席後列よりさらに場所が高くなるものの案外視界は悪くありません。あと隣席の方は海外の方でしたが私が場所取りしてトイレに行っても大丈夫でした。

でも・・・隣席さんは観劇中に爆睡し、私のエリアに越境してきたんですよね。高身長ゆえ脚も長く、眠りが深くなるにつれガニ股になり私の脚にぶつかりっぱなし。短パン姿で、すね毛が剛毛で、この剛毛が私のジーンズにこすれてザリザリと音がしていました。
隣席さんは開幕した当初こそ「ヒャホー!」と嬉しそうに声をあげてバチンバチンと手を叩いていたのですが、お芝居の内容がイミフでやがて退屈したんでしょう。歌舞伎の長いセリフのやり取りは日本人の私でもイヤホンガイドがないとキツいですからね。
ま、「日本の観光がてらKABUKIとやらのすんごいビジュアルを拝んでみたい」な目的は果たせたかと。ただ「め組の喧嘩」は地味な世話物ですから、海外の方には本来なら花魁が出るような演目が良かったかも。

私が「め組の喧嘩」を観る事にしたのはね・・・
当初は昼の部「菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)」だけ観劇する予定だったけれど(感想記事はこちら)、

夜の部のポスターを見たら、

市川團十郎さんがあまりにイケメンで釘付けになり、「出来るものなら拝みたかった」な気持ちになったんですね。
そんな時にたまたま一幕見席の存在を知ったものですから、思わず自分も列に加わりチケットを購入したんです。

團十郎さんはポスターの通りにイケメンでしたよ、ってか、ポスターよりイケメンだったかも。
もともとの顔立ちが整っている上にメイクが完璧。拝み甲斐のある、ありがた~いお顔でした。

役柄の「鳶(かつ火消し)グループの大将」もフィットしていたと思います。
1805年に品川で実際に起きた「鳶・火消しグループと力士達の乱闘」を元ネタにして作られたストーリーだそう。登場人物すべてにチャキチャキ感がありました。

「声が悪いし小さい」だの、「華はあるが技量はない」だの、はては普段の生活での素行が悪いだのお芝居と直接関係ないところまで悪く言われる事が絶えない團十郎さん。
実生活の様子はわかりませんがお芝居の様子では、私は、團十郎さんの声が特別悪いとも小さいとも思わなかったし、技量がないとも思わなかったです。
だけど、、、「特別声が良くて通る」とも、「技量がありまくる」とも思わなかった。歌舞伎界のトップオブトップという印象はありませんでした。
團十郎さんを「歌舞伎役者の頂点」というより、「頂点グループのひとり」と感じたというか。宝塚で言う普通のトップスターです。

しかも世襲通りだと息子さんが團十郎の名跡を継ぐわけですよね?
うーん、まだ10歳ではありますが息子さんにはお父さんのような「パーッ!!!」なオーラがないように私は感じました。
ちょっぴり出演しており、短いもののセリフがあったし、手桶に入った本水をひしゃくで掬って口に運んでブシューとワラジに吹きかけたりしていたんです。だけどどうにもパンチに乏しかったような。
整った顔立ちだけどおとなしそう。どちらかと言えば女形(しかも薄幸の)に向いていそうな気がします。
とはいえ何が何でも團十郎を襲名するんでしょう。
楽しみですよ、宝塚もジェンヌさん達の成長が楽しみのひとつですが、どんなに若くても舞台デビューは17歳。歌舞伎ではマジマジで子ども時代から拝めます。男の世界ですから、声変わり前から知っていると愛着も湧きやすいかと。

お芝居で息子さんはなぜ口に入れた水をワラジに吹きかけたか、、、これは「火事の現場に突入する際にワラジが燃えないように」とイヤホンガイドが教えてくれました。
鳶であり火消し(ようは消防士)の役だからですね。とはいえこの度のシーンは火事ではなく力士達との喧嘩の前の決起会なんですけど。

「同じ人が鳶と消防士を掛け持ちする」なんてピンとこなかったけれど、当時は水をかけて火を消すのではなく、燃えている建物の周囲の建物を取り壊して延焼を防ぐ事が多かったそうです。それゆえ建物の構造に詳しい鳶が火消しも担う事が多かったそう。
こういった事はイヤホンガイドがなければわかりません。イヤホンガイドを使って歌舞伎観劇した後はいつも少し賢くなったような気になれるので嬉しいです。

「め組の喧嘩」はまぁその、とにかく、平和なラストで良かった。
昼の部では「仮名手本忠臣蔵のスピンオフなのにこんなアレンジをしてええんか?」なシーンがあったんですよね。なんせアレンジ担当が鶴屋南北で・・・もう私の脳内では完全に「鶴屋南北=グロテスク&女性の人権スルー」が成り立っています。
「め組の喧嘩」は竹柴其水(たけしばきすい)の作品で、私は初めて耳にしましたがイヤホンガイドによると河竹黙阿弥の弟子だそう。平和な作風に納得しました。

でもね、実のところ、
歌舞伎観劇デビューを検討中の他人様には「め組の喧嘩」を勧めるけれど、自分がおかわりするなら昼の「菊宴月白浪」を優先するでしょう。

そんな事を思いながら帰路についたのですが、

なんと一幕見席の帰りは基本的に階段なんですって!4階なのに!
強制ではなく、行きに乗ったエレベーターで降りても良いらしい。だけど私は階段で降りました。
ゴールの扉を出るとすぐ隣にまた階段があり、降りるとサクッと東銀座駅に到着。

日比谷線で上野に向かいJRに乗り換えたら30分ちょいで赤羽に到着しました。単身赴任中の夫が住むアパートはまだ先ですが、それでも便利でした~。

もっと首都圏で観劇したい気持ちを抑えながら関西に戻りましたよ。今週末に大劇場に行きますしね。

新幹線に乗る前に東京駅の八重洲口に寄ってみました。

地下に降りて少し歩いてみると、

オーバカナル八重洲店が。読者さんから教えてもらっていたので探すつもりではありましたが、探す努力なしに到着しました。
シアターオーブで観劇した際にランチした渋谷ヒカリエ店(記事はこちら)と全く同じ雰囲気なので、やっぱ「国内ナンバーワン」と誉れ高い銀座店に行ってみたいです。

コメント

  1. めい より:

    團十郎さん、見た目はほんと良いですね。「声が悪いし小さい」なんて言われてるんですか・・
    昔、時々みてた頃(その頃は新之助さんでした)は、顔も声も良い人だと思ってました。不摂生が喉に影響したんでしょうか・・・

    幕見席について興味深く読ませていただきました。
    観たい演目だけ観られるのは良いですね。
    リンク先のサイトに行ってみました。柵についての記載もあり、座席も指定できるようでした。

    宝塚でも博多座は二本立て作品の場合、開演30分後に空席があればショーだけのチケットを売ることがあるようです。
    https://ameblo.jp/creativecolors/entry-12356061945.html

    前タイトル記事で、やすみ様が貼られていたムーラン・ルージュ関連のTwitterですが、私はPC&スマホ両方ともみられました。オーナーがマスクさんになったせいか?ややこしいですね。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      めいさん、はい、團十郎さんの見た目は素晴らしいですね。歌舞伎のポスターはゴチャついている事が多いですが「め組の喧嘩」ではほぼ無地な背景に単独の團十郎さんというデザインにして大正解でした。あのポスターの影響で私は幕見席にチャレンジし、ポスターよりイケメンなお顔を拝めた!と満足しました。密かに2番手の右團次さんも楽しみにしていたのですが力士役だったので魅力を満喫とはいきませんでした。
      團十郎さんはとにかくビジュアルが良いのでその他を避難されがちなのかもしれません。お声に問題はないと私は思います、すごく好みでもないのですが。

      はい、観たい演目だけ観られるのは良いですね。あら!ネットでは座席指定出来るんですね、教えてくださりありがとうございます。

      博多座はショーだけのチケットを売ることがあるんですね。「カサノヴァ・夢のかたみ/ラ・カンタータ!」はよっぽどお芝居がアレだったようですね・・・花組のサンテを思い出しました、私はサンテばかり配信で観ていて、まだ一度も邪馬台国の風を観ていません。

      ツイッターですが、どうもログインしていないのがダメらしいです。
      娘を頼れば良いんですが帰ってきません。ホンマ私の生活が激変しました、亭主だけでなく娘まで「元気で留守が良い」になりました。

      マスクさんはスレッズなる新しいSNSを始めるようです。はい、いろいろややこしい。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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