花組おかわり感想 生え抜きの器

大劇場公演

覚悟していましたがB席での観劇は寂しいものです。現在の花組公演は「蒼月抄」と蒼月(青白い月)がタイトルになっているのに舞台装置の月が見切れてしまっているんですよぉシクシク。お芝居そのものは十分に楽しめて「めっちゃ良作!」と感動したんですけどね。今後も熊倉飛鳥には史実ベースなお芝居をジャンジャカ作ってもらいたいです。
どうも人間は他人様の不幸を好むようで、ハプスブルク家にブルボン王朝にロマノフ朝、平家に豊臣家と滅亡した事が知れ渡っているテーマに人気がありますね。かくゆう私もそのひとりで滅亡ものの作品をきっかけにウィキって教養アップした気分になるのが大好きです。楽しい発見がつきものなんですよ。蒼月抄では壇ノ浦の戦い(1185年)で入水(=自死)した事になっている徳子(演者・美羽愛)ですが史実では生き延びて1214年に59歳で没しているんですよね。そして蒼月抄では夫の知盛(同・永久輝せあ)から「生きて平家を語り継げ」といったお願いをされていた明子(同・星空美咲)はなんとなんと1231年に79歳で没しているんですから現代で例えると100歳超えの長寿!まだ幼かった息子の知章(同・美空真瑠)を敵に殺され、夫の知盛は無念極まりない入水をしたのに自分は激レアレベルに長生き・・・昔から女性は苦しみに耐え悲しみを乗り越える能力が優れていたんだと思いました。

お芝居に大満足した一方でショーでは気になる事が。
初観劇でショックだった毒々しい衣装や装置はすっかりオッケーになり、ひたすらジェンヌさんに注目していると

仲良くないねんな

な気持ちがムクムクしてきたんです。
さらに付け足すと、

仲良くないんやろな、だとしたら悪いのはほのかやな

と思いました。
聖乃あすかさんの栄光の滅亡。生え抜き御曹司トップのハシゴがはずされました。お芝居では役付きですでに極美慎さんとの格差が確定しており(理由はこちらの記事をどうぞ)、ショーでダメ押ししています。
そう、ショーはとどめを刺すように「ほのか<かりん」なんですよ。そして不自然で奇妙なんですよね。衣装や装置だけでなく演出も奇妙なショー。仲良く出来るはずのない聖乃さん極美さんをやたらからめて仲良し風にしています。ほんまアホですよ、こんな演出をするからおふたりに負担をかけてしまう。観客としてもおふたりを気の毒に思い、どちらかといえば聖乃さんの評価が下がってしまいます。

同期の生え抜きと落下傘なのだから力関係は明らかに聖乃さんが上。ふたりが少なくとも舞台の上では仲良く見えるかどうか、それは聖乃さんのお気持ちひとつなんです。聖乃さんは舞台上では大人の対応が出来ていると思っているかもしれません、だけど少なくとも私は聖乃さんはわかりやすく極美さんを拒否っているように感じました。
比較対象は水美舞斗さんです。4年半前のショー「The Fascination(ザ ファシネイション)!」では永久輝さんとの不仲ぶりを確認するつもりマンマンだった私すら「なんやこれ?仲良さそうに見えてしまうやん!」と驚愕のご様子でした。全ては水美さんの器。生え抜きかつ2期上の水美さんが当然の当然に力関係ウエウエだったはずで、落下傘だった永久輝さんをイビるなり自身がふてくされるなりナンボでも出来たはず。だけど水美さんは癒やしを感じさせる笑顔が炸裂していたし、何より、水美さんと目を合わせて微笑む永久輝さんに感じた「ホッとした雰囲気」に私は感動したんです。一方でこの度の「EL DESEO」では聖乃さんも極美さんも笑顔が硬い硬い、コッチコチ。張り詰めた空気がB席後方までしっかり伝わってきました。

その後極美さんの宝塚巴里祭2026が発表されたのでますますやっぱりなぁな気分です。ここで全ツのマジ鬱で「ほのかり共演」が実現していたらほのか株が上がったし正塚晴彦が苦手な私でも作品に鬱を感じずに済んでいたろうに。
さすがにエリザベートでは共演するんでしょうがおそらくそれきりなのでしょう。その点やっぱ水美さんは凄いんですよ、大劇場公演だけでもはいから・アウグス・バロックロック・巡礼・うたかたと5作も「マイひと共演」を果たしているんですから。アウグスで瀬戸かずやさんが退団しいよいよ微妙な関係になってからも3作ですもん。

気になる聖乃さんの異動先は宙組がベストじゃないですか?なんせ宙組には水美さんがいるんですから。ここでも水美さんは自分より人気がない(と私は思っている)トップスターを立てて宙組にはびこる負のイメージを払拭すべく腐心してくれています。聖乃さんとしても大尊敬するあまり自身もマッスル化したほどに水美さん好き好きのご様子でしたから、水美さんとなら安心感を客席に届けてくれそうじゃないですか。聖乃さんが月組に異動し縣千さんが宙組にといった玉突き人事も噂されているようですがとんでもない!「同期ギスギスおかわり」になっちゃいます!!

ジェンヌさんはすべて女性。苦しみに耐え悲しみを乗り越える能力が優れている事は歴史が証明しています。だけど経営陣(=ほぼ男性)はそれに甘えず、カネや効率よりジェンヌさんの人間関係を重視した采配にしてもらいたいです。

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