望海風斗の歌が「みな同じ」に聞こえる、完成形しか知らぬ悲しみ

ジェンヌさん

雪組トップ、望海風斗は「完成形」

ワンアポ観劇後からの気持ちの変化

私はジェンヌさんを好きになるにあたり、歌唱力をとても重視します。なので当然、雪組トップの望海さんが大好きです。

ですが、「ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンアポ)」を観てから、今までと違う感覚が出てきました。

どうも、望海さんが演じる役の歌がすべて、同じように聞こえる、って。

私の「望海風斗 観劇歴」

私の宝塚好きは、当日券で「ファントム」を観た影響がとても大きいです。すでにブルーレイやDVDで好きになりつつはありましたが、生で素晴らしい舞台を観劇した事が、宝塚への愛を決定づけました。

その後、「壬生義士伝」(大劇場)→「ひかりふる路」(タカラヅカ・オン・デマンドプレミアム)→「ワンアポ」(大劇場)の順で望海さんのお姿を見させていただいています。

望海風斗は就任時すでに歌唱力が「人間として最高レベル」

望海さんの歌唱力は、私が知ったエリックの時点で「人間(あるいは日本人)として最高レベル」に達していて、その後さらに磨きをかけても、私のような凡人には伸びや違いがわからない「完成形」なのだと感じます。

また、望海さんはビジュアルもダンスも素晴らしい方ですがとにもかくにも歌が突出しているため、どうしても歌に注目しがちです。

それゆえ「エリック」「吉村貫一郎」「ロベスピエール」「ヌードルス」が、あんなにもキャラが違うのに、いったん歌が始まると何か同じように聞こえるのかもしれません。

他の組の歌唱力について

月、宙→トップ就任後も歌唱力が伸び続けている

ファントム以降の大劇場公演は全組観劇しています。初心者なのですが私なりに感じるものがあり、以下に述べさせていただきます。

短い期間でも、トップスターさんの「伸び」や「変化」を感じる事があります。月組トップの珠城りょうさん、宙組トップの真風涼帆さんは、公演ごとに歌唱力がアップしていると感じます。

印象的なのが宙組の「追憶のバルセロナ」で、真風さんの歌声とともに「私はまだまだトップであり続ける」という気迫が、梅田芸術劇場メインホールの3階までしっかり届きました。

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■『追憶のバルセロナ』 作・演出/正塚 晴彦 2002年に絵麻緒ゆうと紺野まひるを中心とした雪組によって上演された作品の再演。 19世紀のスペイン動乱時代、フランス軍との戦闘で瀕死の重傷を負ったスペイン貴族の青年が、ロマの娘の献身的な介抱で...

そしてナンバー2の芹香斗亜さんがまた、そんな真風さんに「負けるものか!!!」「これでもか!!!」ってなほどに歌い、キラキラだったんですね。おふたりで「究極の男役」になるべく磨き合ってる感じ。安定感があります。

星→最も不安定?

新しく星組トップになった礼真琴さんは、望海さんとは違う方向性で超絶に歌うま。長期就任が確定しているからか、歌劇団は「礼さん退団後」について考えてない気がします。

暫定ナンバー2の愛月ひかるさんはダンサータイプ。しかも愛月さんが実際のナンバー2になるのか、ならないなら誰がなるのか決まっていない状態です。

星組が一番不安定かもしれません。歌劇団はドル箱スターの礼さんに何をやらせてどれだけ稼ぐかばかり考えず、組としてのバランスや今後を考える必要があります。礼さんはいつかは必ず、退団するのですから。

花→今は大変そうだが、やがて安定するのでは

星組と同様に新トップになったばかりの花組は、トップの柚香光さんがもう、歌唱力についていろいろ言われていすぎているダンサー。後に控える永久輝せあさんもがっちり、ダンサー。

ですが「DANCE OLYMPIA(ダンオリ)」の評価についてのブログを読んだ限り、歌劇団はあれこれ対策を考えているようです。そもそも「ダンオリ」そのものが、「ダンスがメイン」とわかりやすい名前ですし。「はいからさんが通る」にしても、フィナーレを2パターンにして「焼き直し公演ではあるが何としてもコケるわけにはいかない」と集客に躍起です。

花組は今は大変そうですが、これだけ歌劇団がフォローに必死ですから今後、スムーズに安定していくかもしれません。 歌劇団はまるで、お役所のようです。どちらも腰が重い集団ですが、一旦動き出すと早い。くれぐれも水美舞斗さんを粗末に扱わないよう、お願いしたいです。

ファンとしては、前を向くしかない

明日海りおに花束を渡した姿を思い出す

望海さんの話に戻ります。「ワンアポ」を観てからしきりに、明日海りおさん大劇場ラスト・デイのライブビューイングでの望海さんを思い出すようになりました。音楽学校に入学後、寮で相部屋だった明日海さんに花束を渡し、退団を見送った望海さん。望海さんご自身も退団を意識し始めるのが自然というものです。

これから先の、10年20年

以前、当サイトに「だいもんの研3の時から応援してるんです」とコメントいただきました。 望海さんの成長期を一切知る事ない身として、本当にとても、羨ましい限りです。

羨むだけ羨んだら、前を向くしかありません。

私は、望海さんのジェンヌとしての成長を見守る事は出来ませんでしたが、退団後の10年20年を見守る事は出来ます。

これから先の10年20年、いろんなジェンヌさん達の成長を見守る事も出来ます。

健康を大切にしてこれからも宝塚を、ジェンヌさんを、OGさんを見守りたいです。

コメント

  1. スノードロップ より:

    コメントの名前の通り、「だいきほ」が大好きです。
    ゆる〜く宝塚を観てきましたが、「ひかりふる路/SuperVoyager!」でこれはやばい!!
    雪組は毎公演絶対に観ないと!とヅカファン熱が高まりました。
    (20世紀号も頑張って東京まで観に行ったし、全ツも遠征した)

    だいもんが歌うまなのは知っていました。
    「花組 エリザ(14年)」「花組 オーシャンズ」「雪組 るろ剣」をDVDで観ています。
    でもこの時はめちゃくちゃハマるまでには至らなかった。
    濃いキャラだったというのもあるけれど、聴いてて耳がしんどくなる。
    2番手時代はオラオラ感が強すぎて、好きになれませんでした。

    トップに就任して、歌うまの真彩ちゃんとコンビを組むようになって、望海さんは変わったと思います。声の良さはそのままにいい感じに力が抜けて、ずっと聴いていたい声に。
    (CD gift 買ってから毎日リピートしています)
    私は、今の望海さんが最高!と思っています。
    ワンスでもありましたが、望海さんの、いきなり感情爆発させて歌うところが特に好きです。私は、どの歌も同じとは思いません。

    下級生時代の歌を聴くと(春野さんも好きでDVDを持っています)、
    とても高音が美しいので、OGになってもミュージカルでええ声を聴かしてくれるはず!
    と期待しております。
    と、言っても、それはまだ少し先でいい。もう少し、男役・望海風斗を観ていたい。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      スノードロップさん、コメントいただいてハッとしました。確かに、ルキーニの望海さんはオラオラ感がいっぱいでしたね。ベネディクトのお姿はオンデマンドプレミアムで1幕の終わりをちょっと見ただけですが、こちらもオラオラ感ありそう。確かに、トップになってから望海さんは随分と力が抜けているとすごく思います。
      私はひとつの事を思うと、他の事(今回の場合ルキーニの望海さん。ブルーレイで何度も見ていたのに)がすっぽ抜けてしまうんです。ご指摘いただいて助かりました。
      ワンアポについては事前に予習しておいた原作映画がかなり暗く重く微妙に感じた事と、宝塚版でエリザ風味を感じてうーんとなった事もあり、望海さんの歌をしっかり聞いてなかったかもしれません。
      次の公演を楽しみにしようと思います。
      スノードロップさんは全ツ遠征されたんですね。私は遠方は無理ですので、神戸の「NOW! ZOOM ME!!」当たるといいなと思ってますが、今年の運は文化祭ですでに使い果たしてしまった感もあり・・・いや、応募する前からこんな事言ってはいけないですね。

      今後も、スノードロップさんと全然感覚の違う記事をアップする事があると思いますが、ご意見いただけると幸いです。
      いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

  2. 玉子 より:

    こんばんは。楽しく拝見させて頂いてます。
    望海さんの歌はカキ氷のシロップなんですよ。すでに完成された美味しいシロップ。(カキ氷のシロップって、味は同じで香料が違うだけなんですって。)
    で、望海さんは公演ごとに香料を変えて来る。元が美味しいシロップだから、とても楽しめると。
    他の方々は、シロップの味を作ってる最中で、香料まで行かない。そんな感じかなと思ってます。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      玉子さん、コメントありがとうございます。カキ氷のシロップって、味は一緒なんですか???知りませんでしたが、言われてみればそんな気もします。それだけ香料が影響するって事ですね。
      私は「ワンアポ」では原作やアレンジにいろいろ惑わされ、香料を感じにくい舌になっていた気がします。
      他のジェンヌさんはシロップ作成中、本当にそうだと思います。私としては礼真琴さんが今後もシロップそのものを作り続けるのか、香料を変えてくるのか、楽しみです。
      旅行前でバタバタしており、返信遅れてすみませんでした。どうぞ今後もよろしくお願いいたします。

  3. みみ より:

    望海さんの歌がみんな同じに聴こえるというのは、お耳が悪いか感性が鈍いのだと思います。
    こんなことを仰る方は初めてです。
    びっくりしました。
    ちゃんと聴いてくださいね。
    まあ感性が鈍いのならどうしようもないかもしれませんが。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      みみさん、コメントありがとうございます。はい、私は宝塚に関する感性がとても鈍い自覚があります。生まれつき持ち合わせてなかったのもあるでしょうし、いい年齢になるまで観劇と無縁だった事も関係しているかもしれません。で、年齢を理由に、これから感性を磨くべく努力しようとも思わないんです。あと耳のチェックですが、日常生活で困っておらずとりあえず近日中に耳鼻科に行く予定はありません。あっ!今この返信を打ってて、「耳」から「みみ」とお名前付けたのかな?と気付きました。もしそうなのでしたら、素晴らしい感性ですね!

  4. ジュコネ より:

    あ、そうか。私も感性が鈍いんだと気付きました。気付かせていただいてありがとうございます。ってこの場合、お礼はたーさんに申し上げるべきか、みみさんに申し上げるべきか。みみさんですね。人に「感性が鈍い」と言い放たれる方は初めてで、新鮮でした。巷間、色々な感性をおもちの方がいらっしゃることは、私だって常々思っているところですが、鈍い、鋭いの判定はしたことがありませんでしたから。
     さてワンスの望海さんです。私は演出家のみなさんが、望海さん、真彩さんの歌唱力に依存し過ぎだと感じました。はっきり言えば怠慢です。歌い上げさせておけば観客満足度は上がるだろうとの思惑が透けて見える気がします。が、いくらなんでも毎回これでは、聴く方の感度も鈍くなろうというもの。お二人とも気持ちを繊細に歌に乗せることができる卓越した力の持ち主だけに、さすがに今回はもったいないなと思いました。そもそもで言えば、この映画を見て、宝塚化すること自体に激しく抵抗感があった私です。次の上田久美子さんの作品とショーの二本立てで大いに楽しませてもらうつもりでいます。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      ジュコネさん、コメントありがとうございます。みみさんが素晴らしい感性をお持ちなのは間違いないです。これが「ミミ」でしたら「耳」とひっかけているのは私にはわからなかったので、あえて「みみ」とひらがなにしてくださったのでしょう。
      ジュコネさんも原作映画を見たんですね。はい、私も本当に、何故これを宝塚に?と非常に疑問に思いました。望海さん真彩さんの歌唱力だけで客を呼べるから依存しすぎ、といういのも本当にそうだと思います。安心しすぎて、遊び心?というか、エリザベートっぽさを投入したのかもしれないなぁ、と。
      私も上田久美子さん大好きです。タカラヅカ・オン・デマンドプレミアムで見た「星逢一夜」、ホント良かった。望海さんの源太、はまってましたね。今度はベートーヴェンですね。生田さんのショーも楽しみです。
      私は何かとヌケてますので、ジュコネさんから今後もご意見いただけると幸いです。今後もよろしくお願いいたします。昨日は早くより眠ってしまい、返信が遅くなってすみませんでした。

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