歌劇団の不正転売防止策は、母が子に言う「勉強しなさい!」と同じ

宝塚歌劇団

本気の努力をしない、歌劇団

歌劇団のする「策」に拙さを感じる

宝塚のチケットの不正転売はいまだ、横行しています。

だからか、歌劇団は公式サイトで「うちは転売防止のためにこんな事したりあんな事したりで、頑張ってます!!!」といった内容の文章を載せています。

でもね、今の歌劇団がやってる転売防止策って、母親が子どもに「勉強しなさい!」とキャンキャン吠えるだけの「子どもを賢くする策」と、同じなんですよ。

「とにかく勉強しなさい!」と吠える母親

具体的にどのように勉強したらいいのか、なぜ勉強しなくてはならないのか、勉強したらどんな素晴らしい事があるのか、そういった事を子どもに伝え、理解させることなく「いいからとにかく勉強しろ」って言うだけの母親、いますね。私もそうでした。

で、ほとんどの子どもは勉強しないわけです。

すると一部の母親は、自分が子どものために変わろうとはしないまま、有名塾に駆け込み救いを求めようとします。で、熱心そうな先生や事務員さん達のありがたいお言葉にひと安心して子どもを預けます。つまり、丸投げです。私もそうでした。

夫には「あっこの塾、ここの塾、そこの塾、とにかくいろいろ見学して、話をしてきたよ」と、自分がいかに努力したかをアピールをします。私もそうでした。

でも、それでも勉強しないんですよ、子どもって。

母親は「子どもの意識改革に自分が直接関わる努力を怠った」ツケとして、塾にカモられたのです。たくさんのお金を巻き上げられて「こんなはずじゃなかったのに」と嘆く羽目になります。私もそうでした。

何が悪かったのかようやく気付き始めても、費用対効果があまりにも悪すぎる結果について夫にどう言い訳しようか、考えてばかり。私もそうでした。

このように自分がまさに、悪手を打ち続けた母親でしたので、宝塚歌劇団のやる不正転売防止策が、あまりにも自分の「子どもを賢くする策」と似ていて、こりゃ絶対うまくいかないな、いかなくて当然だな、とわかるのです。

今の歌劇団は、「吠える母」と同じ

転売サイト運営者に「転売をやめてください」と言う「だけ」。なぜ転売して欲しくないのか、転売をやめればどのようなメリットがあるのかを理解してもらおうとせず、「いいからとにかく転売をやめて」と言うだけ。

当然転売サイトは転売をやめません。

すると歌劇団は自分が変わろうと努力しないまま、警察や、ほぼ開店休業中の正規転売サイトに相談(=丸投げ)します。

そして真面目な宝塚ファンには「うちはこんなにも努力してます!」と公式サイト上でアピール。

それでも当然、転売サイトは転売を続けます。

これは歌劇団が、「自らが転売サイト運営者に直接関わる努力を怠った」ツケなのです。

転売サイト運営者と「対峙」してると思えない

具体的な転売サイト名をあげて「『転売をやめて』って伝えたよ!」って歌劇団は言ってますが、おおかた、顧問弁護士などの名前がくっついた、いかめしい警告文を送ったとか、そんな事でしょう。

本気で、歌劇団の責任ある運営者が、転売サイト運営者と対峙したとは、思えないのです。お互いが弁護士を添えるのは当然でしょう。しかし大切なのは、運営者同士の対峙です。

本気で対策したいなら

歌劇団は、本気で不正な異常高額転売を防ぎたいのなら、転売サイト運営者側にも事情がある事を理解して、

「異常に高額な転売はやめて欲しいが、転売サイトにある程度の利益が出る事は認めます」

と譲歩する事が必要ではないでしょうか。

いっそ、名前をあげた転売サイトと提携し、宝塚歌劇団の正規リセール部門として認めるってのもテです。

駆け引きは得意なはずだ

宝塚歌劇団は超・やり手企業です。「ファントム」4作のスカステ一挙放送を決めましたし、焼き直し公演「はいからさんが通る」にはフィナーレを2種類準備するという集客術をひねり出しています。相当なブレーンを抱え、敏腕なコンサル、弁護士とも懇意のはず。本気になれば、転売サイト運営者とのやり取りなんて、赤子の手をひねるようなものでしょう。

自分だけでやれる事だってある

あと、自分だけでやれる事だってあるんです。「宝塚音楽学校 第106期生 文化祭」は当日発券ですがこれは、不正転売防止のためですよね。当日発券はすでに大劇場公演のSS席で採用されていますが、すべての公演の、すべての席で実施すればいいのではないでしょうか。これなら、歌劇団だけの判断で出来る事です。

小さな悪を潰すともっと大きな悪が生まれる

大劇場では現在、「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」が上演中です。禁酒法時代に暗躍したギャング達の話です。

アメリカは「お酒という悪」を駆逐しようと禁酒法を施行しましたが、それゆえ、もっと大きな悪が生まれてしまいました。

不正転売サイトの存在は、悪です。そして、この悪にいい加減に向き合い、中途半端に潰す事は、その後もっと大きな悪を生み出す事につながるんじゃないかと私は思っています。

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