「オペラ座の怪人」キャスト別感想と「ファントム」との相違

大劇場公演

キャスト別感想とファントムとの相違

初観劇から3ヵ月かけて9回観劇した劇団四季「オペラ座の怪人」。自分の中でひと区切りついた気がするので、宝塚版「ファントム」との相違を絡めつつキャスト別感想を書いてみます。生観劇した方のお名前のみ、色を変えて太文字にしました。
宝塚ブログですので読者さんは皆「ファントム」のキャストやストーリーは知っている前提です。

オペラ座の怪人

ファントムでのエリックですが、オペラ座の怪人ではエリックのエの字も出てこなくて「怪人」「ファントム」呼ばわりされています。エリックは劇中に歌って踊って演技して、さらにフィナーレでは大きく重たい羽を背負い大階段を降りてきますね。一方怪人は歌と演技に専念しますので体力的な負担はエリックより少なそう。そのぶん歌のウェイトが大きいです。

私は最初に観た怪人、清水大星(しみず たいせい)さんにドはまりしました。劇団四季のオペラ座の怪人には高井治(たかい おさむ)さんという現役でありながらレジェンドな方がいるんですが、清水さんは全くの独自路線で高井さんっぽさがありません。超美声で、やや高めのキーで、声量アリアリ。
何故高井さんの名前を出すかってそれは、飯田洋輔(いいだ ようすけ)さんには高井さんっぽさを感じたから。キーといい歌での表現といい、高井さんに寄せているかも?な印象がありました。
岩城雄太(いわき ゆうた)さんは怪人リストの筆頭ではありますが私にはあまりインパクトがなかったです。
ビジュアルは3人とも怪人としてマッチしていると思います。洋輔さんはかなり、世間一般で言うイケメンじゃないかと。
気になるのはまだ観ていない怪人、佐野正幸(さの まさゆき)さん。ベテランですしね、登板したら私の観劇欲が再燃しそうです。

ラウル

ファントムでのシャンドン伯爵ですね。ラウルは子爵という肩書での貴族なんですが、シャンドンよりかなり存在感があるしアクティブ。クリスティーヌとは幼なじみだしキスするし婚約するし、怪人を射殺しようとするし、地下室に連れ去られたクリスティーヌを助けに行くし、助けるつもりが怪人に首に縄をかけられてピンチになったりと大活躍です。

私は最初に観たラウル、加藤迪(かとう すすむ)さんにこれまたドはまりしました。とにかく声質・声量・歌唱すべてが素晴らしい!そしてシュッとしているんですね。その後ラウルは4人のキャストすべてコンプリートしまして、加藤さんが私にとってベストだという結論に至りました。
加藤さんの次に観たのは光田健一(みつだ けんいち)さん。高身長で濃い目のお顔ゆえ加藤さん以上のパワフルボイスを期待したものの、かなりマイルドで甘く優しい感じでしたね。ちょっとふっくらしているけれどまぁ、大丈夫。
その次は一番期待していた飯田達郎(いいだ たつろう)さん。怪人のひとり、飯田洋輔さんの弟さんです。ネットやプログラムに載っている達郎さんはイケメンで、歌の評価も高く、そりゃあもう期待しまくっていたのですが・・・実際に登場した達郎さん、ふっくらじゃ済まないほどにメタボでした。イケメンで、やや小柄で、色白で、歌上手。痩せていた頃は「ポーの一族」のエドガーやアランのような中性的フェアリーな役がさぞ似合っていたでしょう。そんな名残はあるものの、今の達郎さんはとにかくイケメン路線としてはあまりに太りすぎているように私は思います。もっとも達郎さんご自身は、観客への目配りや所作の感じからして現在も「俺ってイケメン」なお気持ちであり続けているようです。
ラスト4人目は岸佳宏(きし よしひろ)さん。体格にはホッとしましたがお顔は、まだ39歳だそうですがなんかもっと上に感じました。お顔より気になったのが発声法で、いわゆる母音法っぽいんですね。聞き取りやすいけれどナチュラルさがないと私は思いました。

クリスティーヌ

ファントムでもオペラ座の怪人でも全く同じ名前、クリスティーヌ・ダーエ。ファントムでは下町の田舎娘でシャンドン伯爵の紹介でオペラ座に乗り込みますが、オペラ座の怪人では著名なバイオリニストの娘であり最初から群舞ダンサーとしてオペラ座に在籍しています。かなりファザコンで、怪人にしたって亡くなった父親が自分のためによこしてくれた天使、エンジェルオブミュージックだと考えていたんですね。自分に都合よく空想する「いつも夢を見ているような」設定なんですが、数年前の新演出以降は自立心あふれる女性っぽさが強まっているらしいです。

キャリア・実力ともにナンバーワンと誉れ高い山本紗衣(やまもと さえ)さんは私にはしっくりこなかった。新演出の事を踏まえてもどうにも、夢見心地モードが完全に吹っ飛んだ、自立心ありまくる大人の女性な感じでしたから。私は山本さんが演じるスカーレット・オハラを観たいです。
藤原遥香(ふじわら はるか)さんはまだクリスティーヌになって間もないらしく、初々しさがすごくあります。4月では少々頼りなく感じた高音も6月では良くなっていた気がしました。
久保佳那子(こぼ かなこ)さんは歌唱力表現力ともに抜群です。ベテランらしいですがベテランっぽさを出しすぎていない。読者さんから「市原悦子さんに似ている」とのコメントをいただきまして、確かに親族だと言われたらすんなり信じるようなお顔立ちです。
海沼千明(かいぬま ちあき)さんも歌唱力表現力ともに抜群で、しかも私が拝んだ4人のクリスティーヌのうちで最も美人のように思います。
まだあとふたり、岩城あさみ(いわしろ あさみ)さんと牧貴美子(まき きみこ)さんは拝んでいません。っていうか大阪でまだ一度も登板していないかも?

カルロッタ

ファントムでのカルロッタと同くオペラ歌手ですが、ヘタクソ設定はなし。もっとも、ファントムのカルロッタだってヘタクソ設定のはずなのに歌上手な方が演じているんですけどね。
ファントムではカルロッタが用意した飲み物のせいでクリスティーヌの声が出なくなってしまうけれど、オペラ座の怪人では怪人のしかけでカルロッタの声がカエルのようになってしまいます。このしかけの内容は謎で、それこそ魔法をかけたかのようにカルロッタの声が変わるんです。

私が拝んだ河村彩(かわむら あや)さん、辻奈々(つじ なな)さんいずれもモーレツ歌上手です。ザッツオペラ歌手!ただ、カエルの声マネに限っては河村さんがだいぶうまいかも。あとひとり、高居洋子(たかい ようこ)さんはまだ拝んでいません。

ちなみにオペラ座の怪人でのカルロッタは死なないんですよ。

ピアンジ、アンドレ、フィルマン

オペラ座の怪人が手にかけるのはカルロッタではなくピアンジです。ピアンジは第1テノールとしてのオペラ歌手であり、カルロッタの公私のパートナーでもあります。
となるとファントムでいうアラン・ショレになるか?というと、アランはオペラ歌手ではありませんよね。そしてピアンジは支配人ではない。オペラ座の怪人の新支配人はアンドレとフィルマン、ふたりもいます。
まとめると・・・
アランはひとりで「ピアンジ・アンドレ・フィルマン兼用」なんですね、そして存在感が薄くなっています。オペラ座の怪人ではピアンジはゴリゴリのオペラ歌手だし、アンドレもフィルマンも歌や出番がそれなりにあるんです。

ピアンジはキャストを3人ともコンプリートしまして、山口泰伸(やまぐち ひろのぶ)さんと山田充人(やまだ あつと)さんはどちらもピアンジらしいメタボ体型で声量がありますね。永井崇多宏(ながい たかひろ)さんは最もベテランだそうですが、ピアンジとしては痩せ過ぎており声量も小さめかな?

アンドレは増田守人(ますだ まもる)さんの登板が多く、支配人としての風格といい歌声といいピッタリかと。6月10日の公演では「マダム・ジリーの娘です」というセリフを「マダム・ジリーの息子です、娘です」と間違えていてある意味感動しました。これぞ生!と。
見付祐一(みつけ ゆういち)さんは若そうですが母音法の言い回しが気になりました。
日浦眞矩(ひうら まく)さんは1度しか拝んでいませんが忘れられないほどに若さを感じさせるプリプリピチピチなお顔でしたね。歌は普通かなぁ。

フィルマンは平良交一(たいら こういち)さんの登板が多く、風格あるし歌声も抜群。ただ、あまりに手堅いので何度も拝むと飽きちゃうかも?
佐藤圭一(さとう けいいち)さんは2年前の「リトル・マーメイド」の観劇でアンサンブルにはもったいないと感じたんですよね。オペラ座の怪人でも基本的にアンサンブルですが、1度だけフィルマンとしてのお姿を拝めました。アンサンブルの時よりメイクに気合が入っていてジーンとしましたね。歌はもちろんバッチリ。
ただ、見た目から推測される年齢といい声といい、金本和起(かねもと かずき)さんとだいぶ被るかも。金本さんも素晴らしい実力者です。
あとひとりまだ拝んでいませんが、村俊英(むら としひで)さんもフィルマンに挙がっています。もともと怪人をやっていた経歴だけにフィルマンではどうだろう?とはいえ怪人でご紹介した、現役ながらレジェンドな高井さんは今はアンサンブル1枠として活躍しているんですよね。なのでかつての怪人がフィルマンを演じるのもアリでしょう。

メグ・ジリー

クリスティーヌと同じくオペラ座の群舞ダンサーのひとりで、クリスティーヌの親友。ファントムにはいない存在です。
3人のキャストをコンプリートしましたが皆さんもうむっちゃ歌上手!メグはクリスティーヌに向かって
♪なんてすばーらしーいこえ、かんげきしーたわーーーー♪
と歌い出すんですが、観客からすると「そりゃこっちのセリフだよ、メグ、あなたも素晴らしい声やわ」と感激ものです。

となるとビジュアルの違いが気になってきます。メグは金髪ロングヘアウィッグでして、一番似合っているのは松尾優(まつお ゆう)さん。五所真理子(ごしょ まりこ)さんは「美女と野獣」に出演予定で、ベルならブラウンのウィッグでしょうからこちらの方が似合っていそう。黒柳安奈(くろやなぎ あんな)さんはヨーロッパ人設定が厳しい感じかも?

ジョセフ・ブケー

ファントムと同じ名前のキャストで、ファントムと同じく怪人に殺されてしまいます。ファントムではブケーにさしたる非はなくエリックの顔を見てしまったばっかりに手にかかってしまうけれど、オペラ座の怪人でのブケーは器の小さな男ぶりが露呈しており失言をして怪人に恨まれるんですね。最期は、首にロープを掛けられたマネキンがぶら~ん。いかにもマネキンでござーい、なマネキンを使っているのはわざとかと。

私が拝んだのは田辺容(たなべ よう)さんと村田慶介(むらたようすけ)さんで、どちらも歌上手でした。

ムッシュー・ルフェーブル

オペラ座の怪人の前支配人です。そう、宝塚のファントムでは2番手が演じるキャリエールです。オペラ座の怪人ではびっくりするほど存在感がありません。私は志村要(しむら かなめ)さん、青羽剛(あおば ごう)さん、勅使瓦武志(てしがわら たけし)さん3人のルフェーブルを拝みましたが区別がつかないです。

これ・・・ファントム作成チームはあえて、オペラ座の怪人とは異なるようにしたのかもしれませんね。オペラ座の怪人では重要なピアンジやアンドレやフィルマンをファントムではひとりのアランにまとめているし、オペラ座の怪人ではさして重要ではないルフェーブルをファントムではなんと、エリックの父親という設定にしたんですから。
あと、オペラ座の怪人ではとにかくクリスティーヌのファザコンがありありだけれど、ファントムではエリックのファザコンがありあり。こちらも、原作が同じであれ制作チームが異なる事をアピールするためかもしれません。

他にもプリンシパルにはマダム・ジリーとムッシュー・レイエがいるんですが「どの方も卒なくこなされていました」という事で略させていただきます。私にとって正直、重要な役ではなかったかな。

番外編 アンサンブル1枠

プリンシパルを2人も省略しておきながらアンサンブル1枠を紹介するのもアレですが、私にとってとにかく気になる存在なんです。もともとは元・怪人なレジェンド、高井治さんがお目当てでしたがもうひとりの1枠、辻雄飛(つじ ゆうひ)さんがむっちゃ頑張っているんですよ。当初「高井さんじゃないほうの人」くらいにしか思っていなかったけれど、いざ真面目に拝んでみるとめちゃくちゃ若くって可愛い方だと知ったんですね。母性本能をくすぐります。
60歳の高井さんとは親子ほど、いや、それ以上に年齢が離れていそうだけど、めいいっぱい高井さんに寄せており何ともいじらしい。怪人の飯田洋輔さんは高井さんに寄せている「かも?」だけど、辻さんは高井さんに寄せている「に違いない!」かと。
寄せているから比べてしまい、高井さんならラクラク出す
♪しゅっぱつはぁ、ちゅうし、だぁ~~~♪
の♪だぁ~~~♪の超低音が辻さんには少ししんどそうなんですね。トシとったら低い声を出しやすくなるんだろうし若いうちは若いうちしか出せない声を出してくれたらいいのになぁと、音符ひとつ読めぬ私は声楽家の都合など考えず勝手に願ってしまいます。

というわけで・・・
劇団四季のオペラ座の怪人には、高井治という亡霊(まだ現役だから生霊?)がいるかもしれない。
という私の勝手な推測で記事を終わらせていただきまーす!

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