礼真琴と金メダリスト。「出来て当たり前」という共通点

ジェンヌさん

兵庫県西宮市にもコロナウイルス感染者がいる事が発表されました。西宮市って、宝塚市のとなりです。花組公演がどうなるのかが心配になってきました。

コロナウイルスそのものの毒性や致死性は特別に高いものではないという報道もあります。それでも国がこんなにも対策にヤッキになっているのは「何としても夏に東京オリンピックを開催する」という目的のためかもしれません。

オリンピックというと・・・

私、星組公演で礼真琴さんを観て、思ったのですよ。

「礼さんって、金メダリストと同じかも」って。

礼真琴と金メダリスト

素晴らしさに感動するも・・・

この度の星組公演は、そりゃあ、礼真琴さんが楽しみでした。大劇場トップお披露目です。ナンバー2時代では遠慮していた(と私は思っている)自慢の歌唱力を思いっきり披露してくれると期待していましたし、実際その通りでした。

ダンスも私の老眼では追いつかないほどにキレッキレで、ホント、宝塚初体験の知人・友人を連れてくるなら絶対星組だな!と思わせるほどの安定感でした。

ただ、感動がいったん落ち着くと、心配になってきたんです。

礼さんには、金メダリストと同じような宿命が待っているんじゃないか、って。

金メダリストの宿命が、礼真琴にも?

金メダルを取った選手って、次のオリンピックでも金メダルを求められます。金で当然、になるんですね。

だから、金メダリストが次のオリンピックで銀メダル、銅メダルを取っても、観客はガッカリする。一方で観客は「メダルは無理」って思っていた選手が思いがけず銅メダルを取るとものすっごくアゲアゲしますね。観客は実に勝手で、わがままです。

メダルに限らず、評価というものは相対的だなと感じます。

不確かで不利な評価が、礼さんを苦しめるかもしれないと私は心配しています。観客が礼さんの評価に「減点方式」を適用するんじゃないか、って。

礼真琴の評価が「減点方式」になりやしないか

「礼真琴は完璧で当たり前」として、礼さんがちょっと調子悪いと「いつも通りに歌えてない」と責め、ちょっとクセが出てくると「まこと節が出てる」と責め、クセなくマイルドに歌うと「男らしさに欠ける」と責め・・・みたいな観客が出てこないか、心配なんです。

「減点方式」ですね。

私これ、大嫌い。だって専業主婦がホント、そうだから。出来て当然で感謝される事ないのに、出来てないと責められる。

専業主婦は減点方式

娘が幼い頃、よく義父が「(娘)ちゃんに風邪をひかせんといてな(標準語訳:風邪をひかせないでね)」って言ってました。

お義父さん、何ですかそれ!娘が風邪ひいたら私のせいって言うんですか?ふだん娘が元気でいる事は私のおかげだと感謝していないくせに、悪いことだけ私のせいですか?

って、言い返したりしませんでしたよ。悪気がないの、わかってましたし。ただ、夫の実家だけじゃないんですよね。あまりにもあらゆる場で減点方式なんです。自分の実家でも、娘の学校でも。だから、うんざりする事もあります。

どんなタフな人間にも限界はある

「おまえと比べるな!」って声が聞こえてきそうですね。もちろんわかってます。礼さんや金メダリストの精神力が、専業主婦のおばちゃんである私が何百人束になったところで及ばないほどにタフだと、わかっています。

でもね、礼さんや金メダリストだって人間なのですから、精神力には限界が必ず、あるはずなんです。どんなに健康的にすごしても200歳になるまで生きた人間はいません。人間の生命力に限界があるからです。同様に、どんなにタフな人でも、人間の精神力として、耐えられる容量に限界はあるはずです。

そして・・・容量の大きい人ほど、容量オーバーしてしまった場合、衝撃が激しくなります。

たまには力を抜いて欲しい

星組公演での礼さんには凄まじい気迫を感じました。どんどんタフさを、耐えられる容量を、アップしているかも・・・と私は感じました。

今後の公演では気迫の中に、ほんのちょっぴり、笑いのスパイスを入れていただきたいなと私は思っています。長く頑張るには、力を抜く事も大切です。

礼さんも組子さん達も観客も、一緒に笑ってフッと力を抜く、そんな時間を共有したいです。

コメント

  1. ゆき より:

    こんにちは。
    すみません、今頃、この記事にコメントさせて頂きました。
    記事を読んで、非常に考え深いものがありました。

    私も東京の星組を見て、礼さんの命がけの気迫を感じました。

    コロナ禍で日本中から嫌われていた東京。
    その東京での最初の公演再開。
    「絶対にお客様をガッカリさせてはならない」「絶対に宝塚はお客様の希望でなければならない」
    礼さんの「自分が礼真なのか礼真琴なのかわからなくなった」と言う言葉が、精神状態を物語っていました。

    常に100%の満足度を提供しないと、けなされてしまうのは、たしかに金メダリストと同じですね。
    「今日はいつもより歌えてた」「最近ダンスが上手くなった」そんな褒め言葉は絶対にないのですから。
    “成長してる〟などの言葉は使われず、
    よければ“進化してる〟好みに合わなきゃ“駄作〟とまで評価がさがります。

    不幸だと思うのが、お客様の好みのジェンヌは皆違うのに、その個人1人1人の好み全てに引き合いに出されてしまう事です。「完璧と言われてるけど、あのジェンヌに比べて礼真琴はここが足りない」
    いろんな人のブログに何処かしら書かれています。

    そもそも、これ以上なにを求めるんでしょう。
    絶対に宝塚がコケられない“柿落とし公演〟を3回も任されてるジェンヌなんて過去に居ないんですから。

    たーさんが、発して下さった事が、
    少しでも皆さんが“自分はどうだろう〟と考えるきっかけになれば良いなと思い、この記事に感謝しています。

    礼真琴さんが力を抜ける場所があります様に。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      ゆきさん、コメントありがとうございます。東京宝塚劇場で星組公演を観劇されたんですね。私はライブ配信で大千秋楽を観ました。
      もともとお披露目にしては暗めなお芝居でしたが、コロナ禍でさらにこの暗さが不利になったと私は思っています。ショーが随分とオリンピックモードで華やかになっていたのが救いでした。でもショーの内容の変更って、礼さん始め星組の皆さんにとってはご負担になったはずです。観客に幸せを与えるために、血のにじむような努力をしてくださったんですね。

      記事では礼さんと金メダル選手が同じだと書きましたが、ジェンヌとオリンピック選手には大きな違いがあります。
      オリンピック選手は、金メダル選手であれ、容姿を問われる事はさしてないんですよね。また、アイドルも批評にさらされやすいけれど、身体能力についてあれこれ言われる事はほぼ、ない。
      ジェンヌは、特にトップスターは、どちらも求められます。容姿も身体能力も優れていなければならない、と。

      ファンというか、人間は勝手ですね。わがまま。
      努力していない人、だらしない人に限って相手に多くを求めるんですよ。
      「相手」はジェンヌだったり、スポーツ選手だったり、アイドルだったり、あるいは恋人や配偶者だったり、子どもだったり、いろいろ。
      ファンだから、パートナーだから、親だから、を免罪符に言いたい放題する。私もこうゆう人間です。

      ゆきさんはジェンヌにダメ出しするブロガーに傷ついているんですね。この手のブロガーは容姿も収入も冴えない、努力不足な人間だから気にしないのが一番です。
      顔も本名も出さずに言いたい放題しているブロガーなんて、大した人間じゃありません。少なくとも私はそうですよ。かなり冴えないおばちゃんです。
      とにもかくにも、感覚の合わない匿名ブロガーとは関わらないのがホンマ、一番です。

      礼さんのように才能ある努力家は、ダラなブロガーに狙われやすいですね。
      礼さんは今後も頑張り続け、なかなか「力を抜こう」とはならないかもしれません。しかしタイミングは必ず、やってきます。たぐいまれなる才能をお持ちですが、いつかは「頭打ち」の状態になるはずです。その時に礼さんご自身で、「今後はもっと力を抜こう」と方向転換してくれたらいいなと私は思っています。自分で決断しないと人は変わらないです。

      ゆきさんからのコメントを読み、お返事を書いているうちに、今の珠城りょうさんはご自身なりに力を抜いているのかも、と思いました。
      どうにもピリッとしていない気がして、退団公演はどうか頑張って欲しくて、記事にもしました。
      けれど、珠城さんの中で何かが壊れそうで、そうならないためのあのご様子であるなら、このままでいいなと。

      私もホンマ、わがままなファンで、ブロガーなんです。
      力を抜けと言ったり、もっと頑張れと言ったり。
      自分の努力不足を棚にあげて言いたい放題している、大した事のない人間です。

      ゆきさん、この度はコメント、本当にありがとうございました。
      いろんな気付きがありました。今後に活かしたいです。

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