紅ゆずるの「悩み相談」に感じたこと

ジェンヌさん

朝日新聞が宝塚特集含めすべての記事を無料公開している事を前回の記事で紹介しました。

宝塚特集には紅ゆずるさんの悩み相談のコーナーもあります。その名も「紅ゆずるの お悩み聞いてくれない?」で、いかにも関西人らしい~

他のブロガーさんが紹介されていましたので、悩み相談が始まった事を知ってはいたんです。すごく読みたかったものの有料会員しか読めなくて・・・無料公開と知った時は即、紅さんコーナーへまっしぐら!でした。

「トップスターをやり遂げるほどに強靭な精神力を持った人が、一般人の悩みに答える」事に、とても興味があったんです。

読んで感じた事をそのまんま、言いたい放題してみます。

「悩み相談」について

対面のない悩み相談の限界

そもそも、悩み相談は対面でやるものです。似た内容の悩みでも、相談者の性格や現時点での体力・精神力によってカウンセラーの対応が代わってくるからです。時間やお金にある程度ゆとりがあるか、ってのも実はとても、大切です。

なので紙面、ネット上での悩み相談はまぁ、余興というか、かるーく考えるくらいでちょうど良いと私は思っています。根本的な解決につながる可能性はほぼない、くらいで。紅さんの回答もそのくらいの気持ちで読めばいい、って・・・

わかってはいるが

なのに、回答を読んでみたところ、ちょっと、思うところがあったんです。カウンセラーとしてどうだろう?って。もちろん、紅さんはカウンセラーじゃないって、わかってるんですけどね。

カウンセラーのタブー

カウンセラーには「安易にしない方が良い事がある」と、私は思っています。その中に

・相談者をむやみに励ます

・自分の話をしまくる

があると思っています。私は紅さんの回答に、これらの要素を若干、感じました。

紅ゆずるの回答

回答を要約すると

少々意訳しますが「ペットロスが辛い」という相談に、紅さんは「悲しんだら亡くなったペットはどう思うだろう?天国にいるペットはもちろん、あなたのまわりの人も悲しむんじゃないかと、私なら考える」「つらい経験は後に財産になる」といった回答をされているんですね。

結局は「いつまでもクヨクヨしないで頑張りなさい!」と励ましている事になると私は感じました。

紅ゆずるだから出来た

おそらく紅さんは、ご自身がとても苦しくて辛い時も、「まわりを悲しませてはいけない」「この苦しみを今後に活かす」という強い信念でご自身を鼓舞されていたのだと思います。これは、紅さんのように強靭な精神力を持っている方だからこそ出来る、と私は思います。

絆がある関係では有効

ジェンヌさん同士での相談、たとえば星組の組子さんがトップスターである紅さんに相談し、紅さんがこのような回答をするのは何ら問題がなく、実際そうゆう事がたくさんあったんじゃないでしょうか。紅さんと組子さんの間には絆があり、相談によってより、関係が深まったはずです。

組子さんじゃなくても、相談者が紅さんや宝塚のファンならありがたい回答になるとも思います。一方通行ではあれ、尊敬の念がありますので。私もそうです。紅さんの経歴について、ざっとではありますがある程度把握しており、とても尊敬しています。紅さんご自身の体験談もとても興味深く読ませていただきました。

ですが、まったく知らない人や、大して尊敬してもない人にむやみに励まされたり、自分語りされたりすると・・・すんなり受け入れるのは難しいと思うんです。私ならそうです。逆効果になるリスクもあるように感じます。

もし、私なら

私の持論

基本的に悲しんでいる人は自分でも、立ち直らなければならない事を、わかっている事が多いように感じます。今回の相談では、いつまでもペットが亡くなった悲しみに暮れている自分に、罪悪感すらある可能性があります。ペットを失い悲しい、弱い自分に腹が立つ、どうにか前に進みたい、でも出来ない・・・だから相談したんですね。

こうゆう状態の方に、いろいろ長くても結局は「頑張れ」で集約される言葉をかけたり、まして自分の苦労話をしたりするのは、どちらかというと相談者の回復を妨げると私は思います。

「本心」を見つけ、素直に

もうすっかりメジャーになった病「うつ病」ですが、私はこの病は、「本心」と「こうでありたい自分」のせめぎあいで脳が疲れ果てる事が一因であると思っているんです。なので「本心に素直になる事」が回復につながると信じています。何が本心なのかがわからなくなっている事も珍しくなく、その場合はまず本心が何かを探す事が回復への道のりになると思っています。

勝手に回答してみる

ホンマ私は、何の資格もないおばちゃんなんですが、好き放題、この質問者さんに回答してみます。

質問者さんは少々乱れ気味とはいえ睡眠が取れている、という前提での回答です。睡眠が取れていないなら、医療機関でしかるべき治療を受ける必要があると私は考えています。疲れて眠いのに、眠りに落ちる寸前に、悲しみや怒りの感情が沸き起こって眠れない・・・このような状態なら、受診が必要だと。

睡眠はある程度取れていて、しかしながら起きている間ずっと悲しいという前提で・・・

私なら「悲しみに暮れるのは当然です。これからも思う存分、悲しみ続けたらいいと私は思います。悲しみを日記に綴る事もおすすめです。まわりに迷惑をかける事は気にしなくていいです。本当に絆がある人なら寄り添ってくれますから」って答えます。いつ悲しみが終わるのかと聞かれたら「その時がくればご自身で気付くはずです」って答えます。

本当は、メンタルの回復には運動が大のオススメなんです。が、そのあたりの想いを書くともうあまりにも宝塚ブログからかけ離れちゃうんで、やめておきます。

自分をかばっています

好き放題言わせていただきましたが・・・すべて、受け売りです。私はメンタルが弱く、いろんな方に支えていただきました。イジワルな奴らもけっこういましたし、今もこいつらが大嫌いです。若い頃との違いは、自分のメンタルが弱い事に気付き、受け入れた事。マイナスの感情は、マイナスのままでいい。

宝塚のトップスターのメンタルのタフさは以前、安蘭けいさんの発言でもヒシヒシと感じましたし、今回の紅さんもまた、感じさせてくれました。「素晴らしい」と尊敬しつつ、「私はそうじゃないし、それでいい」と自分をかばっています。

コメント

  1. conga より:

    劇団が清く正しく潔く、すべての公演のリスケジュールを発表しましたね。
    退団って延期できるんだ!というのがものすごい驚きでしたが
    (おそろしく色々な現実的調整と愛が働いたんでしょうけれど、
    一ファンとしては本当にありがたいです)
    先の予定に見通しが見えてきたので、世間の事態は悪くなる一方ですが
    精神的には少し前を向けそうな気がしてきました。

    朝日新聞デジタル、お勧めいただいたので私もさっそく読みに行きました。
    ありがとうございます。
    退団後は安蘭さんのように在団中はできなかった話もしてくれるので読みごたえがあります。
    明るく振舞っているけど本当は結構ネガティブで繊細で気にしやすくて…という
    紅さん自身のお人柄を知っていると本当に微笑ましい話だし、
    金魚の話なんかとてもかわいいですね。
    私はその次の相談の「宝塚って舞台だけが本番なんじゃなくて、
    先生方や上級生・下級生に注目してもらうために、稽古場もすごく大切」
    という話がすごく響きました。
    私たちはパフォーマンスに関して舞台に乗ったものだけを見ていますが、
    スタッフや共演者の方々は裏の姿も全部知っているわけで…
    時々宝塚の人事に対しては疑問を感じることがありますが、
    「宝塚は頑張っていれば見ていてくれる人が必ずいる」
    のはそういう意味で、真実なんだなあと思ったりして。

    話を戻しますが、宝塚のトップをつとめるということ自体が勝ち組の勝ち組のそのまた上の
    勝ち組みたいなものですから、そもそもこの肩書自体がお悩み相談みたいなものに
    向いていないんじゃないかと思いました。
    だって「私は容姿端麗な上に家庭は金銭的にも余裕があり更に体力にも自信があったので
    努力を重ねて成功した人間です」
    って事前に言っているようなものですからね…。
    お悩みの回答者としてはちょっと一般人にとって眩しすぎる気がします。
    前月組トップの龍真咲さんも前にこのコーナーを担当されていましたが、
    正直同じように思いました。
    紅さんは大変お話が面白い方なので、視聴者とコミュニケーションが取れるライブ配信など
    されたらいいのにと思います。

    私も本質的に大変ネガティブな人間ですので、
    自分の精神を保つためによくメンタル関係の本や悩み相談を読みます。
    そんな時何が聞きたいのかといえば、頑張れ!という言葉ではなくて
    (頑張りたいけど頑張れなくて相談しているので)共感と視点の転換なんですよね。
    辛い時はとにかく精神が疲れているし視野が狭くなりがちなので…。
    たーさんのおっしゃること、すごくよくわかります。
    それで、最近は有料ですがcakesの幡野広志さんの人生相談を読ませていただいています。
    (幡野広志さんは宝塚に全然関係ない方ですが、cakesは元花組・天真みちるさんの連載が
    ありとても面白いので、もしご存じなければそちらの連載もぜひ読んでみてください)

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      congaさーん、私もまさに、そう思ったんです!「元トップスターによる悩み相談、という企画そのものがイケてない」って。congaさんが響いたとおっしゃる、「稽古場もすごく大切」のところもね、お悩み相談で登場させるにはもったいないお話です。
      普通に紅さんがおっしゃる事を連載していただき、終了後は書籍へ、のスタイルが良かった。まだ退団後間もない紅さんですから安蘭さんほど大胆に話してくださるかは不明ですが「お悩み相談」スタイルよりうんといいと思います。イケてない企画な気がするのに龍真咲さんも同じコーナーを担当されていたとは・・・教えてくださりありがとうございます。
      そうそう大胆と言えば、春野寿美礼さんの記事を読まれましたか?エリザベートの時のお気持ちがもぉ、私には刺激が強すぎて、アワワワって金魚みたく口をパクパクさせてしまいました。これ、読めて良かった。絶対忘れません。ホンマ、朝日さんの大盤振る舞いに感謝です。公演中止やリスケジュールで今後の宝塚がどうなるか心配ですが、悩んでばかりいないで、今だからこそ利用できる事は利用したいです。

      congaさんもメンタル本、お好きなんですね。もう私も好きで好きで。「読書療法」なんて言葉もあるようですし、良い事ですよね。私達は一緒にメンタル関連の話をしたら、ひょっとしたら宝塚話より盛り上がるかも(笑)
      幡野広志さんのご紹介ありがとうございます!調べるだけでもう読みたくてたまらなくなりました。私はサブスクは極力利用しない主義なので、先程アマゾンで「なんで僕に聞くんだろう。」を注文しました。すごーく楽しみ!天真さんの連載は書籍化されてないようなのでその日を待ちます。
      はい、悩み相談で大切なのは共感ですよね。寄り添う事。結局は、悩みを解決するのは自分自身だけど、支えがあるかどうかでその道程が困難を極めたり、楽になったりするんだと思っています。

      これから当面、自宅で時間を上手にすごす事が大切ですね。私も、紅さんがライブ配信してくださったらいいな、ってめっちゃ、思います。宝塚に限らずたくさんの舞台が中止になりましたので、動画サイトを活用して情報発信していただきたいですし、収入につなげていただきたいです。

      いつもいつも本当にありがとうございます。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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