だーーーいぶ前に読者さんからオペラ「トスカ」をオススメいただいて、実のところすぐにDVDを購入して観ていたんですがパートを始めたり生観劇の感想を優先したりでトスカの感想を後回しにしていたんです。今日は時間があるし、ちょうど別の読者さんから「オペラを楽しんでいる」なコメントが届いていたしで記事にしてみます。
いやぁその・・・
ある意味感動すらしました。
あまりにも、
あまりにも、
男尊女卑(以降「アレ」)
で。
梅芸で観た「レ・ミゼラブル」もアレまみれでたいがいでしたが(感想はこちら)、トスカもどひどいもんです。てっきり作者のプッチーニはフランス革命(1789年)よりだいぶ前の作家かと思いきや1858年生まれとだいぶ後!歌舞伎なら新作カテゴリーになりますよ、古典で有名な近松門左衛門は1653年、鶴屋南北は1755年の生まれですからね。
歌舞伎のあまりのアレぶりに日本人として恥ずかしくなった事すらあった私ですがもうへっちゃらです。アレは世界共通だとわかりましたから。
超ザックリにお伝えすると、
マリオ(トップスター)
トスカ(トップ娘)
スカルピア(正2番手)
のトリデンテで、揃いも揃ってワガママでドバカで、みんな無駄死にするストーリー。
複数の映像が売り出されていますが私が手にしたのは最も安価な1976年版です。舞台で突っ立っているオペラ歌手の映像ではなく映画仕立てなのでとっつきやすいのが良かった。そして映像ゆえ露骨さがたっぷりなんですね。何が露骨かってアレですよ、アレ!順を追ってお伝えします。
最初に出てくるマリオはなんかダサくて華がなく、服装といい思い出したのはロミジュリでの礼真琴さんでした。
そんなださださマリオは画家でマグダラのマリアを絵を描いているんですね。マグダラのマリアといえば「聖書にでてくるしょうふ達の1枠」ですかねぇ、ある意味世界で一番有名なしょうふかもしれません。「ジーザス・クライスト・スーパースター」ではヒロインです(感想はこちら→1回目 2回目 3回目)。
この、マリオが描くマグダラのマリアが・・・とんでもなくあばずれっているんです!
表情は歪み、弛んで垂れたちぶさには「不特定多数の男性に触れられてこうなった」っぽさたっぷり。たまげるほどにケガレっぷりをアピールしまくりで。
あまりにも醜いゆえ思わず一時停止してマジマジと拝んでしまいました。
その後出てきたトスカはきょにゅう・ややガッチリ体型・やや年増と宝塚のトップ娘とはかけ離れていたもののまぁ想定の範囲内です。
しかしながらラスボスの如く出てきた悪役、スカルピアにはビビりました。
レミゼでいうジャベールで、2番手ながら「こいつがアカンと舞台ぜんぶアカン」な影の主人公。ようやく登場したかと思いきやウワッ!ってなほどにめっちゃイケメンで華やか!軍人とはいえ男爵でもあり服装はガッツリ貴族でね、冴えないマリオがすっかり霞んでしまいました。思い出したのは愛月ひかるさん。礼さんとのワンツーではどうしてもビジュアルが礼さんより目立ちすぎてご苦労が絶えなかったかと。ロミジュリではティボルト姿はもちろん「死」でも華やかでした。
さてDVDのスカルピアの話に戻ると愛月さんと異なり歌が上手い!イタリア語の歌詞は一切聞き取れないけど声がチョー良い、良すぎるっ!あまりに顔も声も良すぎるんで声は吹き替えかと思いきやオリジナルなんですね、1935年生まれのシェリル・ミルンズさんというバリトン歌手で今もご存命だそう。
で、スカルピアの歌唱ではいかした顔を拝みつつ日本語字幕も追っていたんですが・・・すっさまじい破壊力でした。
「オイラはぁ~、とにかくたくさんのオンナをなぐさみものにしたい~」
「せっかく神様が美しいオンナをお創りくださったのだからぁ~」
とね、ドヤ顔で歌うんですよ。あっもちろん歌詞はアレンジしていますよ、だけど趣旨はこのとおりです。
マグダラのマリアとスカルピア、どちらも「たくさんの異性と関係した」のは同じなのに、
マグダラのマリア→ケガレっぷり満載
スカルピア→キラッキラ!
なんですよ。
同じ事をしたというのにこの差は何?
これをアレと言わずなんと言う?
スカルピアは自分の欲望を満たしたいだけなのに神様まで利用して正当化して、クリスチャン失格のクズもクズクズですよ。
な、の、に、まかり通る。
こんな歌詞が古典芸能の名作として崇められるんですからけっこうショックでしたねぇ。てごめソング byスカルピアのシーンは歌詞が凄まじいだけでなく、スカルピアがキラッキラなイケメンで、イケメンが映えるキラッキラの衣装で、キラッキラなごちそうが並んだキラッキラの部屋での映像なので余計にキツかった。
だけど、
ここで終わらないんですよ、さすが名作。
トスカがキラッキラなテーブルからナイフを取り出しスカルピアの胸元にブッ刺すんです。トスカはスカルピアのてごめコレクションに入る事を拒むだけじゃ飽き足らずスカルピアの命を奪います。
私にはわかりました、トスカはてごめコレクションの女性すべて、いや、「女性」そのものの象徴であると。
虐げられるのがデフォな女性であれココぞという時はリベンジするんやー!
そんなシーンなのだと私は、思いました。
スカルピアは「マリオの命を救いたかったら俺のコレクション入りしろ!」とトスカに迫るんですが実際はハナからマリオの命を救うつもりはなく、コレクション入りしたトスカが後にマリオの死を知り絶望的に悲しむ事まで楽しみにしていたんですね。だけどころされちゃったんですからスカッ、ですよ。
しかしながらその後1日もしないうちにマリオもトスカも絶命します。
スカルピアの思惑通りになっても、
あるいはトスカのリベンジが成功したままマリオと幸せになっても、
このオペラは名作入りしなかったでしょう。
「みんな無駄死に」で終わるからそうなった。中でもトスカは無駄死にも無駄死にですね、コレクション入りしていれば少なくとも絶命する必要はなかったんだから。レミゼではファンテーヌが似た女性です、工場長のコレクション入りしなかったばっかりにフランス版の夜鷹になり寿命をすり減らしました。
レミゼの初演は1985年。ファンテーヌの犠牲こそあったものの若いカップルが平和に幸せになる大団円ぶりを気に入らなくてプッチーニはトスカをああ仕上げたのかも?なんて勝手に想像しています。初演が1900年と近いですしね。
サラッと調べただけですがトスカは宝塚化していないっぽい。今の宝塚だと・・・私としてはスカルピアのキラキラぶりを最優先したいので極美慎さんが2番手になってからの花組ですかね?


コメント
「トスカ」の感想ありがとうございます。
ドミンゴがテノールのパートなんですね。
「トスカ」は作中の曲がいいですよね。
有名なアリアも複数で有名な曲だけ動画やコンサートの場面で見聞きしたことがあったのですが、はじめて全編を映画館のオペラ全幕ライビュで見た時は?となりました。
たー様の解説とてもわかりやすいですね。
私のいちばん好きな曲は「デテウム」です。
「トスカ」のいいところは、上映時間が短めで作品の時間の経過が短い設定なところかなと思います。
同じプッチーニの「ラ・ボエーム」もわかりやすくて曲がよいと思います。
あとビゼーの「カルメン」とかヴェルディの「椿姫」なども見やすいと思います。
それからモーツァルトとか、ワーグナーとかオペラの作品はたくさんありますが、私には敷居が高いです。
全幕物の舞台鑑賞はどうしてもチケット代が高くなるので、映画館で有名歌劇団のライビュをみるとか
主役クラスをプロにした市民オペラとか、自治体でやっている気楽なレクチャーコンサートみたいなものを、値段と相談して見ています。
オペラのよいところは、あと合唱曲がよいですよね。オケや指揮者、有名歌手、豪華舞台となると
予算は天井しらずで、たー様がお持ちの映像作品もクラッシックでは一流レーベルで、私はドミンゴさんしかお名前判別できませんでしたが、超がつく名舞台の映像なんでしょうね。
話題がかわりますが「昭和落語心中」NHKでドラマの再放送があるみたいです。
よかったらご覧ください。
かなえさん、プラシド・ドミンゴで検索するとすんごいイケオジがヒットしました。DVDのマリオでは冴えない感じだったんですけどね。
「トスカ」の曲ですけど私の脳には残りませんでした。やっぱイタリア語ってのがアカンかったかなぁ?今も動画サイトで直野資さんという方の「テ・デウム」を再生しているんですが伴奏より(まったく聞き取れない)イタリア語へのストレスが上回っています。日本人なんだから日本語で歌ってよぉ、と思っちゃう。声質がかなり好みなだけに余計に。
ああ、確かに上演時間が短めで退屈しないってのはありました。マリオの友達であるチェーザレの描写が少なすぎるのは残念でしたけどね、亡くなった事まで他のキャストのセリフで済まされてしまって。言ってみれば悲劇の元凶はチェーザレなのに。
ラ・ボエームの方がトスカより先なんですね。でね、せっかくオススメいただいたのでDVDを買おうかと思ったんですがラ・ボエームの商品画面のオススメに出てきた蝶々夫人を先に買う事にしました。同じくプッチーニだし、何より出演者にプラシド・ドミンゴの名前があったので(しかもまたもトップスターっぽい)w トスカではサゲちゃったドミンゴだけに蝶々夫人ではどんなお姿か楽しみです。椿姫やカルメンもオススメに出てきましたよ、いずれも2000円未満のお手頃価格なのがありがたいですしゆくゆくは観ようかと。モーツァルトやワーグナーにもオペラがあるんですか?知りませんでした、まずは鉄板であろうプッチーニやヴェルディやビゼーからで良さそうですね!
お返事が遅くなりましたがコメントそのものはメールで読んでおり無事に24日に放送された「昭和落語心中」初回を予約出来ました。
おすすめくださりありがとうございます。正直あまり興味ある作品ではないものの今日は久しぶりにめっちゃ時間があるんですべてのコメントへのお返事が終わったら再生してみます。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
たー様とオペラの話題でコメントやりとりしたからか、私のスマホのおすすめ記事で元歌劇団の方がオペラ界でご活躍というインタビュー記事がありました。
ヤフーで「宝塚 オペラのプリマ」とワードを入れるとでてきます。
インタビュアーが江川紹子さんでした。
江川紹子さんというとオウム真理教のテロ事件の頃よくテレビにでておられた印象です。
ヤフコメに元宝塚の方が何期生かとか詳しく書いてあるコメントがありました。
99期生の方なんですね。
退団されたのも早めで、音楽大学でしっかり学ばれてというのもよかったかもですね。
お時間ある時にご覧ください。
かなえさん、すぐにヒットしました「ディーヴァ誕生・タカラジェンヌからオペラのプリマドンナへ ~ソプラノ歌手・中江万柚子さんに聞く」。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/013a5cade6c26b3e5bef9d58b7b80a668623dba2
99期の万名月洸(まなづき こう)さんなんですね。大怪我での休養中に宝塚と距離を置き、冷めた気持ちが戻らないまま退団を決意したように感じました。けっこう突っ込んだ事を言ってますから「決して宝塚のツテは利用しない」なのでしょう。男役は声の出し方が独特ですからオペラを志すなら早めの退団は正解でした、何をするにも若いほど良いですしね。
はい、江川紹子さんといえば眼鏡のあの方ですよねー、そんなジャーナリストが宝塚OGのインタビュアーに・・・それもこれもあの事があったからかもしれません。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。