13日に大劇場初日を控える「はいからさんが通る」ですが、実写版がある事をご存知でしょうか?1987年公開ですのでもう、30年以上昔です。
アマゾンプライムビデオにあるので観てみたところ、ものすごーく原作から離れていました。驚くほどに。私の想像ですが「大和和紀さん、かなりガッカリしたんじゃないかな」って思ってます。
連載は1975年から77年。最近原作マンガも購入し読んでみましたが、大和さんの、登場人物のビジュアルへのこだわりの半端なさを感じます。だから連載終了から10年後の実写版でこんなにもビジュアルを無視されてしまったのは不本意だったのではないかと。
で、これも私の想像なのですが、大和さんはこの実写版にはガッカリしたけど、それゆえ、2017年宝塚版の素晴らしさをヒシヒシと感じたのではないかと。ゆえに2020年版もすごく楽しみにしているんじゃないかと。
一方で・・・アラフィー(アラフィフ)の身には、87年版はいからさんは、子供時代の自分を振り返る楽しい映画でもありました。
87年版のガッカリ点
まずは87年版のガッカリ点。あくまで「もし私が原作者なら、こうゆうところにガッカリしたろうな」って話ですのでご了承願います。
私が観たのは、これ
アマゾンプライムで観る事が出来ます。1987年12月12日公開の映画です。
気になった登場人物
(カッコ内はすべて当時の年齢)
花村紅緒→南野陽子(20)
伊集院忍→阿部寛(23)
青江冬星 →田中健(35)
鬼島 森吾→本田博太郎(36)
藤枝蘭丸→いない
ラリサ→いない
サーシャ→いない
ガッカリ点(たー視点)
・阿部さんは素晴らしくカッコいいけど、どう見ても、ドイツ人の血が入っているようには見えない。普通の戦争ドラマや映画ならもってこいの美貌ではあるが、伊集院忍とはビジュアルがかけ離れている。
・青江冬星はロン毛が特徴なのに、田中さんは普通の髪型。イケメンではあるが顔立ち、服装も合わせ、青江冬星とはビジュアルがかけ離れている。
・鬼島森吾はさらにさらに、とてつもなくビジュアルがかけ離れている。普通の、戦争ドラマや映画に出てくる脇役、ないし嫌味な上官みたい。といっても印念中佐にするにもインパクトが薄すぎ。
・南野さんはビジュアル面はオッケー。しかし大根。
・蘭丸とラリサとサーシャがいないのはおかしい。おかしすぎる。ストーリーを根本から変えてしまっている。
こだわりのビジュアル、への配慮なし
大和さんは登場人物のビジュアルにかなりこだわりがあり、だからこそ、あれほどにキャラが立つビジュアルに描きわけたのだろうと私は思っています。なので、そのあたりの配慮ゼロなこの映画にはガッカリしたんじゃないかと。もう、原作というより原案なんですよ。
宝塚版は原作に忠実
1987年実写版を観ると、2017宝塚版がどれほどに原作に忠実かをしみじみ感じます。ストーリーに若干の違いはありますが(印念中佐の扱いなど)、でも、かなり忠実です。
ビジュアルが素晴らしい
とにかく、ビジュアルが忠実なんですよ。私は以前、鳳月杏さんや瀬戸かずやさんには青江冬星のロン毛はどうかな?水美舞斗さんの方が似合いそうなのに、なんて事を思っていましたが、87年実写版の田中さんを観ると、ホント些末な話。宝塚版は大和さんへの敬意を十分に払っていると感じました。
初日は間近
13日に花組公演初日を控えているものの、コロナウイルス対策でどうなるかわからない状態です。私としては「全観客マスク着用」の条件でいいので観劇したいです。マスクすると双眼鏡が曇るんですけどね・・・
アラフィーの視点
宝塚ブログ、とは離れるのですが・・・
懐かしさ、てんこ盛り
アラフィーにとってこの実写版は、懐かしさのオンパレードでもあったんですね。南野陽子さんは当時、超スーパーアイドルだったんです。「スケバン刑事(デカ)」というテレビドラマで大人気だったんですよ。このドラマはまず斉藤由貴さんが主演して人気を博しシリーズ化され、二代目の南野さん、三代目の浅香唯さんまで私は毎週楽しみに観てました。
当時のアイドルは歌が下手でも演技が大根でも全然、オッケーでした。たくさんのアイドルがいて、下手でも大根でも大ヒットした歌や映画がたくさんありました。
阿部寛さんは現在、個性派俳優として名を馳せていますが俳優デビュー作がなんとこの「はいからさんが通る」なのだそうです。無難な、若くイケメンである事しか取り柄のなさそうな役柄で俳優デビューした阿部さんがその後「テルマエ・ロマエ」や「結婚できない男」の個性的な主役をこなす名俳優になったんだ、と思うと胸アツです。
しかも、主要人物に謎めいたキャスティングがみられる一方で、伊集院伯爵(伊集院忍の祖父)に丹波哲郎、伊集院家の女中である如月に野際陽子というリッチな名俳優・女優を持ってきています。現在はおふたりとも故人です。
アラフィーにはおすすめ
懐かしい時代を思い出させてくれる映画でもありました。なのでディスりっぱなしで終わり、ってわけにもいかなくて。
アラフィーの方にはとってもおすすめです。宝塚から、はいからさんが通るからは離れますが、とにもかくにも懐かしい、そんな映画でした。
コメント
はいからさん原作漫画の感想を待っていたら斜め上のナンノ版感想、楽しかったです!鬼島軍曹役の本田博太郎さん、調べたら結構イケメンだと思ったのですが漫画や水美さんと比べたらダメでしたかね(笑)
はいからさん実写版は残念ながら見ていないのですが、同じく宝塚の舞台化が大ヒットした漫画、ベルサイユのばらの実写版映画(1979年製作。全編ベルサイユロケ、登場人物全員白人の豪華版)を見たことがあります。見た目は皆さん大変美しかったのですがオスカルが普通に美しい女性(いや、オスカルは事実美しい女性なんですが娘役の男装というか…)だったりロザリーがたくましくて自分でパン屋に盗みに入ったりする、アンドレが普通にロザリーを据え膳しようとする、ジェローデルが変態っぽくてオスカルと結婚したらアンドレも一緒に引き取って楽しみたいと言ってくる、さらに最後オスカルとアンドレがバスティーユ襲撃に参加しようとするもはぐれてアンドレだけ巻き込まれ死亡…と原作の大事な所が改変されてしまってる感じがすごかったです。
漫画が大好きで見たらこれは当時ショックだったかもと思いましたが、たーさんの感想を見て当時の男性が理解できる範囲内で人物設定だけ見て実写化したら、こうなるのかも…と考え直しました。冬星さんの巻き毛は漫画で見たらかっこいいですが、現実では大正時代の編集長があんな髪型の日本人でイケメン設定なのはどう考えても無理ですし(タカラジェンヌでも苦労がうかがえたくらいですから)ハーフ設定の少尉を彫りの深いイケメンの阿部さんにキャスティングしたのは当時としては割と頑張ったのかもしれません…。ベルばらも大人になってから見ると現実的に考えたらまあそうなるかもなという流れでした。感動とかときめきはないですが。
改めて宝塚は現実にはありえないビジュアルの男性が女性の理想の言動をしてくれるという少女漫画と相性がいいんだなあと思った次第です。いい意味で現実感がないんですよね。
congaさーん、いつもコメントありがとうございます!映画版のベルばら、調べてみたらありました!カトリオーナ・マッコールさんという美女がオスカルですよね?こんなのあったんだー、ってもぉ、ワクワクしましたよ!で、フリマアプリで安く出ていたので買いました!届くの楽しみぃぃぃ~
はいからさん実写版ですが、はい、男性が作った映画だなと私も思いました。青江冬星のビジュアルをそのまんま実写化なんて無理、と冷静に判断しての田中健さん起用だったのでしょう。阿部寛さんにしても、イケメンなだけホント良かったと思います。本田博太郎さんは俳優として悪いわけじゃないですが、なんせ私の中では「鬼島=水美舞斗さん」のイメージでしたので「こりゃないわ~」ってなっちゃったんです。
「宝塚は少女漫画と相性がいい」これ、ホント、そうですよね。本当にこの映画は、宝塚の良さを気付かせてくれました。ポーの一族も、宝塚だから出来たんですよね。
いつもありがとうございます。今後もどうぞよろしくお願いいたします。