バロンの末裔、キャスティングだけは抜群

その他の宝塚

宙組全ツは映画館でライブビューイングを楽しみました。夫も娘もこの週末は忙しいので、じゃあ私もお出かけしようかなと。
つい先日星組の新人公演を自宅で観たばかりだから、自宅では得られぬ刺激が欲しい気持ちもありました。

向かったのは「大阪ステーションシティシネマ」。
娘の大のお気に入りの映画館なので私もいっぺん、行ってみたかったんですよね。
私が知っている映画館、具体的に言うとTOHOシネマズとは随分と異なるコンセプトでした。
だって、

エントランスがやたら、明るいんですw 天気バレバレw
全体的に暗く、季節や天候がわからない特別な空間を演出しているTOHOシネマズと正反対w
でねぇ、私はこんなコンセプトにした理由に気付いてしまったかもしれません。
大阪ステーションシティシネマはとにかく、天井が低いんです。なので冷静に判断すると圧迫感があるんですが、デカい窓から見える景色でごまかされちゃいます。うんこれ、設計者のアイデアの勝利だな。

開場したので入ってみると・・・あれ?

けっこう、コンパクト?
すんごーいデカ箱を期待していたので拍子抜けしましたw
それでも満席ではなく、7割くらいでしたね。

ああ・・・
宙組別箱のプロミセス・プロミセス、権利の問題で映像化してくれないそうですがせめて、ライビューくらいしてくれたら良かったのにな。自宅への配信と違い、盗まれるリスクが格段に低くなるんだし。チケットの暴騰がひどかったです。

一方で全ツは、いくらトップスターの真風涼帆さんが熊本出身だからといってもやりすぎなほどに九州に偏りすぎた日程となっちゃって、半額以下で売り出されているチケットもあったんですよね。許されるものなら家庭も道徳心も捨てて九州に飛んでいきたい気分でしたよ。
この全ツだって梅田芸術劇場のチケットは転売価格が万超えしていたんだから、もうちょっと梅芸での日程を増やしてくれたら良かったのに。

別箱は演目の選択ミス、
全ツは日程のミス、

と、宙組公演プロデュースのしくじりについてすでに劇団を責めたいモードだったんですが・・・さらに追加となってしまいました。
「なんで、この作品にしたん?」 「この作品では新規ファンゲットは難しいんちゃう?」 って。

それほどに、私にとって「バロンの末裔」はどうにも物足りなかったです。
ストーリーは極めて単純。ゆえにネタバレする気になれません。
しかも展開がゆっくりすぎて「これ、90分いらないわ。60分でええんちゃう?」と思いました。
皆が幸せになる、ほのぼのラストではありますが・・・

って、あら?
私、ついこないだもこんな作品を観劇したんです。
松竹新喜劇ですよ。
バロンの末裔は冗談抜きに、設定を江戸あるいは昭和初期あたりにさえすれば、同じ内容で松竹新喜劇でイケそうな気がします。正塚センセ、どうですかぁ?

松竹新喜劇の感想記事はこちら
私は今後おそらく、松竹新喜劇を観る事はないように思います。

でね、もし宝塚を全く知らない頃の私がバロンの末裔を観たら、やはり「宝塚はもう観なくてええわ」になったような気がするんですよ・・・

しかしながら宝塚ファンになってから観たので、ストーリー展開とは異なるところでこの作品の良さを感じる事が出来ました。

そう、タイトル通り、キャスティングです。

真風涼帆さんのロングヘアとショートヘアをいっぺんに拝めたし、
潤花さんの少々にんじんというかだいこんっぽい演技も活かせていたし、
亜音有星さんと山吹ひばりさんはミー・アンド・マイガールのビルとサリーみたいですっごく良かったし、
桜木みなとさんは野心セーブを続行している事がわかったし、
秋音光さんは実はけっこう小柄だと気付かせてくれたし、

何より泣けるほど嬉しかったのが、瑠風輝さんが歌いまくってくれた事!めっちゃ歌上手なのにここのところホンマ、歌唱シーンがなくって。
名脇役街道を爆進中の穂稀せりさんは歌がないままで残念でしたけど(ショーでは美声を披露してくれました)。

はい、ジェンヌさんそれぞれのお姿を楽しませてくれるお芝居だったとは思います。

初演は久世星佳さんの退団公演だったそうで、やはり「久世さん及び宝塚ファンのため(だけ)のお芝居」だったんじゃないかと。
こうゆうのを否定しているわけじゃないんです。
私だって宝塚ファンとして楽しませていただきましたから。大好きな瑠風さんの歌声を、抜群の音響環境で聴けてすっごく嬉しかったですし。

ただ・・・宝塚初心者の方には薦めません。

・・・

今回ねぇ、タイトル末尾に

[私見]

って入れようかなと当初思ったんです。

でもね、個人が匿名で書いている記事なんてぜーーーんぶ私見で当然だしね、やめました。
次の記事ではこれまた私見てんこ盛りで「アクアヴィーテ!!」の感想を書くつもりです。

コメント

  1. 江戸の花 より:

    たーさん、おはようございます。
    ライブビュー、ご覧になったんですね。私は全日程、会場で見ました。会場、ほぼ満席でした。ライブビューの回もカメラ後方で見ました。
    正直、私は配信を見るだけで良かった気がします。「博多に行きたかった〰️」と自宅で配信を見るくらいが…。
    ←ファン失格ですね。
    いろんな意味で宝塚は企画、マネジメントを刷新して新しい風を入れた方が良いと感じました。
    たーさんのアクアヴィーテの感想、楽しみにしています。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      江戸の花さん、おはようございます!福岡での3日間、すべて、生観劇したんですか???スゴッ!!!
      会場、ほぼ満席だったんですね。福岡は交通至便なので遠征の方もいたでしょうが、地元の方も多かったんじゃないかと。その中には宝塚初体験の方もいるはずで、出来るものならお芝居の感想を聞きたいです。
      私としてはホンマ、物足りなかった。もっといろいろ掘り下げて欲しかったんですよ。ローバックがローレンスをたぶらかして破産に追い込んだ経緯とか、このふたりそれぞれの人格とか。エドワードはキャサリンへの想いを断ち切るために軍人になって独立したんでしょうが、そのあたりもっと詳しく知りたかったし。あとキャサリンがどうにも、高貴なお嬢様のようで結局は自分の事しか考えていないように見えたのも残念でした。おまえは結局どっちの男を本当に愛しているねーん!って突っ込みたくなったというか。

      私は、江戸の花さんのお気持ちは決して「ファン失格」じゃないと思いますよ。
      確かにヅカファンには、ネガティブな発言を絶対にしない方もいますね。あとヅカファン界には同調圧力っていうんでしょうか、「とにかくアゲアゲするのが正しい」といった雰囲気があるのも感じます。
      でも本来は、イマイチに感じた時はイマイチだと言っても良いはずなんです。異議を唱える事が許されない世界は崩壊します。PTAであれ、劇団であれ、国家であれ。

      とはいえ・・・何もかも一気に入れ替えると、かえって悪くなる事もありますよね。
      金魚の水槽の水って、汚れているからといって一気に全部入れ替えると金魚が死んじゃうって言うでしょう?
      だけどずっと替えないままだと水が淀みきって、やはり金魚は全滅しちゃう。
      宝塚は100年以上前に出来た水槽の中でいろんな人がウヨウヨしている世界。いきなり水すべてを入れ替えたら何もかもが全滅になっちゃいそうです。かといって今のままでもヤバそう。
      このあたりのさじ加減が難しいんでしょうね。水槽の周囲にはおVISA様などスポンサーがたむろしているしね。

      アクアヴィーテの感想ですが・・・潤さんにフォーカスするつもりです。彼女のタフさに魅了されましたので。
      全般的な解説はベテランブロガーさん達におまかせでーす♪

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. 昭和っ子 より:

    バロン  やはりあれは久世さんのサヨナラ用でしょうね

    私は久世さんで見ましたが、あの当時は正塚氏は新しい感覚の演出家として
    久世さんはすごく地味目のトップさん
    多分長期を考えていた天海さんがサッサと辞められたので
    急遽用意された様なスターさん?
    私はこの頃は御贔屓が居なくてどなたも見てましたが
    何をされたか?あまり印象には残ってないのですが、特に野心のあるギラギラ型の方ではなかったので普通のお芝居として見て、ショーも若手が沢山いい場面をもらっていた様に思います

    古臭い 植田氏や少し停滞気味ね柴田氏より好かれる
    新しく出てきた演出家の一番脂の乗ってた時代?
    エリザベート前の小池氏は映画の脚色はいいが オリジナルは?言われて時代です
    まあ、大衆向けの石田氏もいましたが

    だからセリフも自然に物語も
    平穏に出演者や主演とかヒロイン脇にも当てがきで平穏流れる正塚氏が好まれてた時代です

    今で言ったらウエクミさんや原田氏がいいって言われるみたいに(若谷さんも)

    正塚氏はナチュラルを最に化粧も派手でなく セリフもヒロインは「はい!」でなく「うん!」とか「えぇ!」でセリフで喋るなと言われたそうです

    やはり時代と共に古臭いなるんでしょうね

    正塚氏、面白い版が「メランコリ ジゴロ」とか「愛するには短か過ぎる」だからその方が大衆受けするかな?

    うちの娘は鹿児島まで見に行ったのですが
    ファン友人グループと温泉に入り、美味しいものを食べ(黒豚三昧)近場の観光をしたり 3泊 鹿児島の旅で劇場ではかなり疲れお芝居はちょっとお休みタイム??みたいに

    なんかえらい楽しかったか?みたいで
    1週間後 また福岡迄行き
    ライブ私はまだ見られませんでした

    娘の友人はほぼ九州縦断で沖縄ラストって地同じ地区を回ってくれるツアーを喜んでいる様です

    全ツは劇団にあまり権限がなくその地区の主催社なのでチケットも友の会やぴあでなく地元の劇場や主催関係に連絡したらしいです

    彩風さんが四国でお披露目をした様に
    真風さんはもう全ツは来られないと思うので大盤振る舞いツアーだったかも?

    実は私はこの全つ、半分だけ見ました(ショー)だけ
    娘のチケットだったのでお芝居は娘、ショーは私
    娘は初見 (梅芸の初日) のお芝居だけでも、これ今から全ツ回るのきついわ
    石炭を知らない世代なので土地の価値がわからないそうです

    ショーはいかがでした?
    私はアクアヴィーテは宝塚では何回も見た口なのでその変化だけが知りたい公演でしたが
    まあ楽しかったかかも??

    私が感じたことは前の全ツ花組で華優希さんのファンが感じられた気持ちかも?
    でも潤さんは私は好きだから
    無理をせず、若さを爆発する生き生き踊る潤花ちゃんを期待します

    今週末はまた、花組連チャンシリーズになりそうです

    O S Kコープチケット!検討します
    ちょっぴり値引きの松竹座
    日程が合うかな?
    2月は母の100歳の誕生会を計画しているので日程が問題です

    コープチケットは指定日が部分貸切みたいになるので全日程ではないから=(^.^)=

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      昭和っ子さん、事前にお伝えしていた通りむっちゃ偏ったアクアヴィーテ感想記事をアップしましたよw
      言い訳しちゃいますが、もうちょっと全般的な記事を書こうと思えば書けたように思います。私は初演アクアヴィーテを大劇場で観ましたし。

      和希そらさんのタコ足ダルマを引き継いだ鷹翔さんがめっちゃ印象的だったし、芹香さんの役を継いだ桜木さんは歌い方をちょっと、芹香さんに寄せているような感じでしたね。
      まぁホンマ、いろいろ思ったんです。
      だけどとにかく、潤さんに注目していました。余計な心配のあれこれがすべて杞憂に終わりました。

      久世さんは控えめなタイプのトップさんだったんですね。天海さんの就任期間と関係あるかもしれないんですね。教えてくださりありがとうございます。
      1996年当時はバロンの末裔のような平穏な作品が好まれていたんですね。私は花全ツの哀しみのコルドバの方がだいぶ好みでしたが、初演は85年なんですね。96年の時点でシバターがすでに停滞気味であってもおかしくはないです。にしても平穏が好まれた96年によく、初演エリザベートが公演出来たものだなぁと思いますよ。エリザはやる前に随分といろいろあったそうですが、それもそうだろうなと。

      私ね・・・バロンの末裔を完全否定するつもりはないんです。ただこの記事で「新しいファンの獲得は難しいのでは」といった事を書いたんですからやっぱ、批判になっちゃいますね。
      どうしよう、正塚センセが苦手になっちゃうかも?本来なら他の正塚作品を観なくちゃいけないんですが、環境が整っていなくって。「愛するには短か過ぎる」は確か柚希さんバージョンの配信を楽天で観たように思うのですが、覚えていないので私にとって印象的な作品ではないのかもしれません。

      昭和っ子さんはこの度の宙全ツはショーだけ観たんですね。
      で、娘さんはお芝居を観て、さらにその後、キツいと感じつつも全ツ回りに励まれた、と。
      娘さんは鹿児島に行かれたんですね。3泊で、温泉でとゴージャスだったんですね。ひょっとして温泉は指宿?
      私は車で鹿児島に行ったので市街地はほとんど観光しておらず(「しろくま」というかき氷のお店には行きました)、もっぱら郊外のドライブがメインでした。
      この時は家族旅行だったので、いつかファン友と遠征ツアーで九州に向かいたいものです。

      全ツって劇団の権限が少ないんですね。
      宙組全ツは前の熊本ツアーでもでしたが、転売する人が「いただきものですが不要ですので」といった事を書いて出品しているのが珍しくないんですよ。
      地元の主催者が関係者にバラまいているのか?と寂しい気持ちになりました。
      前回宙全ツの追憶のバルセロナは梅芸チケットが当たったけれど今回は梅芸の日程が少なすぎてハズレて、より一層、九州にチケットがだぶついているのが残念でたまらないです。沖縄公演すら定価割れ出品が珍しくなくって。

      まぁその、地方公演はいろいろ難しいんでしょうね。そういえば彩風さんの四国お披露目も苦戦しているようでしたし。
      松竹なんか自前の箱での公演もいろいろ難しそうですよ。一等席のチケット価格が本当に、不明瞭ですから。あっちこっちで値引き販売していますよね。
      OSKの大阪松竹座や南座での公演も、一等席は定価で買うのはもったいないです。

      2月にお母様の100歳の誕生祝いを計画しているんですね。
      寒さ厳しい時です、お母様にも昭和っ子さんにも無理のないようにしてくださいね。
      私の祖母は90で天に召されました。すごくお世話になったのに恩返し出来なかった事が悔やまれてなりません。
      松竹新喜劇は私自身にはフィットしませんでしたが、祖母を連れて行ってあげたかったと思いました。宝塚よりは新喜劇が好きそうなので。

      今週末は大劇場で花組連チャンなんですね。是非感想をお聞かせくださいね。
      やっぱ宝塚って、同じ公演を何度も観る方が多いんですね。
      「観劇の回数が少ないのに偉そうな事を書くな」といったクレームが届くのも仕方ないのかも。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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