花組公演、ショー感想は短文で

大劇場公演

さて、現在の花組大劇場公演のお芝居「元禄バロックロック」に続きショー「The Fascination!」について私なりの感想を述べてみます。

とはいえ張り切って3000字オーバーで書いたお芝居のようにはいきません。
だってこの度のショーってば「花組100周年のお祝い」な理由で過去作品のオマージュやアゲインがふんだんに盛り込まれており、 ファン歴がやっと3年になりつつある私にはめっちゃ不利w
ベテランファンの方々にはたまらぬ内容なのでしょうから、そういった方々に細かな感想はお任せで~っす。

だけど・・・他の面で、深く心に残りました。
お芝居担当の谷貴矢さんに続き、ショー担当の中村一徳さんも

・正2番手になった水美舞斗だが、2番手羽根はナシ
・水美舞斗と永久輝せあは同格に扱う

という「おVISA様への忖度」を充分に意識しつつ、しかしながらヅカファンから反感旋風が巻き起こる事は極力避けたいと、バランスを取るにあたり随分と奮闘してくれた気がしたんです。

普通はショーでの2番手と3番手って、似たような衣装でもスパンコールの量などでさりげなく、でも確実に格の違いがわかるようになっています。でもこの度のショーでは同じシーンに登場する時の水美さんと永久輝さんの衣装は完全に同じだったように思います。私はこれはおVISA様の指示だったんじゃないかと憶測ってますよ。なんせ衣装をこさえるにもおVISA様のお金を使うわけですから。

ただ、同じシーンにふたりいる時は、水美さんが上手にいる事の方がはるかに多かったです。
つまり観客席から舞台向かって、
ひとこ かれい マイティ様
になる事が多かったんですね。ずっとじゃなかったけど。

舞台において「上手」「下手」って重要らしいです。
歌舞伎では複数の役者でのフォーメーションでキメポーズするにあたり、トップスターを中央にして他の役者は上手側から格の高い順に配置するそうですし。
ってこれ、ほんの数度の歌舞伎観劇を通して、イヤホンガイドの解説員さんが教えてくれた事の受け売りなんですけどw
宝塚は歌舞伎の技術や知恵を都合良く拝借している気がします。中村さんも歌舞伎の流儀を持ち出して、衣装こそ永久輝さんと同じであれ出来るだけ水美さんを上手に、おVISA様を怒らせない程度に配置したんじゃないですかね?

あとお芝居の時は終盤まで水美さんと永久輝さんの直接対決がなかったんですが、ショーではけっこう最初の頃から頻繁にふたり一緒のシーンがあったように思います。

そして、おふたりは・・・
過去作品の多い構成ゆえショーそのものには感動しにくかった私に、別の、すんごい感動を与えてくれたんです。

本来ならこのふたりは、何らかの不協和音が生じてもおかしくないような関係。
それぞれの立場があまりに違いすぎて、本来なら仲良く出来なくて普通なんです。
不仲な空気や匂いが観客に届いても不思議じゃない。

観劇歴が浅い私ですが、過去に「このふたりはうまくいってないんだろうな」な雰囲気を感じた事はあります。ジェンヌさん達の中で不協和音は時に、どんなに運営陣が頑張っても発生してしまうんだろうと思いました。
なので水美さんと永久輝さんはお芝居では大丈夫でもショーではどうか、心配があったんです。

でも杞憂でしたよ!
おふたりは一緒にいても、実にハツラツとしていました!
ずっとずっと、笑顔。
お芝居に続きショーでも、水美さん永久輝さんはサイッコーに、キラッキラでした!
不和を感じるどころか、仲良しにすら見えました。すごく嬉しかったです。

実際は「仲良しっぽい演技」かもしれない。
でも、それでもいいんです。
水美さん永久輝さんは間違いなく、観客に幸福感を届けてくれました

諸事情を把握していない観客はただただ幸せになり、ある程度把握している観客には感動をもたらすほどの幸福感を・・・

・・・

当初劇団に怒り心頭な私でしたが、公演を観終えると劇団からの

「ごめんなぁ、水美に2番手羽根を背負わせる事は、どうしても出来ないねん」

な、お詫びを感じたような気がしました。
この公演は、水美さんが2番手羽根を背負っていたら完璧なんです。でもそれだけは出来なかった、それだけは出来ないゆえ他でめっちゃ頑張った、そんな公演なのかもしれません。
そして水美さんや永久輝さんはそれぞれ異なる劇団の要望を受け入れ、苦しみを抱えつつもめいいっぱい頑張っている・・・私はそのように受け取りました。
所詮は私個人の感覚ですので絶対の保証が出来るわけではないのですが、水美さんを心配している方や、水美さんを慕うあまり永久輝さんを快く思っていない方にこそ観る価値アリアリだと思います。

というわけで・・・
ネタバレまみれだったお芝居の感想と打って変わって、具体的なネタには一切触れぬままショーの感想を終わらせていただきます。

コメント

  1. 東海からの遠征民 より:

    前記事でのさっそくのお返事、ありがとうございます。

    本記事も拝読いたしました。
    なるほど、ひとこちゃんさえも大事には扱われてきていないというご指摘に膝を打った次第です。
    そして演出先生方の深い深いご配慮についても、たー様に言われてみればそうかもと気づかされたところです。

    本公演の制作発表会も観ましたが、ジェンヌさん以外は見事に旧体制オヤジの整列といった様相でしたから、まあ、こうなることは必然だったのかも。
    女性ばかりが正しい視点を持てるとはもちろん言いませんが、やはり伏魔殿のオヤジどもを成敗し、ジェンダーバランスを整えることから始めないといけないのでしょうねえ。

    本当に、マイティもひとこちゃんも輝くばかりの笑顔で、我々に夢をみさせつづけてくれる素晴らしいスターさんですね。
    どうかお2人や花組の皆様が健康に元気に舞台に立ち続けてくれることを願うばかりです。

    ありがとうございます。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      東海からの遠征民さん、こちらこそさっそくの再コメントありがとうございます。
      はい、私は劇団は永久輝さんすら大切には扱っていない気がします。その背後にあるおVISA様は大切なんでしょうけど。

      制作発表会の画像・・・ふふ、私は「サファイヤ・エメラルド(永久輝・水美)、河原の石っころ4つ(旧体制オヤジ達)、ダイヤモンド・ルビー(柚香・星風)やな!」って思ったんですよw
      マイティ様は赤がお似合いで、赤の補色である緑も似合いそうでしょう?

      オヤジ4人の立ち位置ですが、この度頑張りを見せてくれた(と私が感じる)タカヤとカズノリは端だし、センターふたりのうち、上手にいるのはおVISA様・・・もうこの画像だけで何もかもお察し、ですよね。
      カネを出す人が一番偉い、という事です。ちなみに現在のおVISA様社長は東大法学部卒でずっと銀行畑で活躍していたようなので、簡単には成敗されないでしょうね。

      ジェンダーは、脚本の内容ではバランスを取る必要があるように思います。ただ運営ではわかりません。昨日今日お茶の間を沸かせている、都議の椅子にしがみつく某女性の様子を見ても、アカン人は男女関係ないな、という気がします。

      大企業も政治家もドロドロしているようだし、自分もドロドロ。
      こんな状況だからこそいよいよ、水美さん永久輝さんの輝きや頑張りが尊いです。ホンマ、夢を見させてくれます。
      はい、今後も健康に元気に、舞台に立ち続けて欲しいですね。私も願っています。

      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. conga より:

    たーさん少しお久しぶりです。素敵な記事をありがとうございます。
    水美さんにも永久輝さんにも(劇団にも・笑)愛が感じられました。

    初日を見てから公演の内容が良かっただけに最後のパレードが衝撃過ぎて
    ずーーーっと真っ黒い気持ちがもやもやしていたのですが
    (誰も何も得しないやん、というのと水さん時代の雪組のトラウマが…
    VISAってなぜ暗黒時代を招いた時と同じことを繰り返そうとするんだろう)

    なんか、これも人生ですね。
    色々思い通りにいかなくても、それでもみんな何とか少しでも良いことを積み上げようとするというか。
    たくさんの思い通りにいかない涙の上にある努力とあの笑顔なんだとこの記事を読んでしみじみと感じました。
    少なくとも舞台上での振る舞いで観客に冷えた感情を与えないよう頑張ってくれている
    水美さんと永久輝さんには本当に感謝ですね(それができない人もいることを知っていますから)
    私も、水美さんはお金の勘定をする上層部からはどうだか知りませんが
    演出家とか現場スタッフからは好かれているんじゃないかという気がしました。

    そうそう、たーさんの記事を読んでいて思い出しましたが、確か水美さんはパレードでは下手先頭なんですね。
    下手先頭って、つまりパレードの時分かれて銀橋に皆さんが出てくる時の先頭のことなんですが(※上手先頭はもちろんトップ)下手先頭はトップ娘役か2番手かで
    (しかも色々と強い方がする、という印象です、例えばエリザベートならトップ娘役がするとか)三番手羽で下手先頭って私は本公演では見たことがないです。
    そういう例が他にもあったらすみません。劇団も本当にできることで最大限配慮したのかもしれません。
    でもやっぱり花組100周年というおめでたい公演ですし、同期ワンツーの大羽根が見たかったです。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      congaさんも初日観劇されたんですね!
      はい、朝美さん鳳月さんが背負ったんですし、雪組公演より月組博多座公演よりお芝居もショーも良い(と私は思う)この度の花組公演ですから、「マイティ様2番手羽根で華やかなシメ」になるって当然、思いますよね。
      期待はずれ過ぎる結果にさぞ落胆された事でしょう。本当にお疲れさまでした。

      他の読者さんからも水さん彩吹さん音月さんの頃のコメントをいただいていまして、当時の状況を知らぬ身ではあれ私としても悲しい歴史が繰り返された事を残念に思います。
      今のおVISA様社長は2018年に就任したようなので、雪組でのしくじりがうまく引き継げていないのかもしれません。
      これはつまり・・・おVISA様にとって宝塚は些末な存在って事じゃないかと。本来なら宝塚友の会会員証がVISAなんだから宝塚はVISAの収益に貢献しているはずなんですが、それ以上のお金を宝塚に払ってスポンサーとしてふんぞり返っているんでしょう。

      はい、「色々思い通りにいかなくても、それでもみんな何とか少しでも良いことを積み上げようとする」はその通りだと思います。
      OGでは先に述べた水さん彩吹さん音さん、それに以前話題にしたゆめかさんにしても、いろいろ苦しみ悩んだんでしょうに、それでも活動を続けてくれていますから。
      他の読者さんから聞く限りではありますが水さん彩吹さんは仲良しだそうで、ホンマ「良いことを積み上げ」ているんですね。

      そして闇な采配は繰り返されてしまいましたが、水美さん永久輝さんは辛さや苦しさを腐らせる事なく完全燃焼して笑顔に変換してくれていました。輝きぶりが本当にすごかった。

      下手先頭の話ありがとうございます。申し訳ない事に全然覚えていないんですが、イメージは掴めました。
      そうか、ただただ舞台にいる時だけでなく、銀橋に出てくる時も上手側から、下手側からって重要なんですね。
      確かに、上手先頭から銀橋中央に歩いてくるトップスターの隣りにとどまる下手先頭なんですから、大羽根を付けたトップ娘か正2番手がふさわしいですよね。
      おそらく水美さんは例外的な3番手羽根での下手先頭だったのではないかと。
      でも存在感はたっぷりだったはず。私が覚えてないのはきっと、
      3番手羽根マイティ様 トップスター大羽根かれい
      の並びに、違和感がなかったからだと思うんです。
      次の観劇で注目しますね!

      はい、おめでたい花組100周年なんですし私も本当に、同期ワンツーの大羽根が見たかったです。
      次の公演では叶うのかな?そうであって欲しいです。

      この度は約ひと月ぶりのコメントでしたね。
      さぞお忙しいんでしょうにありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. きなこ より:

    花組の感想ありがとうございます。

    私も出島や義経が微妙だったので、あまり期待はしてない派です(笑)

    たーさんや他の方の感想を読むにつれ、マイティーもひとこちゃんも大好きな身としては、もう羽なんか関係ない、マイティーは2番手らしく堂々としてるし、ひとこちゃんもいつも通りかっこいいんだったらそれでいいんだ!って思えてきました。

    お二人も羽根の事でファン同士がいがみ合ったり、各所へ羽根についての問い合わせされるのは本望じゃないですよね。
    舞台を見て楽しんでくれるのが1番ですから。

    明日海さんが退団し、ちなつさんが移動になってそれだけで足が遠のきそうになり、はいからさんを見たら正直花組はもういいかなって思ってました。
    でも、マイティーが盛り上げ、まどかちゃんやひとこちゃんが加わってパワーアップし、また行きたいと思わせてくれたんですよね。
    単純に舞台を楽しんできます!

    あっ、たーさんの感想読んで、音くりちゃんが楽しみでしょうがないです。
    犬のぬいぐるみ??
    もう、ツナヨシが予想の遥か斜め上の役柄っぽいですが、それを越えてくるのが音くりちゃんなんでしょうね!

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      きなこさん、観劇予定は月末でしたね。あと半月あるわけで、その間もいろいろ予習しちゃいそうですね。
      ネットでイージーに情報収集出来る世の中です、ついつい調べたくなるものですが質は玉石混交っていうか石の方が多いんですから、私の石記事を含め適当に流して、散歩でもしながら生観劇の日を待ってみてもいいかもしれません。
      もう充分に予習は出来ているかと。現在の時点で「羽根の事でファン同士がいがみ合ったり、各所へ羽根についての問い合わせするのは(お二人にとって)本望じゃない」とお気づきなんですから。
      生観劇したらより一層、そういったお気持ちが募ると思います。

      はい、明日海さんは本当に偉大な方でした。さらに鳳月さんも月に戻って、私も寂しい気持ちになりました。
      星風さんが宙からやってくるのも正直、当初は疑問に思いましたし。
      それでも現在、何もかもうまく収まっていますね。
      明日海さんは舞台などで大活躍、鳳月さんは月で正2番手&2番手羽根、そして星風さんはまるで10年ほども前から花組トップ娘だったかのような雰囲気なんですからw
      永久輝さんもまるで花組生え抜きのような存在感で、柚香さんやマイティ様とずーーーっと仲良しであるかのよう。
      もちろん皆さん、大変な苦労あってのお姿なのでしょう。本当に感謝感謝です。

      音さんも素晴らしかったですよー!はい、ぬいぐるみといい目立ちまくったわりにはサクッと引っ込んで「ななな、なに?」でしたが、あの大団円を導くキーパーソンだったんです。
      「お坊ちゃま」な設定をうまく演じてくれていました。ショーでも大活躍でしたし是非、お楽しみに~

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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