カジノ・ロワイヤル 2回目は映画版との比較で一気に楽しく!

大劇場公演

いやー、同じ作品でも捉え方がガラッと変わりましたよ、宙組「カジノ・ロワイヤル」。

2回目観劇で訪れた宝塚大劇場は周囲の桜が満開で、私の心の中もルンルン花が咲き乱れていたんです。

というのも、

原作を読んだ読者さんからのコメントで刺激され、アマゾンプライムで配信されている2006年の映画版を観ていたから。2回目観劇が楽しみになりましたし、実際、初回観劇よりうーんと楽しかったです。

教えていただいた通り映画版にはロマノフも学生運動もイルカもなかった。そしてボンドガールがヴェスパーなんですね、宝塚版では次期宙組トップ娘なのになかなかに地味な春乃さくらさんが演じています。
そう、宝塚版ではインパクトが薄いヴェスパーですが・・・映画版では大活躍なんですね。ぺちゃぱいなインテリタイプでこれ、ある意味差別ちゃいます?「ぱいんぱいん=頭悪い」みたいだもん。ぱいんぱいんでインテリなボンドガールも拝んでみたいものです。

それはさておき、
原作や映画版の内容を知らぬままの初回観劇では芹香斗亜さん演じるル・シッフル(以降「キキッフル」と呼ばせていただきます)のあっけない死に方がどうにも気に入らなかった私。だけど映画版と比べるとイケコの思い遣りをヒシヒシ感じました。

というのもね、
キキッフルには「ろしあ出身の両親を持ち、ろしあ帝国の再興」という目的があるんですね(世情を鑑みてあえて国名をひらがなにしています)。
だけど映画版ル・シッフルはただただ金の亡者で、何故悪党になったのか全然掘り下げていないんです。そして映画版ル・シッフルはやる事がえげつない。キキッフルは「使い込みでお金を失った」設定ですが、映画版ル・シッフルは株で大儲けするために大型旅客機を乗客ごと爆破する計画を企てていたんです。そしてボンドが爆破を阻止したため巨額の損失を被ります。
ル・シッフルが損失分をギャンブルで取り返そうとする、その時にボンドと対決する、ヴェスパーがお金を用立ててボンドを助ける、このあたりは映画版も宝塚版も同じですがそこに至るまでの過程がだいぶ異なるんですね。宝塚版はだいぶマイルド。映画版では3分の1くらいを「旅客機爆破計画~阻止」が占めているんですがイケコは綺麗さっぱりカットしています。

「宙組トップスター真風涼帆の集大成にボンドを!」なカジノ・ロワイヤルではあれ、次期トップスターの芹香さんにとっても長すぎるほど担った2番手としての集大成なのだからどこまでも冷酷な人間にはしなかった。

事を、映画版を観て初めて知りました。

あとねぇ、キキッフルって元・愛人がいるとはいえ、現在の恋人はいない設定ですよね。これもまたイケコアレンジなんですよ。映画版ル・シッフルには恋人がいまして、彼女はボンドに毒を盛ります。そして瀕死になったボンドを助けるのは・・・ヴェスパーです。

イケコってばいろんな裏メニューを練り込んでいたんですね。
私が初回観劇で気付いたのは天いろ(世情を鑑みて・・・以後省略)さんについての際どい演出だけでしたが、他にも「ほ~ぉ」となる裏メニューがあった。
トップ娘の潤花さんと2番手娘の天いろさんを目立たせているけれど、どちらもイケコオリジナルな役。そしてどちらも知性少なめ。
春乃さんは存在感が薄いけれど、原作や映画版では大活躍な役。しかもインテリキャラ。
わかる人にだけわかるようにしているんですね。原作や映画に忠実になるとヴェスパーは死ななくちゃいけないから宝塚版では存在感うすうすくらいで丁度良いんですよ。
ついでに言うと、どう考えても潤さんにヴェスパーは合わなすぎるからイケコは潤さんにピッタリなキャラを創造したんじゃないかと。椅子にくくりつけられたままピョンピョン飛び跳ねて客席をドッと沸かせるトップ娘なんて100年超えの宝塚の歴史でも初めてじゃないでしょうか。

宝塚を知らない原作ファンにはアレンジが激しすぎてガッカリかもしれないけれど、宝塚も原作もかじっているとすっごく楽しい作品だと私は思います。

なんか一気に、新トップ夫妻のお披露目が楽しみになってきました。
2回目観劇を終えても春乃さんの顔や声をハッキリ覚える事は出来なかったし、前回は2幕で少し歌っていた(気がする)のに今回は階段降りで瑠風輝さんとのハモリしか歌を聴く事が出来なかったんですが、きっと大丈夫。春乃さんはかなり手堅く芹香さんを支えてくれそうです。
きっと演技も歌も潤さんよりだいぶ上手くて、それゆえ今回は抑えめになったんでしょう。

Bitly

私が観たのはこちら。

初回感想の記事はこちら。この時に感じたありのままの内容です。

コメント

  1. 絵里 より:

    たーさん、2回目の感想をありがとうございます!

    前回の感想を載せてくださった時に、おかわりで感想が変わることもあるので次も楽しみにしていますというようなことをコメントした記憶があるのですが、かなり上方修正されたようで良かったです。

    私もまかかのやすっしーさんの退団公演だし東京でチケットが取れるかわからないし(結局複数取れた)と珍しく関東から1泊2回観劇の遠征予定を入れているので楽しめなかったらどうしようと心配していたので安心しました(汗)

    作品としての完成度が高くて素晴らしい作品に越したことはないですが、個人的には宝塚では出演者があくまで演出家の芸術家的自己顕示欲の駒になってしまっている「芸術的」な作品よりは、多少トンチキでも生徒さんへの愛を感じるものが好きです。トンチキが過ぎるものは流石に……ですが。
    たーさんの感想を拝見すると、まさにそんな感じで潤花ちゃんやキキちゃんたちへの愛と当て書きを優先した感じみたいですね。

    前回感想からの上方修正で安心して人様のブログのコメントで長々書いてしまって大変失礼しました。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      絵里さん、はい、
      >おかわりで感想が変わることも結構ありますし、私の初日はまだまだ先ですのでたーさんのおかわり観劇感想も楽しみにしています。
      とコメントいただいていました。

      確かにめっちゃ上方修正になりましたが微妙な気持ちもあるんです。映画版を観たからこそだから。
      「予習や予備知識があるとさらに楽しめるけど、基本的にはその舞台だけで充分に楽しめる」のがお芝居の本来の姿だと私は考えているんですね。予習なしだとやっぱ、あんまりにも芹香さんの死があっけない。2番手がそうゆう役どころだとはわかっていますが今回は集大成ですからね。

      あと寿さんにしたってもうちょっと良い役にして欲しかったかな。エリザベートの「闇が広がる」の「こぅーてぃー、る・ど・る・ふ・は、たちあがぁるぅ~♪」をパロッたシーンでちょいと目立っているけれど、基本的に空回りキャラなんですね。芹香さんにまんまと利用される世間知らずの貴族で。これがイケコなりの寿さんへの当て書きなのか、長い長いジェンヌ人生の集大成なのに、という気はします。
      正直、ウエクミならもっと良く扱ってくれていたような気がしました。

      いっぽうで真風さんと潤さんへの当て書き感はすごくあります。特に潤さん。トップ娘として演じた中でデルフィーノが一番フィットしています。
      ええっとその、潤さんってシリアスよりギャグやトンチキの方が合っている気がするんです。宝塚のトップ娘はまさに潤さんに向いた活躍の場だったかと。

      はい、一般的なお芝居って演出家の念が強いシリアスものが多いですよね。役者はコマとして自分を役に合わせる。四季なんてそれがデフォだしぃ。
      宝塚には宝塚なりの良さがあります。今回はトンチキ気味ではありますがトンチキ過ぎる事はありません。安心して楽しんでくださいね。

      もっともあくまで、私の感想ですから適当に流してください。
      自分で感じた事が一番大切です。絵里さんは観劇だけでなく何をするにもネットでめっちゃ調べまくったりしません?そして悩んだり、他人と違う意見になると戸惑ったりしません?
      他人なんて勝手なもの。他人が変わる事を願うより気に入らぬ他人はスルーして自分の感覚を信じる方がよっぽど効率良く人生を楽しめます。自分の感覚をホンマ、大切にしてください。
      生観劇後の感想を楽しみにしています。

      絵里さんのコメント、全然長くないですよ。
      日頃から「こんにちは」感覚で「失礼しました」とお詫びしているのでしょうか?リアル生活ではそうゆう対応が必要な時もありますよね。だけどここにコメントする時くらいリラックスしていただきたいです。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. 堺のよっちゃん より:

    私も、遅まきながら、ボンド見てきました、立ち見も、出て盛況だった。私は良い作品と、思いました、ジュン花さんの、レトロな、ワンピースも、ステキだった、ジュリさんは、完全に別格に、周りましたなあ。次の、大劇場で、退団かも。ラストマカゼさんが、他の、お客様も、いってられたけど、山口百惠さんの、ラストコンサートみたいでした、やはりコメントは、よその人の、感想読むのも、よいけど、各々ダナあと、思いました。ききさんと、さくらさんは、あいそうな気がする。ソラグミの、トップ娘役さんは、スタイリッシュな、人が、あいます、私も、昔は、知らないが、、野のすみかさん以外は、全員スタイリッシュな、気が、します、私の、意見です、

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      堺のよっちゃんさん、カジロワの感想をありがとうございます。大劇場が盛況だったそうで良かった、やっぱ盛り上がりって大切ですから。
      潤さんのレトロな服って最初のヒッピーなやつですよね。はい、とてもお似合いでした。とにかく潤さんには元気いっぱいな役が似合います。ハイローのような「あたし・・・もうすぐ死ぬの」なヒロインで退団せず良かったですよ。
      はい、天いろさんはいわゆる別格になりましたね。ハイローの時にすでにそうだったから、この頃からいろいろ決まっていたのかもしれません。
      次で退団じゃあ芹香さん春乃さんのお披露目に影を落としちゃいますよ、私はまだまだ在団キープだと予想しています。

      はい、他人様のコメントは他人様の意見であり自分とは違って当然です。他人様との違いを感じて楽しむくらいでちょうど良いです。
      新トップ夫妻のお披露目についてもファンそれぞれ好きに感想を語ったら良いと私は思っています。春乃さんはビジュアルも能力も何ら問題がないもののちょっと華がないかなぁ、路線街道を駆け抜けている娘役達とは違う雰囲気ですね。それゆえに出来る事がたくさんあるでしょうし、すごく楽しみです。

      野々すみ花さんはお名前の通り「野の中の花」な感じですね。
      私は野々さんの現役時代の姿を拝んでいないので想像ではありますが、うたかたの恋の「濡れた~、草の中の~、青い小さな花~♪」は星風さんより野々さんの方がフィットしているような気がします。
      はい、これは私の意見です。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. やすみ より:

    たーさま
    こんにちは。
    カジロワお代わりしたんですね。
    原作本を読んでいるのですが、字が小さいのでまだあまり読み進めておりません笑
    わたしも先週末、カジロワを観ました。
    なんで、イルカ推しなのか、客席をキャベツ畑扱いかよとか、みねりちゃんドロンジョさまみたいだな。とかツッコミどころが満載でした。
    東京の宝塚劇場のチケットは入手困難な状況ですが、この内容なら無理してリピートしなくてもいいかなと、思ってます。
    バウは残念なながら観れなかったので.翌日は京都観光をしました。
    人が多かったです。平安神宮の枝垂れ桜が満開でした。
    たーさまは旦那さまが単身赴任になったり、娘さんが彼氏とラブラブだったり急に環境が変わられたのですね。
    いろいろと思うところはあるとは思いますが、上手に気分転換されていらっしゃるのではないでしょうか。
    ブログの更新をされるのを楽しみにしています!

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      やすみさん、おはようございます!
      カジロワの原作を読んでいる途中なんですね、他の読者さんにも宝塚作品の(マンガではなく文字だけの)原作を読んでいる方がいて感心します。私は文字だけを追うのはどうにも苦手で、それでも「やっぱボンドと言えばショーン・コネリーやろ!」って思っていたので昨日の夜アマプラの「007は二度死ぬ(1967年公開)」を半分くらい観ました。これ・・・舞台が日本なんですがトンチキ過ぎて引いちゃうんですよ。とはいえ戦後20年ほどで日本がどれほどに復興したかを感じさせてくれる映像ではあります。丹波哲郎さんも出ているし、頑張って今日中にも残り半分を観るつもりです。

      さて、
      「イルカ推し」って不思議ですよね、潤さんは海のない旭川出身だし。ただただ潤さんのキャラかな?イケコのひらめきなのか。椅子にくくりつけられたままピョンピョン跳ねて、トップスターに「イルカみたいだな」って言われたトップ娘として伝説になるかもしれません。

      客席のキャベツ扱い、客は笑っていたけどセンス良いとは言い難いですよね。ふふ、やすみさん年齢がバレてしまいますよ、ヤッターマンの話題なんてw 確かに天いろさんの黒尽くめの衣装はドロンジョっぽかった。性格もエスだったしね。性格のエスぶりはハイローにもあったから、この頃に天いろさんに何かがあったと想像してしまいます。

      そう、ストーリー的におかわりしまくりたい内容ではないかも?それでも私は東京宝塚劇場のチケットが欲しいです、なんせ夫が観たがっているので。今は阪急交通社とVpassの結果待ちです。これを逃すと夫婦で東京宝塚劇場は叶わぬかもしれません・・・が、夫は芹香さんお披露目でもその気になるかな?なんせ野球が大・大・大好きな人ですから。

      ステラボイスは観れなかったそうで残念でしたね。これの高額転売フィーバーは赤と黒を凌ぐ勢いでゾッとします。
      京都観光、人が多かったんですね。私は関西に住んでいながら京都の魅力を感じ始めたのはここ数年です。ころなで客が少ないうちにあちこち観光出来て良かった。

      はい、環境の変化が激しくってメンタルが落ち着かないです。娘はまだ帰ってこないし、夫とのラインも引越直後よりうんと減りました。自宅に夫あての郵便物が来る度に撮影して夫にラインするといった業務的なやり取りがメインになっています。

      気分転換はなんといっても観劇です。今後もリーズナブルな席でほそぼそと楽しませていただこうかと。そういった理由でいまだムーランルージュに手を出せていません、、、

      今日は阪急阪神ホールディングスのWi-Fiについて記事にする予定です。ただ首都圏ではどれだけ使えるかわからないんですよね、やすみさんの遠征時に役立てば幸いです。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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