「FLYING SAPA ーフライング サパー」、観てきました。
梅田芸術劇場への道中ですが、
なんと、
でっかいダイソーが出来ていたんです。「茶屋町(ちゃやまち)」と呼ばれるこのあたりには長年、気取ったりお高くとまったりといったお店がひしめいていました。リーマンショック後から急激に大衆チェーン系居酒屋が増えてきたのですが、ついにダイソーが出来るとは!それもこんなにも、どデカく。
ホント、時代の流れを感じます。
「スタバすらエコノミーなカフェに見える」雰囲気が茶屋町のデフォw コンビニの100円コーヒーすら購入をためらう私には贅沢エリアでしかありません。
このスタバ、さりげなくメッセージボードが
サパ仕様になっていました。コラボじゃなく梅芸に便乗しているだけですw
こんな便乗なり影響は大歓迎ですが、コロナの影響の方がより激しくて・・・
宝塚の公演期間中の梅芸入口の周辺なんて、いつもはガヤガヤうるさいんです。なのに今回は全体的にシーンとした空気が漂っていました。
ソーシャルディスタンス、消毒、体温チェック、その他、コロナ対策の案内がもう、しつこくてしつこくて。
間違いなく、「はいからさんが通る」の8月2~4日公演が中止になった影響はあるでしょう。ようやく中に入ってもお通夜のように静かでした。
息が詰まるようでしたが、
永久輝せあさんの看板を見つけて癒やしをいただきました。「ひとこ、いろいろ大変だろうけど、私はめちゃ、応援してるからね!」って心の中でつぶやきつつ、3階へ。
さて、
遅くなりましたが「サパ」そのものについて言いたい放題させていただきます。ストーリを理解するにあたり公演プログラムでの予習は、絶対に、必要です!
(↑梅芸は写真撮影禁止らしくて劇場内で撮影出来ず、自宅で撮りました)
この、1,000円の出費を惜しむとストーリーが難しすぎて理解出来ないリスクが大です!少なくとも私だったらそうなったでしょう・・・
難しいけれど、非常に魅力的。開幕前にプログラムを第2部までしっかり読んでしまうほどでした。
とにかくね、宝塚オリジナル作品にありがちなハチャメチャやこじつけが、ないんです。もう、驚くほどに。
また、歌も、ダンスも、ほぼ、なし。
宝塚らしさを封印し、ガチでお芝居で勝負!でした。
すごく良かったです。
良かったですよ。
ただ・・・
タイトルの通りです。
タイミングが、悪すぎました。
SFといってもテーマは「人間の業」。
私の解釈ですが、
「恨みや憎しみを含めて、自分の感情に素直に生きたい。皆で感情をぶつけ合い、わかり合いたい」というAグループと、「ひとりひとり異なる感情があるからこそ悲劇が起こるのだ。だから皆が同じ平和思考になるよう統制しよう」というBグループがあり、どちらもが己の正当性を譲らず、争い、当初Bグループが圧倒的に勝利します。
敗北し、脳内の記憶を操作されても、自分らしさを取り戻そうとするのが主役のおふたり、真風涼帆さんと星風まどかさんです。
しかし、Bグループのボス、汝鳥伶さんにだって、それ相応のいきさつがありこのような思想になったわけで、その描写が丁寧です。そうそう若かりし頃の汝鳥伶さんを演じている穂稀せりさんが、見た目や雰囲気がピッタリでかつ声がすごく良くって。ガチなお芝居にぴったりな実力の持ち主でした。
ストーリーの話に戻りますがとにかく、痛快な勧善懲悪モノじゃあ、ないんです。
上田久美子さんの「これでもかっ!」なメッセージ砲が、炸裂。
とにかく重いんです。重くて、暗い。
上田さんは長年かけてサパの構想を練っていたそうですが、本当にタイミングが悪いと思いました。
バブル期とまではいかなくとも、景気の良い時にはこうゆうストーリーで浮かれた奴らにドロップキック!というのも良いのですが、コロナ禍で世界中がどんよりと重く暗いモードの中、この作品を受け入れるのは、苦しいかもしれません。
ド派手衣装でパァァーッと、「ビーバビバビバフェスタァ~!」ってジャカジャカ騒いでアゲアゲしたい人の方が、多いかも。私は今後の宝塚では、不景気をぶっ飛ばさんばかりのド派手演出でアゲアゲ内容な公演が増えると思っているのですが、どうでしょうね?
と、サパの暗さをあれこれ言い続けましたが、しかし!
宝塚らしい楽しみが、はっきりとひとつ、ありました!
夢白あやさんです。
「リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド」のヒロインの時のような、お姫様、お嬢様が夢白あやさんのイメージ、という方が多いと思います。
そんな夢白さんが・・・
ショートヘア、黒ずくめのファッションで、ガガーンバババと機関銃をぶっ放すんです。
意識してるのか、プログラム写真にも夢白さんのビックリ姿が載っていないんですね。
夢白さん演じるイエレナは苦労を積み重ねてスレたわけですが、2幕でちょろりと、スレる前の、箸より重たいものを持った事のないようなご令嬢ぶりのお姿も見せてくれます。これがまた、娘役としてもう完成されまくりで。
なんか・・・星風さんより、インパクトあったかも???
というわけで、
トップ娘候補のジェンヌさんに興味津々な方にとっては、夢白さんを見るだけでも価値のある舞台じゃないかと、私は思いました。
・・・
さて、観劇後の話になりますが、
お昼ごはんを舞台前、後、どちらで食べるか迷いそうな公演時間の場合、私は絶対に後にします。食後1時間は観劇せずにすごしておかないと、観劇中に眠たくなってしまうリスクがあるからです。
で、サパ観劇後、お腹が空いたものの、茶屋町のお洒落(で高額な)ランチをひとりでいただくのはもったいなくて、キャトルレーヴにも行きたかったし、阪急グランドビルのあたりに行きました。
ここがね、気取った雰囲気のようで、この視野の状態で「右向け右!」すると、
こんな感じになって、画面中央に見えるエリアに向かって歩くと、
こんな入口がありまして、まっすぐ20mほど進むと、
こんな、どんぶり屋さんがあります。ちょうど女性がひとりでお食事していました。
極上の親子丼でも600円なので、ちょっと贅沢にビールも頼んで、
こんな感じで、極上の親子丼にお味噌汁と漬物がついて600円というコスパの良さに大満足でおいしくいただきました。店員さんがめっちゃ無愛想でしたがまぁ、いいでしょう。
で、お腹も膨れて、キャトルレーヴに向かったんですけどね・・・
いつもの入口が閉鎖されていて、反対側に行ったら、
こんな風に、整理券受付コーナーになっていたので、入場希望の旨を伝えたら、「最短で16時です」って言われたんです。
まだ、15時15分46秒でしたので、諦めました。
おもちゃ売場に入れずゴネてる子どものごとくガラス壁に張り付いて、この写真を撮ってから帰宅しました。
キャトルレーヴは11時オープンなので、観劇後絶対にキャトルに行きたい方は先に整理券を受け取っておくと良さそうです。私は今回、下調べ不足でした。
・・・
今月はあと梅芸で「炎のボレロ」観劇、そして大劇場で「はいからさんが通る」のおかわり観劇の予定です。
どうなるかはわかりませんが、どうせなら「公演してくれる」って信じながらすごします!
そうそう、私の愛用の双眼鏡は、これ。
大劇場でのレンタル、なくなってしまいましたね。梅芸はもともと販売のみで、サパでも宝塚の公式オペラを扱っていました。公式オペラは10倍だそうですね。私のは8倍なので見え方がけっこう違っていそう。
コメント
たーさんこんにちは。サパ見たのでこの記事にコメント書きにきました!
ほぼ予習なしで見たのですが(製作発表会は見たし、三宅純のアルバムも聞いてはいましたが)、面白かったです…。なんなら泣きました笑
まだ一度しか見ていないので、また見返して整理したいなと思っています。
見るタイミングやシチュエーションもあるでしょうし、劇場か映像かの違いもありますし、もともと何を宝塚に求めているかというのも関係してくる、として、じゃあわたしは宝塚に何を求めてるのだろうなと自問中です。
ひとつあるのは、宝塚って特殊な(時代錯誤とも)集団だけど、だからこそ愛おしいし長く続いていってほしいな、つぶれてほしくないな、という文化史的な目線で。上田氏のインタビュー記事で同じようなことが書いてあったのを目にして驚きました。ロケットは無条件で毎回半泣きです。
上田氏はサパから第二形態に入った、みたいな論考も読みました。そこはわたしにはあまりよくわからんのですが、そうするとやっぱりもうたーさん好みの作品は出ないのかもですね。んー、桜嵐記はわかりやすい悲劇っぽい雰囲気ありますが。
先日いただいたコメント返信への反応になりますが、モーツァルトはクラリネット協奏曲を中学生のころから繰り返し聞いてました。勉強のBGMにも。導入としてはカールライスターかアルフレートプリンツ盤を薦めたい。ジャズアレンジ版もホールで聴いた時涙出ました(もはやただの泣き上戸)。
シューベルトは演奏会で苦戦した思い出って感じですね笑 今思い返しても恥ずかしい。
あ、ロクモはLVで見ました。コロナ禍前でしたが、評判の高さに礼真琴伝説の始まりかなこれは、と思い直前でLVチケット取りました。観てよかったです。
fffの話に戻る?と、望海氏のスカステ生放送番組での発言を聞いて、確かに退団公演でああいう役というのも大変だろうなと思いました。退団公演は駄作が多いというのも、そういう意味があるのかとか。でも退団公演の演出家はトップが指名できるとかいう話を信じるなら()望海氏がそれを望んだんだよなと思いました。珠城氏しかり。トップで上田芝居一度はやりたい、という気持ちはわかる気がします。fff大楽も桜嵐記も楽しみです。
1000字近くすみません。ダルレーク配信前に投稿しようと思ったけど配信後になりましたー。
ますださん、おはようございます!
さっそくおすすめのカールライスターを聴いています。って、カールライスターもアルフレードプリンツも知らなくて曲名かと思いきや、人名だったんですね。またひとつ賢くなりました。ありがとうございます。
動画配信サイトで再生回数が多いものにしましたがビックリするほど朝にぴったりな、軽快なクラリネットです。
サパ、観たんですね。
はい、ますださんもおっしゃているように、見るタイミングやシチュエーションの影響も大いにあったでしょう。
まだまだ初心者な私ですがすでに「宝塚とはこう」な先入観がありまして、何度か記事にもしているとおりパーッ!としたのが好きなんですね。さらにサパの時はコロナ禍でどんよりしていたのでいつにもましてそうゆう気持ちが強かったんです。
今、円盤や配信で自宅でゆっくり、腰を据えて見ればまた違った感想になったかもしれません。
若い頃の私はマンガが好きでよく読んでいましたが、どの作家さんも年月をかけて作風が変わってくるんですよね。絵も。そんな感じで上田さんも作家として、常に変わり続けているのかもしれません。なので、サパやfffの感じだと今後も当面、私好みの作品は出てこないかもしれませんがけれど、わからないですよね。今後も変わり続けるはずなので。さっそく桜嵐記で私好みっぽくなるかもしれませんし。
退団公演の演出家をトップが指名できる、そんな噂があるんですね。そうだとして、果たして作風にも注文をつける事は出来るのかが気になります。洋風和風、その他いろいろ。私は正直、珠城さんの退団公演が和物ってちょっと、驚きでした。恵まれた体格を生かして洋物・・・ってこれは、ショーで披露してくれるのかな。
はい、宝塚はかなり特殊な集団だと私も思います。潰れて欲しくないとも思いますがまぁ大丈夫じゃないですか?同じ願いをOSKに当てはめるともっと深刻になりそうです。
文化史的な目線も大切ですが、実際はお金を稼ぎ続ける(=観客を集め続ける)事が一番大切だったりしません?
情報を簡単に得られる今、趣味が果てしなく多様化した今の庶民達をどう惹きつけ続けるかが大きな課題になるんじゃないかと。
昨日ライブ配信で観たダルレーク、私はすごーく気に入りましたがこういった作品ばかりでは退屈に感じる人も出てきますよね。なので斬新な作品も必要だと思います。
上田さんも相当、ご苦労されていると思います。私は心理学がけっこう好きなのですが、インテリや天才ゆえ悩み深くなるんですよね。モーツアルトもそうかも。
ロクモ、私は円盤で観ました。素晴らしい作品ですね。ロミジュリではさらに硬さが抜け、より歌唱力表現力に磨きがかかっているように素人ファンながら感じました。なので髪型と衣装はちょっと残念でしたね。ロクモの方がだいぶ良かった。次は和物だから大丈夫かと思いきや、原作マンガを先日取り寄せたところ主役がかなりの大柄男で「うわ、これ、まこちゃんと違いすぎる!」となってます・・・
いつもありがとうございます。たっぷり文字量大歓迎です。この返信は何文字になっただろう?確認していませんがそのまま公開しますね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。