[はいから]原作マンガはこだわりと潔さがアッパレ

大劇場公演

2月半ばに注文した「はいからさんが通る」です。

コンディションがバラバラな状態の全巻セットでした。読むには全く問題なかったです。

とっくに読み終えていたのですが、前後でちょいと、ブログ上でアクシデントがあり意図的に、はいからさんや花組の話題を避けていました。アクシデントはうっとおしかったけれど、おかげでこのブログのビュー数が急上昇(笑)。まさに「ピンチはチャンス」でした。

で、落ち着いてきたのでそろそろ、って思ってたらアマゾンプライムビデオで実写版を発見しまして、実写版の感想を先に記事にしました。まぁホント、アラフィーには楽しい映画でした。この記事へのコメントでさらに面白そうな「ベルばら実写版」を教えていただいたので注文しており、到着待ちしています。

今回は「はいからさんが通る」原作マンガの感想を書いてみます。

私がとにもかくにも思ったのは「よくぞこの短さで完結させてくれた!」でした。

原作漫画の感想

未成年飲酒

なんと!花村紅緒は最初、17歳なのです!で、飲酒しまくってます。これ、現在なら絶対に許されない設定ですね。少女漫画ですからねぇ。

ビジュアルへの徹底的なこだわり

作者の大和和紀さんが、登場人物のビジュアルに徹底的にこだわっているのがヒシヒシと伝わります。漫画家の描く美しい顔って同じようになりがちですが、大和さんはしっかりと描きわけています。描きわけるための青江冬星のロン毛だったり、鬼島軍曹の独眼だったりしたのかなと思ったり。そうそう、プロポーションにもこだわりがあるのでしょうね、イケメン男性陣は10等身がデフォです。

お気に入りは青江冬星?

私的には、大和さんは冬星にかなり、こだわりまくってると感じました。本当に美しいし、性格面の描写も細かいです。3巻から登場するのですが、完結する7巻(8巻は番外編なので除外)するまでの間に大和さんの中で冬星の存在がどんどん大きくなったように感じます。

そして大和さんは、冬星に「ずっと美しいまま、独身」という生涯を与えました。冬星は生涯独身を貫く中、番外編で女装が得意なフランス人の男の子(しかも見た目が紅緒にそっくり)を養子にし、なんと38歳で没してしまいます。しかも、亡くなるシーンはなく、文字での説明だけです。

花が乱発

美しい人が出ると背景にユリやバラが咲き乱れる。喜び、悲しみ、驚き・・・こういったところでも、やたら花が咲き乱れる。少女マンガらしくていいですね。

大長編にも出来たが、しなくて良かったと思う

原作を読み、一番感じた事です。「はいからさんが通る」は非常にストーリーがしっかりしています。その気になれば、もっともっと長く続ける事が出来た作品でした。

悲恋を持ち越すことも出来た

ラリサを生かし、忍をずっと付き添わせ、紅緒は冬星と結婚し、それぞれのカップルに子どもが産まれ・・・みたいな。なんせ、忍の祖母と紅緒の祖父が叶える事が出来なかった恋を実らせるために、忍と紅緒は産まれながらに許嫁となったのです。忍と紅緒でも叶えることが出来ず、それぞれの子どもの代で、今度こそ叶える事は出来るのか?というふうに話を持ってきても何ら違和感がない。ラリサについてはそれこそ、「実はサーシャは生きていた!」なんて事にも出来ました。しかしすでに忍との子がいて、みたいな展開ですね。

大和和紀の潔さ、アッパレ

ですが実際の原作は、7巻で忍と紅緒が結ばれ、8巻の番外編で子どもも産まれています。これほどのストーリーを、この短さで完結させた大和さんにすごく、潔さを感じます。

昔はマンガの引き伸ばし、は当たり前だった

昔は少年マンガ、少女マンガの話がどんどん引き伸ばされるのってザラだったんですよ。「はいからさんが通る」より10年ほど後の作品になりますが「北斗の拳」や「ドラゴンボール」など、少年ジャンプのマンガは基本、「ヒット=引き伸ばす」でした。「北斗の拳」のユリアにせよ「ドラゴンボール」のクリリンにせよ、亡くなったのです。が、ふたりともストーリーを引き伸ばすにあたり生き返りました。

少女漫画で私がすごく覚えている引き伸ばし作品は「闇のパープル・アイ」でしょうか。全12巻でしたが後半6巻は明らかに、後から付け足したストーリーでした。読み終わると後半は、なくても良かったかなと思ったものです。後半もすごく良かったんですよ。でも前半の、呼吸するのも惜しむほど真剣に読まずにはいられない、そんな迫力は後半にはなかったんですね。作者の篠原千絵さんは、宙組の「天は赤い河のほとり」の作者でもあります。

宝塚は少女漫画と相性バッチリ

実写版はいからさんの記事で、congaさんよりいただいたコメントが超・しっくりきました。

改めて宝塚は現実にはありえないビジュアルの男性が女性の理想の言動をしてくれるという少女漫画と相性がいいんだなあと思った次第です。いい意味で現実感がないんですよね。

https://ta-takarazuka.com/1987haikara20200306/#comment-127

これ、本当に、そうなんですよね。「ベルばら」も「ポーの一族」「天は赤い河のほとり」 も宝塚だから、あれほどに美しく仕上がったんですね。

私は宝塚と無縁な人生を送っていましたが、子どもの頃から少女漫画は大好きだったんです。ブス・デブ・くせ毛、その他いろんな悪い要素の多い冴えない子どもで、マンガが心の支えでした。貧乏だったのでマンガを買う事は出来ず、レンタルマンガ屋に足繁く通い、たくさんのマンガを借りたものです。池田理代子さん、大和和紀さん、 青池保子さん、篠原千絵さん、里中満智子さん、松本洋子さん、柊あおいさん、池野恋さん、万里村奈加さん、その他その他、いろんな作家さんが大好きでした。今挙げた作家さんのうち、最初の4人の作品は宝塚になっていますね。ひょっとしたら私は、たまたまアラフィーになるまで観劇するご縁がなかっただけで、実は宝塚と相性が良い人間なのかもしれません。

コメント

  1. Mika より:

    こんにちは。
    いつも楽しく拝読しています。
    アラフィーの私は、いつもたーさんの記述がツボで、同調しながら読んでしまいます。
    更新もすごく楽しみにしています。

    私も関西ですので余計かもしれません。宝塚ホテルのアフタヌーンティーセット、私は過去に2回程注文しようとしましたが、いつもありませんでした。予約されて正解だと思います。
    私の場合は、とうとう合間見目ることなるホテルは閉じてしまいそうです。(涙)
    (新しいホテルにはあるのかな)

    「はいからさんが通る」、大和和紀さんが好きだったのに、ストーリーが有名すぎて読んだことないかもしれません。最後は子供が生まれるんですね、知りませんでした。今回のたーさんの記事で読んだ気になれました。ありがとうございます。

    宝塚は本当に少女漫画と相性がいいですね、あのビジュアルも性格も美しい男性像は、もはやジェンヌさんしか体現できないような気がします。

    ではこれからも記事を楽しみにしております。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      Mikaさん、いつもコメントありがとうございます!息子さんお元気でいらっしゃいますか?うちはずっと自宅にこもるのは辛くて、娘とちょいちょい出かけています。
      自分語り街道まっしぐらな私のブログを、同世代の方に同調していただきずっと読んでいただけるなんて、とても嬉しいです。
      宝塚ホテルのアフタヌーンティーセットですが、公演がある日はなかなか予約が取れないそうです。私は、「ティーラウンジルネサンスの雰囲気だけでも満喫出来たらいいやん、普通のケーキセットならあるんやし」と娘に熱心に伝えたのですが、納得してくれなくて・・・
      新しいホテルにも何かしらラウンジはあると思いますが、高いでしょうね。いつか冷やかしに行ってみたいですが、どうなるやら。
      はい、「はいからさんが通る」、番外編で子どもが産まれています。本当に、素晴らしくまとまっています。少女向けですが、ストーリーがものすごくしっかりしていて大人が読んでも感動の仕上がりです。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。今朝ね、花組の当日券を無事購入できたので、これから記事にします。ではまた~

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