さぁ~て、星組全ツのお芝居「モンテ・クリスト伯」について述べてみますね。
「ダーイシ、はしょりすぎ」
以上。
な~んてwww
実際そうなんですよ~
私は全く知りませんでしたが原作はフランスの新聞で1844年から1846にわたり連載された壮大な復讐劇。なのでウィキも長くて、チラと流し読みするつもりがジックリ読まずにはいられませんでした。日本では1901年に「巌窟王」の名で翻案されており、文学好きなら知らない人はいないほどの有名作だそう。
でね・・・
巌窟王は芝居にするなら、本来なら、一本物にすべきなんですよ。イケコが腰を据えてすんごい脚本を書いたら良さそう。
それでも宝塚は二本立て向けの短いお芝居にしちゃった。事実上の初演が1979年の「アンタレスの星」で、他のお芝居との二本立てだったからかもしれません。演出は大物、ウエシン(1933年生まれ)だし。
私は思います、初演から30年以上も過ぎた2013年に宙組で巌窟王を復活させるにあたり、一本物にしても良かったんちゃうかなと。タイトルを「モンテ・クリスト伯」に変えたんだしね。そしてダーイシじゃなくイケコが担当したら良かったんちゃうかなと。
なぜイケコじゃなくダーイシなのか・・・空想が止まりません。
調べてみるとイケコとダーイシは年齢が近いんですよね。イケコは1955年生まれで1977年入団、ダーイシは1956年生まれで1979年入団です。なので、
「イケコさ~ん、えろうすんませんけど巌窟王はオイラにやらせていただけません?」
「あれは俺もやりたかったんだけどな、ま、いいよ、他ならぬダーイシの頼みなら」
みたいな会話があったんじゃないかと私は勝手に空想していますw
そして、ニュー巌窟王作りを任されたダーイシはウエシンが採用した二本立てを踏襲して、さらにダーイシこだわりの「姑による嫁いびり」だの「カトリックであろうヒーローとヒロインなのに一夜の過ちをおかしていた」だのといったオリジナルエピソードを挿入。結果ますます時間不足となり、肝心要のストーリーを端折る事になった・・・
というのが、私の空想です。
こんな空想をしてしまうほどに端折りすぎているんですよ。
つかみは良かったんですよね、幸せいっぱいで結婚式を迎えた礼真琴さん舞空瞳さんなのに悪役3人組(輝咲玲央さん・瀬央ゆりあさん・綺城ひか理さん)の陰謀のために礼さんはとっ捕まり牢獄にぶち込まれまして、ここまでは丁寧に描かれていました。
だけど牢獄にぶち込まれてからの礼さんの、
Ⅰ.美稀千種さん演じる司祭と出会い教育を受ける
↓
Ⅱ.司祭が死に、その亡骸とすり替わって脱獄する
↓
Ⅲ.密輸船に救出され暁さん天華えまさんと出会い、やがて慕われる
↓
Ⅳ.司祭の遺言のおかげで金持ちになる
↓
Ⅴ.悪役3人組への復讐心メラメラ
までの過程をあまりにも端折りすぎました。本来なら盛り上がるシーンなのにね。
暁さんと天華さんが礼さんの子分を演じつつ狂言回しも兼ねていまして、このふたりの説明で大切なシーンであるⅡ~Ⅴを済ませてしまったんです。
予習もなく、狂言回しの説明だけで理解するのって難しいですよ。私はウィキっていた上に開演前にプログラムを読んでいたから理解出来たけれど、まっさらな気持ちで観劇する人にはわかりにくかったはず。
イケコなら礼さんに演じさせたんじゃないかなぁ~、Ⅱで美稀さんの亡骸に抱きついて号泣させ、続くⅢやⅣでも気合を入れて礼さんに演じさせた気がします。
大切なシーンを狂言回しの説明でサラッと済ませた痛手は深く、礼さんが脱獄して大金持ちになって復讐の鬼になるあたりの説得力が欠けてしまっているんですよ。
さらに悪い事に、ダーイシってば「復讐しても虚しい」といったお説教を織り込んでしまっています。これマジで邪魔。ヒーローを冷血漢にしたくなかったのかもしれないけれど、それなら美稀さん演じる社長(司祭との二役)に大きな恩返しをした事を描けばよかったはず。
そう・・・
原作(といっても私が読んだのはウィキだけ)では、ヒーローは「恩も恨みも忘れない」を徹底しているんです。自分を騙した悪役3人組にはしっかり復讐し、自分の無実を信じて助けようとしてくれた社長にはとことん恩返ししました。
なのにダーイシは礼さんが3人組を恨みきれないように描いているし、社長を助けた事はカットしちゃった。
ホンマ、せっかくの壮大な復讐劇の腰を折り、グダグダにしています。
と・・・
先に文句をツラツラ書きましたが、私はダーイシが好きです。オイラはオイラ~♪と肩の力を抜いて娯楽作品をこさえてくれている気がしますから。
ダーイシの巌窟王は「起承転結」の「承」をすっ飛ばし、「転」で腰を折ってはいます。しかし「起」はしっかりしているし何より「結」がハッピーエンドで宝塚向きです。プログラムでの挨拶文を読んでもなんかダーイシって憎めないんですよね。
主要キャストがこぞって歌ウマという助けもあり、宝塚初心者に勧めても良さそう。私もチャンスあればまた観たいです。
そして10年後ぐらいに大劇場公演の一本物で、別の脚本家による巌窟王を観たいなぁ。
パッと浮かんだのはウエクミだけど退団したから、有力候補はタカヤでしょうか。
・・・
・・・
夫が「勤続○周年」で休みを取る事になりました。当初9月7日から11日までの予定でしたが明日6日が台風かもしれないので仕事がなくなり、明日から休みになったそう(先程ラインが届いた)。
私にとって明日は大切な、阪急友の会貸切公演。台風で中止にでもならない限り行かせてもらいますが、終演後直ちに帰宅しその後の時間は家族で過ごします。
というわけでドキドキでワクワクであろう貸切公演での抽選の様子を含め、12日以降に記事にさせていただく事にしました。それまで、コメントへのお返事を含めブログ活動をお休みさせていただきます。
どうぞ今後もよろしくお願いいたします。
ではまた たーでした
コメント
たー様
いつも楽しく読ませて貰っています。
モンテ・クリスト伯のはしょり方について、とても共感したので初コメントします。
私は原作ファンでもあるのですが、脱獄シーンの怪奇な不気味さと宝発見が前半のクライマックスなので、一瞬でスルーしてあるのはちょっと残念ですね。おっしゃる通り、ダンテスの執念が説得力不足です。
で、原作の面白さって、やはり復讐&報恩のコントラストにもあるんですよね。
ファラオン号の遭難で莫大な借金を抱えたモレル氏が、あわや命で償おうとした瞬間、「ファラオン号(←ダンテスが復元して船荷もいっぱいにして返した)が帰港したぞ〜」と物見櫓の見張りが叫び、事態が激変するんですよね。もうホントドラマチックで、舞台にぴったりと思うので。
そのへん盛り込んだ演出も見てみたかったですね。
蛇足ですがルイジ·ヴァンパの生い立ちや成り上がり方も、スピンオフ出来るくらい面白いんです。
いつかそういうの、出ないかななんて思ってます。 皆海賊のコスチューム好きだと思いますw
淑香さん、初コメントありがとうございます。返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
淑香さんは「モンテ・クリスト伯」の原作ファンなんですね。ちょろっとウィキっただけの私でもあの脱獄→宝発見のスルーぶりには違和感がありましたので、淑香さんにとってはもっとずっと残念だった事でしょう。
「報恩」ですかー!
素敵な単語を教えてくださりありがとうございます。これまでも読者さんからのコメントのおかげで私の語彙力がアップしていまして、とても嬉しいです。
ほうおん、と読むとわかっていても象印やタイガーを思い出してしまいましたw それ、保温やんww
はい、原作の面白さは「復讐&報恩」なのでしょうね。
なぜダーイシは余計な葛藤をさせたんだろう?モレルをメルセデスの父親にしちゃったのも謎だし。はい、私としてもファラオン号の復元のシーンを見たかったです。その前にタングラールがモレルの頼みを断るシーンも欲しかった。「報恩のタンデス、恩を仇で返すタングラール」と人格がより伝わってきますから。
ルイジ・ヴァンパはウィキには「羊飼いから山賊に」とありますね。その後海賊になったのでしょうか?
山賊になったのは山賊の頭がカスのような男で、従うのがバカバカしくなって自分が成り代わったんじゃないかと想像しています。
どうもルイジやベルツッチオの役は原作でのジャコポ・マンフレディになるような気がしてなりません。何故かダーイシはジャコポの存在を消していますね。
せっかくの超大作なんですからダーイシ流にするのはほどほどにして欲しかった。中でも、アルベールをタンデスの息子にしてしまったのは悪手すぎる気がします。
それでも原作では「タンデスとアルベールの決闘はナシになった」なところをダーイシは「空砲を打ち合う(お互い相手の銃撃で死ぬ覚悟だった)」にして、ここは良かったかと。そのまま大団円になり宝塚っぽく仕上がっている気がします。
この作品は以前、ディーンフジオカさん主演でドラマになっていたんですね。このドラマを見ていたんですが原作をウィキる気にはならなかったので、宝塚でやってくれて原作をウィキるきっかけを与えてくれた事には素直に感謝しています。どうもダーイシは憎めないw
ルイジのスピンオフ楽しそうですね、宝塚でやってくれると良いな~。羊飼い→山賊の頭→海賊と、まさに波乱に満ちた人生ですね。
山賊よりは海賊の方がコスチュームが楽しそう。
この度は初コメントありがとうございました。お返事が遅れてしまった事を重ねてお詫び申し上げます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
とても素晴らしい内容だと思いますが、このような場で、ダーイシ、イケコ呼びはいかがなものでしょうか? どのようなお気持ちであれ、あまり良いとは思わないのですが。書かれる方はお名前も明かされないので、余計にそのように思ってしまいました。
宝塚ファンさん、
>書かれる方はお名前も明かされないので、
というのは、私が本名を明かしていない事を指しているんですよね?
もしそうなら、宝塚ファンさんにしたって同じ穴の狢じゃないですか?
限りなく匿名に近いニックネームを使い、挨拶もせず文句を言う。
これっていかがなものでしょうか?
私は、あまり良いとは思わないのですが。
たーさん、おはようございます。
星組、暁千星さんの加入により、益々充実したようですね。大好きな瀬央さんもいるし、今後の公演が楽しみです。
スカイステージの番組で夢の音楽会という番組が始まり、その第二回目が柚希礼音さんとありちゃんでした。この番組は現役宝塚生が憧れのOGを招いて、トークとデュエットを披露するという大変に楽しい番組です。
ありちゃん、最初は緊張していましたが、だんだんと緊張もとれ、デュエットはお二人とも素晴らしい歌声でした。
ありちゃん、歌上手いですね。声が低いんですよね。
お二人のトークもすごく良かったです。
柚希さんのこと、あまり知らなかったのですが、バレエでコンクールにも出ていた程身体能力も高く、素敵なトップさんだったんですね。
最近、朝夏まなとさんにはまっていて、王妃の館や神々の土地など大好きです。
特に神々の土地は、大好きな伶美うららさんがヒロインだし、ウエクミ作品、本当に素晴らしいですね。
話しがそれましたが、私にとって今はどの組もトップを始めメンバーも充実していて、演目も多岐に渡って楽しいのに、コロナでの公演中止は本当にやめて欲しいです。東京公演、益々チケット難が続いてますし。
娘が大学に戻り、私の仕事も始まりました。今の所は新生活、楽しんでます。
今は今月スカイステージで放映された宙組のDelicieux! 甘美なる巴里のショーを観て元気をもらってます。
このショー、大好きなんです。昨年はチケットが取れたので何回も通いました。お客さんもマカロンのライトを振るのですが、私は買いませんでしたが、舞台上の華やかさと客席の灯が綺麗で、ここは私にとっての天国だと思いましたよw
サビの曲も歌詞も良いんですよね。こういう明るくて華やかなショーがやっぱりザ宝塚で大好きです。
たーさんはしばらくはご主人とのお休みですね。ゆっくり楽しい家族サービスしてくださいね。
まりもさん、はい、暁さんが入った事により星組の今後がより一層楽しみになりました。
スカステの番組を教えてくださりありがとうございます。柚希礼音さんと暁さんって素晴らしい組み合わせですね。私は現役時代の柚希さんを舞台で拝んでいませんが円盤などで拝む限り、柚希さんも低音が得意な男役だったと感じます。
柚希さんはバレエを極めるつもりだったものの身長が高くなりすぎたんじゃなかったでしたっけ?宝塚の男役にはこういった経緯の方が複数いるようですのでごっちゃになっているかもしれませんが。とにかく身体能力の高い方ですよね。さらにあの声、歌唱力ですから大人気だったのも納得です。
まりもさんは今、朝夏さんにハマっているんですね。うちの娘もまぁ様大好きなんですよ。
はい、神々の土地は私は配信で観まして、伶美さんがヒロインでしたね。ウエクミは伶美さんを気に入っていたそうですよ、宝塚の娘役を色に例えるとピンクが多いけれど伶美さんは紫が似合いそうといったコメントをしたそうで(うろ覚えです)。私はこの作品では愛月さんのラスプーチンが印象的でした。
ウエクミは作品作りにあたり「宝塚だから」で済ませるのが嫌だったのかもしれません。ストーリー展開に破綻がない気がしますし。ウエクミからするとダーイシのモンテ・クリスト伯は許しがたいかも?私はダーイシのモンクリを受け入れつつ、ウエクミのモンクリも観たかった。いろんな葛藤があったのでしょうがどうか気持ちに折り合いをつけて在団し続けて、誰も文句を言えないほどの大御所になってから好きなように作品作りして欲しかったなぁ。
はい、コロナでの公演中止は本当に悲しいです。諸悪の根源であるガイドラインがひそかにこっそりなくなったら良いのにと思っています。
東京宝塚劇場公演のチケットは相当なチケ難なのでしょうね、転売価格がえげつないし。チケット入手出来ないと気持ちが冷めてきますよね。
まりもさんの娘さんはもう夏休みが終わったんですね。まりもさんはお仕事が始まったそうで、くれぐれも無理のないように頑張っていただきたいです。
Delicieux!がスカステで放映されたんですかー!
私もこのショーすごく好きです。そうですね、昨年の方がチケットを取りやすかったですよね。
マカロンライトは本当に可愛かったし、劇場が盛り上がっていましたね。今よりもコロナが幅を利かせており暗い雰囲気が漂う中、華やかなショーにずいぶんと癒してもらいました。ただマカロンライトはお値段が可愛くなかった。500円くらいでレンタルしてくれたら借りたのになぁ。私はモノが増えるのを出来るだけ避けたいんですよね。ライトなどのグッズは「高い、実用性がない、捨てるに忍びない」と悪い条件が揃いすぎています。お金は極力チケット代に使い、生観劇の回数を増やしたいです。
私もザ宝塚な、明るくて華やかなショーが好きです。Delicieux! はサビが覚えやすくて良いですね。「デリシュー」という響きも新鮮で良いですよ。今のカプリチョーザはどうしてもイタリアンレストランを思い出してしまいます。
主人が休みの間、娘も含め3人で北海道に行ってきました。台風でキャンセルになる覚悟でしたが飛行機が飛んでくれて良かったです。泊まったホテルのすぐそばに札幌文化芸術劇場があって、ちょうど星組全ツの日だったので劇場の入口に行ってみたら宝塚の扱いが小さくてビックリ!いつか記事にするかも?旭山動物園にも行きまして潤さんを思い出していましたし。
夫も娘も行きたい場所を告げるだけで旅行行程はすべて私に丸投げでしたから調整が大変でした。次はもっと長く、そしてソロ活で北海道に行きたいですw
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。