自分の娘がピッチピチに若いからでしょうか、どうしても30歳を超えた女性の振袖姿には厳しい目を向けてしまいがちです。私に人生初の「有名人ロス」を体験させてくれた明日海りおさんですら、着物ブランドのイメージキャラクターとして披露してくれた振袖姿には「流石に年齢が厳しいのでは」と思ってしまったし(その時の記事はこちら)。
で、この度ははからずも、明日海さんの最初の奥さんだった蘭乃はなさんの振袖姿を配信で拝みました。
去年10月に収録された日本舞踊協会の東京公演です。2月1日から28日までの期間限定で無料配信されていまして、蘭乃さんが案内役を務めています。当時(というか私がこの記事を書いている今も)34歳。
ネタ元はもちろん、蘭乃さんの公式ブログです。有名人の公式ブログにはSNSのリンクを貼り付けただけのものも少なくないけれど、蘭乃さんのブログは記事のひとつひとつに心がこもっていています。先日の記事では、蘭乃さん主演舞台が全公演中止となった事へのお詫びや悲しみが丁寧な文面で綴られていました。
というわけで私は蘭乃さんすごく好きなんです。しかし、この度の配信でのご様子については忖度抜きで思った事をそのまんま書いてみます。
・・・
蘭乃さんのブログにある、日本舞踊協会公演配信URLをクリック。
蘭乃さんの登場前から「ぎょえーっ!」でした。
だってぇ、緞帳に、

三井住友カード
の刺繍がっ!
ぎゃー、おVISA様やんっ!
宝塚であんだけ偉そうに最高位スポンサーしているのに、他の劇場でも偉そうにしてるんやー!!
へー、すげーっ!!!
ここどこ?
へー、国立劇場って言うんだぁ、さぞ、おVISA様のお眼鏡に叶うご立派な劇場なんやろなぁ。
どらどら、

ほっほ~、いかにもお高尚な感じ!
にしてもこの「国立劇場」のロゴって、

劇団四季ロゴのフォントをスリムにした感じ?
しらんけどw
と、
緞帳だけで好奇心が高ぶった私の前に、蘭乃さんが登場!
これがねぇ、

おVISA様の刺繍前をスススと、見るからに高級そうな振袖をまとった蘭乃さんが横切ったんですよ。
そして私としてはここが最初の「?」だったんですよね。日本舞踊のイベントなのになぜ上手から登場したんやろ?って。
振袖ってのがそもそも、独身女性が主役を張る時の姿。さらに上手から登場するとなるともう、最上級の立場じゃないですか?
おVISA様の「三」の刺繍が隠れる位置でご挨拶を始めた蘭乃さんは、ご自身を「案内役を務めさせていただく」と紹介していました。
私は「案内役」の立ち位置がよくわからないけれど、司会者と同じなんですかね?だけど司会者ならもっと地味な格好で、下手から出てきて、ずっと下手にいるように思うんです。
なので脳内が「?」になって。
しかもその後も次々と「?」が浮かんできたんです。
まず、蘭乃さんのトークがどうにもカミカミなのが気になりました。台本を手に持っているだけに、余計に。
私は宝塚現役時代の蘭乃さんを生で拝んだ事はありませんが円盤や配信ではそれなりに拝んでいまして、流暢なセリフまわしの方というイメージだったので驚きました。
しかも、パッと見でゴージャスの極みだと思っていた振袖なんですが、蘭乃さんのために誂えたものではないと推測させるお品だったんですよね。

台本を持つ蘭乃さんの手首が出すぎているんです。そう、振袖の裄が、短すぎるんですよ。さらに帯の下のおはしょりも幅が狭くて、裄だけでなく着丈も蘭乃さんには短そうでした。
この振袖、そこらのレンタル専用品じゃあないと思います。浮かれポンチなパステル振袖と真逆を行く、ガッツリとした古典柄だし。なので「ちょっと小柄な(お金持ちなお家柄の)お友達から借りたのかな?」なんて想像したのでした。
ちなみにうちの娘はこの柄や色合いに「うーん、イマイチ。あたしはピンクがいい」って。ま、浮かれポンチをレンタルしたら良いか。

日本舞踊のすごい先生らしいです。うん、やっぱり着物の裄はこのくらいある方が良い気がします。この画像ではわかりませんがおはしょりもしっかりありました。
というわけで・・・
ご年齢や案内役というお立場からして、蘭乃さんには借り物の振袖ではなくご自身用に誂えた若々しい色合いの色無地を着て、下手から登場し、しっかりみっちり練習した台本を読んで欲しかったかもと思いました。
さて、肝心の舞踊ですが、私には難しかったです。
説明は舞踊の前後だけで舞踊中には一切ないから、舞・踊り・振りのそれぞれの意味を理解出来なくって退屈しちゃって。
何度か歌舞伎を観て「楽しかった」な記事を書いた私ですが結局は、イヤホンガイドの説明に頼り切っているんだと痛感しました。
このイヤホンガイドがね、上手と下手にうるさいんですよ。「格の高い役者ほど上手に立ちます」ってな事を言うし。なのでつい私も上手と下手にはうるさくなっちゃいました。歌舞伎や日本舞踊そのものには全然明るくないのにね。
こんな中途半端な私でも、

この「早春」という演目は眼福でしたねぇ。美しい女性のゆった~り、まった~りな踊りでした。
このふたりは若い姉妹の設定だそうで、それゆえ蘭乃さんは説明にあたりご自身にも妹(すみれ乃麗さん)がいる事を織り交ぜていたんですがこれまたどうにもカミッカミでしたよ。
ちなみにこの踊りは「花柳流」との事。
カリュウ流でも、ハナヤナギ流でもなく「ハナヤギ流」と読み、日本舞踊の最大派閥なんだそうです。
調べてみるとなんと、檀れいさんは花柳流の名取なのだそう。という事は音楽学校では花柳流を教えているのかな?そうそう、梅沢富美男さんのお母様も花柳流の名取で、梅沢さんの艷やかな女形の演技は花柳流由来なのだそうです。
・・・
というわけで、貴重な日本舞踊と、貴重なカミカミ蘭乃さんを楽しませていただきました。
配信は2月28日までですのでどうぞお早めに!
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