名古屋キャッツ遠征で勢いが付き、大阪四季劇場で上演中の「バケモノの子」を観に行きました。
人気があるとか評価が高いとかいった声は聞こえぬ劇団四季オリジナル作で、劇場が入っているハービスENTのエントランスからして「オペラ座の怪人」をやっていた頃ほどのインパクトがありません。
やっぱ押し出し感が強いです、オペラ座の怪人は。
とはいえバケモノの子も5月に千秋楽なんですから1度くらいは観ておこうかなと。きっかけのコメントをくださった読者さんに感謝しています。たまたまですがリハーサル見学会実施日だったので当日券で参加する事も出来ました。
いつも通り率直な感想をお伝えしますと・・・良かったです。案外良かった。上から目線ですみませんがホンマに良いストーリーでした。
なので評価としては「◯」にすべきなんですよね。
わかってる、わかっているけれど・・・それでも「△」にします。
何度も言いますが良いストーリーなんですよ、ただしそれゆえ面白くなかったんです。
あまりに道徳的すぎる。
日本の子ども達すべてに観劇を義務付けても良いくらい立派なストーリーです。特に中学生に良さそう、ほんの少しだけ恋愛要素がありますがキスすらしないままの終演だから面倒くさい年頃でも大丈夫なんですよ。
四季でも宝塚でも中高生とおぼしき団体を見かけますが、ひきこもりのおっさんが16歳の少女に入れあげて束縛しようとする「オペラ座の怪人」や、30歳のこじらせ皇太子が16歳の少女をてごめにした挙げ句に射殺する「うたかたの恋」よりよっぽど教育に良いです、バケモノの子は。
でもその、言ってみれば私は、ひきこもりおっさんの素晴らしい歌声やこじらせ皇太子の美しすぎるお顔の方が好きだったりします。
他人様に全力でオススメ出来る、観た事を堂々と自慢できる作品。
もし孫が生まれたら積極的に見せてあげたい。
だけど、自分自身が作品そのものを楽しむためにおかわりする事はありません。
これが私にとって「バケモノの子」でした。
私が作品を好きになれない理由にはビジュアルもあります。完全にアウトすぎた。あまりにもバケモノの子のキャラはブッサイクすぎました。念の為お伝えしておきますが四季の方々の顔立ちについて述べているんじゃないんですよ。バケモノのメイクがブッサイクすぎるって事。
ついこないだキャッツを観たばかりだから余計にキツかった。
個性的で非常に美しい猫たち。ベアーズでもラッツでもなくキャッツだからこその所作。人間は一切出てこない。ストーリー性はさておきショーとしての完成度が素晴らしいんですよ。
一方でバケモノの子には人間が出るし、ショーとしての魅力はほぼナシ。メインのバケモノ達は付け耳や付け鼻を付けた姿がブサイクでブサイクで、日頃「声が良く歌が上手ならビジュアルには目をつむる」な私でもバケモノ達のブサイクぶりにはうんざりでした。
キャッツにも老いてブサイクになった設定のグリザベラが出てきますが本当の意味でブサイクじゃない。バケモノ達は本当の意味でブッサイクなんです。
バケモノ達がブッサイクなわりに美術?装置?はそこそこ美しかったんですよね。
しかし新鮮味がありませんでした。
だって、だって・・・あまりにジブリっぽい。特に主役のふたりが住んでいる小屋がジブリすぎました。
そういえばバケモノ達のブサイクぶりにしたって「紅の豚」やし!
ジブリに訴えられてもおかしくないレベルなんですよ。気になって調べたところ、原作の映画(アニメ)を作ったメンツが元ジブリらしいです。
とはいえさすがは劇団四季、キャストさんはやはり魅力的でした。バケモノを演じた方々は顔を覚えられなかったので今後は普通に拝みたいです。
残念ながら読者さんおすすめの綿引さやかさんの名前はなく、
名前だけのチェックで私が完全に覚えているのは芝清道さんだけだったんですよね。「リトル・マーメイド」のトリトンで素晴らしい歌声が印象的だったし、どんな人かなと軽い気持ちで調べたら四季を目指していたお兄さんが不慮の事故で急逝したため芝さんがお兄さんの夢を果たす決意をしたという経緯にとても驚き、忘れられない存在になりました。この度の猪王山も素晴らしい声でしたよ、アラカンだと信じられないほどに若々しく張りがあって。ビジュアルは完全に紅の豚でしたが。
そして今回は事実上の主役、貞松響さんに注目しました。
見覚えがありすぎるけれどすぐにはわからず、しばらくして「ノートルダムのアンサンブルの子や!」と思い出したんです。
確認したところやはりお名前がありました。
四季はプリンシパルとアンサンブルが曖昧だったりします、とはいえ1年で完全なアンサンブルから事実上の主役になるのは抜擢じゃないでしょうか。ま、四季ではこんな抜擢が珍しくないんでしょうけど。
貞松さんは28歳と若く、顔がプリッと可愛らしいのに声が非常にしっかりしています。もうちょっとだけ歌唱をブラッシュアップして「オペラ座の怪人」のラウルをやってくれたら嬉しいな。
私が2年前から去年にかけて大阪で拝んだラウルは現在アラフォーで、ラウルは若いキャラですので若い方にも加わって欲しいんです。
来月初日を迎える横浜公演では宇都宮さんという新しいラウルが加わっていまして、年齢を確認出来ませんでしたが若そう。にしても全体的に大阪の時よりキャスト候補が少ないように感じますがこれから増えるんですかね?
横浜オペラ座のキャスト候補は「禁断劇場」というとても有名な演劇サイトより引用させていただきました。とはいえ宝塚ファンはご存じない方が多いかも?なんせ宝塚を一切取り上げていないので。ちなみに歌舞伎も完全スルーです。
先にも述べた通りここ1年の間に貞松さんはノートルダムのアンサンブルからバケモノで事実上の主役に抜擢となりましたし、大阪でラウルだった加藤廸(すすむ)さんにしたってめっきめっきと抜擢が続きキャッツでは花形のマンカストラップ、そしてジーザス・クライスト・スーパースターではタイトルロールを射止めました。名古屋に行く手間を惜しんですすむマンカスを拝んでおかなかった事を悔やんでいます。私はすすむラウルを初めて拝んだ時から「怪人の器や!」と大物ぶりに気付いていたのに。
とはいえ過ぎた事を悔いるのはそこそこにして、
すすむジーザスを拝みたいです、京都に来てくれるんですし。
四季の人事はとってもスピーディですね。宝塚の何倍も早い。
さて、おまけでリハーサル見学会について。
事前にメールで申し込みしていた人が優先なのですが当日参加も出来まして、
大阪四季劇場だとこんな感じで、事前申し込みしていた方と当日申し込みの方が別れて待つようになっていました。
リハーサル見学会に参加するには事前にせよ当日にせよ、本公演のチケットが必要です。
当日ではあれわりと良席で見学する事が出来ました。
まだ一度も本公演を見た事がないままのリハーサル見学でしたがその後の本公演観劇に役立ちました。次回は4月16日で、大阪では最後のリハーサル見学会だそうですからご興味ある方は今すぐチケットを購入してリハーサル見学会に事前申込しておく事をおすすめします。
名古屋キャッツも大阪バケモノも5月で終わりです。その後名古屋ではバケモノ、大阪では人気作だと話題の「ウィキッド」が始まります。私はバケモノはもう良いかな、今後は京都でのジーザスや大阪でのウィキッドに注目します。
もちろん一番注目しているのは宝塚です。
今朝のNHKのニュースは煮えきらない内容で、今もモヤモヤしています。
コメント
たーさま
こんにちは。
バケモノの子の感想をありがとうございます。
わたしは映画をみてから見ました。
東京の公演の時はガンガン宣伝してたので期待してたのですが、イマイチはまらなかったです。キャストは全く違う方々です。
ウィキッドも皆さんが絶賛するので期待してたのですが、主人公のお二人のビジュアルが今一つでイマイチでしたし、なんなら2幕で少し寝てしまいました。
中山グリンダ、小林エルファバでした。
もしご覧になるなら軽く曲をYouTubeなどで予習すると雰囲気がつかめるかも
です。
JCSは数年前にジャポネスク、エルサレム両バージョンみました。曲がどれも素敵ですのでお気に入りのキャストさんがご出演の時にご検討ください笑
やすみさん、こんにちは。
やすみさんは映画を観てから四季のバケモノの子を観たんですね。私は予習が嫌いで、RRRも映画がさんざん話題になっていたのに宝塚版を観るまでスルーしていたんですよね。だけど宝塚版を観て映画も観る事にしましたから、バケモノの子にしたって四季版で気に入れば映画を観るつもりでした。四季版は決して悪いわけじゃなかったもののストーリーではなくキャストさんを良いと思ったんです。なので映画は観ません。
やすみさんはウィキッドにはまらなかったんですね。経緯を読むと私がアナ雪に感じたのと似ています、私はどうにもエルサのビジュアルに納得出来ませんでしたから。日本人がエルサに扮するのは難易度マックスのように思います。それでも居眠りはしなかったですよ、関西の専業主婦な私が東京の「春」で観劇出来た喜びを噛み締めていましたのでw
せっかく予習を勧めてくださったのにすみません、ウィキッドもぶっつけ本番で観るつもりです。ハマるかハマらないかはご縁ですね。
JCSは両バージョンとも曲が素敵なんですかー、さすがアンドリュー・ロイド=ウェバーですね。キャッツはメモリーしか記憶に残りませんでしたが上演中ずっと高揚感がありました。一方でバケモノの子では貞松さんが歌ったシメの「♪ばけっものぉの、こぉ~♪」しか覚えていません。それでも貞松さんを拝めて良かったです、ノートルダムのアンサンブルだったのに出世したんやなぁと嬉しくって。ノートルダムで覚えていたのは貞松さんに何かしら魅力があったって事。プリッとかわいいお顔で「息子に欲しい」と思っていました。
そう、私はどうしてもキャスト重視です。加藤さんがタイトルロールなJCSを観たいし、他にも好みのキャストさんを発掘したいです。
・・・
今日は会見があるそうで、気になって仕方ありません。
名古屋四季劇場へのアクセスや名古屋観光について記事をアップするつもりがどうしても集中出来ないんです。なのでパソコンに向かうのをやめる決断をした直後にやすみさんからのコメントに気付きお返事させていただきました。ちょうど体操教室の日なので行ってきます。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは。
四季はまだ一度も観たことがなく、それ故にたー様のレポを楽しく読んでいます。
宝塚歌劇のほうも何だか大きな動きがあるようですが、これからもたー様の記事を楽しみにしています。
ちなみに私は110期初舞台公演にご縁がなかったのでやさぐれ中、松竹座の『ヤマトタケル』チケットを取るか思案中です。
名乗るほどの者ではございません。さん、おはようございます。
観劇ファンには若い(あるいは幼い)頃からそうだった方が多いようですが私はアラフィフでのデビューでした。それゆえ「オンリー」にならずいろんなジャンルを楽しんでいるのかもしれません。それぞれに長所と短所がありますし。
はい、宝塚には大きな動きがありました。
かねてより私が望んでいた角和夫の謝罪があったようですが、結局は私の願いでしかない事に気付きました。角の謝罪によってご遺族はいくばくか報われるはずだと思っていたけれど完全に誤っていました。
私は今後も自分の気持ちをそのまんま記事にします。
110期初舞台公演ですが、あくまで私の推測としてお伝えしますと実際はだぶつきがあるように感じます。宝塚ゆえの悪い現象です。
といっても歌舞伎にしてもバカ高い一等席がひっそりと格安販売されたり招待券にまでなっていますね。宝塚は歌舞伎のいろいろを真似ているように感じます、しかしながら歌舞伎の「家柄主義」を撤廃してジェンヌひとりひとりに過酷な競争をさせています。それゆえ歌舞伎役者は大学を出てゆっくりと成長する事がデフォになったのにジェンヌは中卒至上主義のままです。
ヤマトタケル、私もまだ思案中なんです。歌舞伎も四季もその気になれば取りたい時に取れる事が多いけれど、それだけにギリギリまで思案しちゃいますね。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
加藤さんのジーザスの日を自由劇場で観劇しましたが、とても安定感を感じました。
劇団四季はその都度オーディションだそうですから、すごいですよね。
「バケモノの子」の感想をありがとうございます。
どうもタイトルで、見てみたくない感をもっていたので、たー様のレポートありがたいです。
真風涼帆さんコンサート、梅芸eプラスの半館貸し切り公演の時間限定割引告知メールが来てました。
4月20日だそうです。
望海風斗さんのコンサートが割引になるなら喜んで見に行ってみたいです。
全席一律料金だと、特に一般プレイガイド販売だと席のよしあしがありそうですよね。
宙組問題の遺族側弁護士さんの会見がありましたが、真風涼帆さんと元組長はうまく逃げた感を感じます。
あら!かなえさんはもうすすむジーザスを観たんですか~、いいなぁ。デビューそうそう安定感ですか~!
そう、四季は公演ごとにオーディションだそうですね。ある程度は出来レースでしょうが劇団員さん達は大変です。
「バケモノの子」はそう、まずもってタイトルが悪いですね。「イグアナの娘」は魅力的なタイトルなのにね。
真風さんのコンサート情報をありがとうございます。私もイープラス会員になっているんですがまだイープラスで購入した事がないからか案内メールが届いていません。
そうですね、私も望海さんのコンサートの方が良いです、大阪だと新しいスカイシアターだしね。ただしそう、全席一律料金なのが気に入らなくて・・・
真風さんにしても寿さんにしても、今後も知らぬ存ぜぬを貫くしかないでしょう。
それはそれで苦しいはずです。精神的なものだけでなく、今後のOG活動に支障が出てくるのは避けられないですから。
いつもありがとうございます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
追伸:追加のコメントも読みまして、まかコン日程を修正しています。