「舞姫」のベース「ファウスト」について今さら叫んでみる

その他の宝塚

先月バウで「舞姫」を観た私はどちらかといえば不満の多い感想記事を書きました。
しかしその後、不満は減りっぱなしです。というのも・・・ゲーテの「ファウスト」のヒロインであるグレートヒェンがあまりにも悲惨すぎて、宝塚版「舞姫」のヒロインであるエリスがああいったラストになるのもやむなしと思うようになったんですよ。

観劇をしだして自分がいかに無教養であるかを痛感しまくっています。ファウストはストーリーどころか存在すら知らなかったし、森鴎外はさすがに名前は知っていましたがファウストを初めて日本語に完訳した事も、ファウストを元ネタにして「舞姫」を執筆した事も知りませんでした。
読者さんからのこちらのコメントや、「宝塚 ライブ専科の地方民のブログ」管理人であるこんちゃんさんのこちらの記事を読んでも当初はファウストをどうにも重く難解に感じて拒絶反応が激しかったです。

ですが後日ウィキのファウストを少しずつ読んでいき、ようやく概要が頭に入るようになり・・・あまりの残酷さに気持ちがだだ下がりました。
悲劇といってもファウストが不幸というより、ファウストが関わった人が不幸になっています。

これって名作なんですか?
見た目は20代だけど思考回路は50代なオッサン(ファウスト)が、若く美しい(そしておそらく世間知らずな)女の子(グレートヒェン)をてごめにして捨てて、グレートヒェンは婚前に男性と関係を持った罪と赤ちゃんを手にかけた罪で死刑になっちゃうんですよ?
しかもファウストはグレートヒェンの死後もトロイア戦争の世界にタイムワープして絶世の美女と結婚して息子を持ち、息子が事故死して妻がいなくなってからも今度は政治家になってそこそこ成功する。とにかくあれこれエンジョイするんですよ。
そしてそしてとどめに、ファウストは本来なら死んでからの魂を悪魔(メフィストフェレス)に奪われ永遠に苦しみ続けるはずなのに、何故か何故か、グレートヒェン(の魂?)が救ってくれる・・・なんちゅう大団円やねん!こんなのおかしい!ファウストの魂はメフィストフェレスにかっさらわれ、仏教で言う無間地獄に落ちるのがスジちゃいます???

でね、こういった怒りの記事をアップしようと思ったもののきっかけを掴めないまま時が流れ、いったんはボツにすると決めました。
なのに掘り返してアップする事にしたのは、

https://2023.musical-devil.com/ よりお借りしました

ファウストをベースにしたというミュージカルがシアター・ドラマシティで上演される事を知ったから。
残念な事に公式サイトが「体裁ばかり重視してわかりにくい」の典型でかなりダメダメです。そもそもタイトルが悪い、日本で「デビル」なんて聞いたら「あれは誰だ、誰だ、誰だ♪」のアニメが浮かんだりしません?あり得るでしょ、北斗の拳がミュージカルになったんだし。
ちなみに画像の4人はいずれもファウスト役じゃなく、じゃあメフィストフェレスかっていうとそれっぽいものの純粋にそうではなかったりする。
どうにも私が希望する「原作に忠実なお芝居」ではなくかなりアレンジされまくっているようです。だけど演出が宝塚OBのオギーなので期待してしまいます。
かなり前向きに観劇を検討していますのでその際は感想を記事にしますね。

コメント

  1. おかちゃん より:

    たーさんのブログを読むとうんうんとなるんですが、またもや私はSNSでの撃沈。
    こういう体験でますますファンクラブとかはいやになります。
    宝塚歌劇団見なくても良いのかなあとかまで。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      おかちゃんさん、何かSNSで悲しい事があったのでしょうか。(おそらく私設)ファンクラブがいやになったんですね。
      宝塚歌劇団を見なくてもよいのかなあ、まで思うくらいですからよっぽどの事でしょう。

      なんかね・・・
      世界最高峰レベルの華やかな舞台を見せてくれるのに、時折どす黒い側面が垣間見えるのが宝塚なのかもしれません。
      それゆえ宝塚はいったん足を踏み入れると抜け出しにくいのかも?ただ美しさしか見せてくれなければ飽きてしまうような気がします。
      「高級な香水には単品で嗅ぐと耐え難いような悪臭もブレンドされている」そうですよ、何故か今、思い出しました。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

      • おかちゃん より:

        まさに毒があることわかっているのに近づくってのが悪いことなのですよね。宝塚話題はお上品でないとダメみたいでライト経済力で現実主義の私だと論破されちゃいます。まっ見なきゃ良いんです。個人の思いを受け止めて頂き申し訳ありませんでした。

        DEVILの舞台はこのタイミングに中川さんで気持ちを変えようと思ったのとサンキューベリーストロベリーの舞台の演出の荻田先生のお仕事が良かったので演出にもひかれます。

        良い時間を過ごせる舞台だと嬉しいなと思っています。
        たーさんが観劇されたら記事にしてくださいね。

        • 関西の、たー 関西の、たー より:

          おかちゃんさん、どんな世界にも毒はあるでしょう。毒が恐ろしければ結婚も育児も出来ないかと。
          「宝塚話題はお上品でないと」っていう同調圧力は確かにありそう、でもこれは「臭いものがあるからこそフタをしなくちゃ!」って事なんだと私は思っています。

          はい、見る・見ないの判断は自分でしたら良いんです。私達は若さを失った代わりに経験を重ねていますから、大怪我や大病など特別な事情でもない限り自分の判断で身を持ち崩す事はそうそうありませんよ。

          デビルですが、ねぇねぇ中川晃教さんってすんごいナルシストっぽくないです?もともとは韓流の方の声に合わせて曲が用意されたようですが、私は中川さんバージョンの時に観ようかと。あと大山真志さんという、別の舞台で注目した縦にも横にもデカい歌ウマさんも拝みたいです。
          もちろんオギーも楽しみです!かつてはOSKの演出もしていましたがすっかり離れちゃったのかな?

          いつもありがとうございます。
          今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. こんちゃん より:

    関西の、たー様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    個人的に、ファウストとは「欲望の肯定」の物語だと思っています。

    昔はキリスト教の教えで、今はポリコレで「不倫とか脱税とか、欲望に走りすぎるな」という縛りがありますし、せっかく築いた地位を不倫や脱税で失った人も数知れず。

    でも、いつの時代も、

    道徳が何だ! 法律がなんだ!

    言いたいことも言えないこんな世の中じゃ POISON

    俺は俺を騙すことなく生きていく POISON

    みたいな歌詞に心の奥で喝采を送る方もいるでしょう。

    「悪魔に魂を売って、女性との快楽をむさぼった果てに家庭生活の面倒はすっとばして、天下国家をある程度動かして成功したいなー。

    でも、地獄に墜ちるのはイヤだ。

    最後は、愛の力で救われる!サイコーじゃね?」

    物語に薬効を求めたいタイプにはとんでもない話ですが、ゲーテはあえて、欲望を全肯定するPOISONを、調合するかわりに文学で書いたのかなあ、と思いました。

    ちなみに今、若者に人気のアニメで「推しの子」という作品がありまして、第1話はヒロインのアイドルが妊娠して男に捨てられ、シングルのまま出産・子育てをするも、元カレの差し金で殺される、という衝撃の展開で、

    エンディングテーマのタイトルが「メフィスト」なのです(アニメ中にも「引き換えの成功」というキーワードが頻出)。

    ファウストの物語は、ギリシャ神話のように、道徳というより、人の心理のある種の元型として見ると、現代人の心にもひっかかる力があるお話だと思っています。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      こんちゃんさん、許可も得ずこんちゃんさんの記事をリンクさせていただきました。コメントをくださりありがとうございます、すごく嬉しいです。
      こんちゃんさんが記事に引用した「鴎外が訳したファウスト」は私にとって当初なんともイミフでしたが、ようやく理解してきました。
      引用にあった
      >わたくし母様を殺してしまって
      はウィキではわからなかったのですが(ファウストが兄を殺した事は載っているが母親についてはスルー)、どうもグレートヒェンはファウストに会うために母親に睡眠薬を飲ませ、量を誤り死なせたようですね。
      さらにはファウストとの子どもに手をかけた。もうね、バウでは美羽さんのぱらのいあ姿に憤っていた私ですが、今は「宝塚なのだし落とし所としてあのあたりが限界だろう」と思っています。

      >個人的に、ファウストとは「欲望の肯定」の物語だと思っています。
      はい、本当にそうですね。私は日々「自分に素直に」をモットーに生きていますので私にとって他人事ではないと気付きました。オッサンが若返って女の子を苦しめるのは腹が立つけれど、私自身が若返り(しかも美女になり)若い美男子と恋愛するならオッケーな気がしますし。

      私は「ポリコレ」って知らなくて、調べてみたら「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」の意味だそうですね。はい、ディズニーの映画ですらそうなっていますし、日本では今まさに芸能人と料理家の良からぬ関係が話題になっています。

      POISONはねぇ、私が真っ先に思い浮かぶのは布袋寅泰さんのなんです。なのでこんちゃんさんが教えてくださった歌詞がフィットしなかったんですが、反町隆史さんのPOISONなんですね。
      探してみたらすぐにヒットしまして、聞いた事はあるもののタイトルや歌詞は全く頭に残っていませんでした。ふふ、「今、反町さんのPOISONを聞きながらこのお返事を書いています」なんてのが模範的なお返事かもしれませんが、あまりにも作業効率がダウンする歌声ゆえ無理だったのが私にとっての事実です。

      そうですね、私はどちらかというと物語にカタルシス効果を期待するクチです。なので舞姫にもファウストにも不快になったけれど、でも実は深く心に刻まれていたりします。ノートルダムの鐘にも似た心境になりました。ファウストはアサリにとって垂涎のストーリーっぽいのに四季ではやっていませんね。

      「推しの子」って、タイトルだけ聞くと楽しそうですが実際は衝撃の内容なんですね。ウィキってみたら長い!ちょっとずつ読ませていただきます。

      >ファウストの物語は、ギリシャ神話のように、道徳というより、人の心理のある種の元型として見ると、現代人の心にもひっかかる力があるお話だと思っています。
      はい・・・実は私の心にも十分にひっかかりました。ひっかかったからこそ文句のひとつふたつみっつ言いたくなったんでしょう。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. 昭和っ子 より:

    宝塚まめ知識って所で

    「天使の微笑 悪魔の涙」って作品「ファウスト」を改変して作られてるらしいです

    私は宝塚お休み時期だったので観てませんが
    なんと小池修一郎氏の大劇場デビュー作

    剣幸さん主演で2番手が涼風真世さん

    私を宝塚復帰に誘ってくれた友人がこの作品の涼風さんが大好きで当時関西TVの番組のビデオを貸してくれたが
    私はあんまり興味なく
    ちらっと観て返却しました

    その時メフィストフェレスをされたのが涼風さん

    涼風さんも大変気に入ってられたのか退団発表後の卒業バウがやはり小池氏「ロスト エンジェル」(堕天使)でメクィストフィレスを主演にされてるされたそうです
    私はこの頃はもう宝塚ファンに復帰してましたが 流石にサヨナラバウを見る事も無く 内容は知りませんでしたが
    その時の楽曲がなんとエリザベートの楽曲だったらしいです

    まだ版権が貰えなかったのか?小池氏が堕天使にエリザベートの死をイメージしたのか?
    小池氏は人間以外の主人公にした作品が当時受けていて
    紫苑ゆうさんの「蒼いくちづけ」はドラキュラが主演
    涼風さんのパックや真琴つばささんの狼男ってかなり人気があったみたいです

    「蒼いくちづけ」はのちにバウワークショップで私は見ましたがそんなに感動しなかったから
    多分紫苑ゆうさんにはピッタリだったのでしょう

    でも考えで見たら小池氏の原点、「天使の微笑 悪魔の涙」から「エリザベート」とか
    ドラキュラから「ポー一族」と小池氏の原点ってそこにあっただな考えました

    これらの作品はスカステでも放送されているので またオンデマンドでも放送されるかも知れます
    ロストエンジェルはビデオ化もされてます

    ファスストからはかなり離れたますが
    私の御贔屓さんのサヨナラ公演「堕天使の涙」(植田景子女史演出)もそちら系
    だから誰も幸せになれない
    人間の欲の話
    なんとなく植田景子女史も小池氏も基本ファウストかもしれませんね

    まあ ター様の記事を読み チョット浮かんだ豆知識でした 

    蛇足になりますが
    同じ友人が貸してくれたビデオの「川霧の橋」は大感動して何回も観て返却しました

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      昭和っ子さん、「天使の微笑 悪魔の涙」は89年の作品だそうですね。ウィキにあらすじが載っていました。なかなかにファウストに忠実で、かつ役を増やすためにトップ娘だけでなく2番手娘も目立つようになっていますね。ただしラストが極めて宝塚的で美女と野獣っぽくなっていました。
      主役が剣さん演じるファウストで、2番手が涼風さん演じるメフィストフェレスだったんですね。記事で紹介したシアドラで上演する「デビル」はアレンジされたメフィストフェレスが主役っぽいんです。やっぱ原作に忠実になるとファウストが主役ですよねぇ。でもロスト・エンジェルはメフィストフェレスが主人公だったんですか~、ウィキを見つける事が出来ずあらすじがわからなくて残念です。

      はい、ラストこそ宝塚的ですがイケコの才能がきらめく魅力的なストーリーのように感じます。この時の経験がその後の「エリザベート」や「ポーの一族」に繋がったんでしょうね。
      そっかー、イケコがエリザベートを手掛けたのは「オーストリアでの舞台を気に入って」だと思っていましたが、そもそもなぜ気に入ったかってそれは、イケコがファウスト大好きっ子だったからなんでしょう。

      「蒼いくちづけ」もウィキになっていましたがあらすじがかなり簡易版。それでもポーっぽいところはあるとわかります。ポーでは瀬戸さんが仙名さんに永遠の命を与えたはずなのにふたりして消えてしまうけれど、蒼くちづけでは紫苑さんが毬藻えりさんに永遠の命を与えてハッピーエンドのようですね。ちなみに毬藻さんは梨花ますみさんの同期なんですね・・・今も現役な梨花さんってすごい!
      紫苑さんはドラキュラに合っているような気がします。お顔立ちからして(特に鼻)、ピッタリかと。紫苑さんは去年のトークショーで今も現役であるかのような浮世離れしたオーラを放っていました、また拝みたいです。

      堕天使の涙もファウストがベースなんですね。ウィキはありますがあらすじが数行しかありません。こちらはウエケーなんですね、舞姫と同じく。
      ファウストが演劇界にどれほど強く影響しているかが何となくわかってきました。アサリも好きそうなのに四季ではやらないのが不思議なくらいです。商業的な理由かな?

      昭和っ子さんが感動した「川霧の橋」は90年の初演ですか?こちらも剣幸さん主演ですね。剣さんは「ザ・ミュージックマン」で拝みまして、歌う時の発声方法が独特だと思いました。一路真輝さんや紫苑さんとも似ているような。今のジェンヌさんにはない歌い方だと思いました。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。
      そうそう、記事で取り上げた「デビル」のファウストはトリプルキャストのようですが、その中に大山真志さんがいるんです。「クラブセブン」で注目した、縦にも横にも大きな歌唱力抜群の方。
      ファウストは肥満体型では厳しいと思うんですが・・・怖いもの見たさで拝みたいです。

  4. かなえ より:

    「ファウスト」のお話は自分には難しいかもで、またゆっくりたー様の記事を読み直そうと思います。

    ご紹介の舞台の中川晃教さんは、昨年「ジャージー・ボーイズ」をみました。
    チームブラックというキャスト割で、藤岡正明さんという、準主役?級の方が、ダメ男の役まわりで、その方に目がいってしまいました。演技がダメ男そのもの。
    チームグリーンの、歌舞伎役者さんだったら、どんな演技だったのか気になりました。

    たー様の観劇レポート楽しみです。

    あと、余談です。
    池袋のヤマダ電機は以前、三越池袋店でした。
    ヤマダの脇を抜けて、道路の信号を渡るとBrilliaホールは目前です。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      かなえさん、はい、ファウストは非常にとっつきにくいですよね。私も拒絶反応が凄かったからお気持ちすごーくわかります。今も鴎外が訳した原作を読もうなんて思わないですしね。ただ演劇を楽しむにあたり存在を知っていて損はしない気がします。ファウストのような欲望は私にもあるような気がしますしね。

      かなえさんは中川晃教さんを「ジャージー・ボーイズ」で見たんですね。とはいえ藤岡正明さんの方が印象的だった、と。こうゆうのは公式サイトでは決してわからぬ事です、教えてくださりありがとうございます。
      さりげに、私が「クラブセブン」で注目してデビルにも出ている大山真志さんも出演していたようです。やっぱ太ってるなぁ、ニック・マッシは肥満体OKな役だったのかなぁ???ニック・マッシWキャストのもうひとり、spiさんは「オリバー」と「ドリームガールズ」で拝みました。
      「チームグリーンの歌舞伎役者さん」とは尾上右近さんですね。歌舞伎界で貴重な若いイケメンですよぉ~、しかも血筋も良好。私は花形歌舞伎で拝みまして大感動しました。女形をやるにはややデカすぎますが舞台俳優としては申し分ないでしょうね。だけど歌唱力はどうなんだろう?私も聴いてみたかった。

      池袋のヤマダ電機は以前、三越だったんですね。私が練馬区に住んでいた頃に三越はあったはずですがどうにも記憶がありません。
      ブリリアへの道のりはとても心配です、とはいえどうにかなるでしょう、すごく楽しみです。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  5. 調和の霊感3の6 より:

    こんにちは

    舞姫、たーさまの感想をきっかけに読んでみようと思い立ち、電子書籍で読み始めたところです。

    文語体は読みにくいなーと怯みかけていたらご丁寧に現代語訳してる人がいて参考にしたりしながら読み進めています。

    以下、どれも読んでもいないのにコメントしますね。

    ファウスト、あらすじはざっくり知っていましたが、今回のたーさまのご意見読んで、世界観がダンテの神曲に似てるなと思いました。

    神曲に関しては世界史の時間に、当時の知識人など限られた人が解するラテン語ではなく、イタリアのトスカーナ地方の方言で書かれてた。

    文学史の授業で
    主人公のダンテ(作者自身)が、地獄、煉獄、天国を巡るのを韻文で書いた叙事詩で、文学としてだけでなく、以降の西洋の美術、音楽などの文化に大きな影響を与えた世界文学史上最高傑作の一つ。

    以上の知識です(文系なのに)

    天国編では、ベアトリーチェという女性がで出来てダンテを天国に導いていきます。
    西洋の文学等の作品でベアトリーチェ(ベアトリスとか)という名が出てきたら、「永遠の淑女」などいいイメージの女性像の暗喩だとか。

    知ってることはその程度ですが、なんとなくファウストから神曲を思い出してしまいました。

    ベアトリーチェは彷徨える魂のダンテを救う女神的な存在なんですけどね(だから永遠の淑女)、グレートヒェンはボロボロになりながらでも最後は彼女に救われる?この辺は読んでないから分からないのですが、どちらのヒロインも彷徨える主人公を救うみたいな存在のようですね。
    調べてみたら、ファウストは神曲をモチーフにしているそう。

    神曲とファウスト、舞姫それぞれ時代が違うし、国も違うし受け取り方も違ってきますよね。
    そしてそれをまた脚本化すると、こんちゃんさんが書かれているようなパロディともファウスト・コードの解読とも解釈はいろいろなのかもしれません。

    そしてなんと奇しくもこの神曲という日本の題名をつけたのが森鴎外。彼が訳したアンデルセンの即興詩人の中に出てきるそうで、以後、神曲というタイトルで定着したらしく、へーへーへー!(今知った)な私。

    でもね、内容は地獄、煉獄、天国って彷徨う内容だけど英語でもイタリア語でも「コメディ」って意味なんです。
    コメディ=喜劇はドタバタの「お笑い」じゃなく、めでたしめでたし、で終わる劇、作品のことだそう。
    ダンテは天国に行けました、めでたしめでたしって事?(読んでないから)知らんけど。

    神曲もファウストも舞姫もその時代の宗教観とか社会情勢、価値観とか知っていないと理解出来なさそうです。

    少なくともファウストを読む日が来るんだろうか?絶対挫折しそう。
    とりあえず舞姫を読破ですね。

    いやみなさんのご意見とかいろいろ役に立ちます。ありがとうございます。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      調和の霊感3の6さん、現代語訳の舞姫を読んでいるんですね。是非感想をお聞かせください。私は山崎豊子さんの「ぼんち」が届いたものの、やたら分厚くて、そして文字が小さいので読み進まず・・・ぼちぼち頑張ります~

      さて、「神曲」って名前は聞いた事があるような?だけど中身は全く知りませんでした。世界文学史上最高傑作のひとつなんですね。
      ちょろっとウィキってみました。ベアトリーチェという名前には「永遠の淑女」という意味があるんですね。私にとっては仙名彩世さんが「CASANOVA」で演じていたイメージ。
      あと極美慎さんが主演した「ベアタ・ベアトリクス」を思い出しました。ちなみに「ベアタ・ベアトリクス」は1870年に完成した絵画の名前なんですがなんと!ダンテの1294年の詩「新生」に登場するベアトリーチェ・ポルティナリが亡くなった瞬間なのだそうですよ!ダンテにとってベアトリーチェはどこまでも特別な女性だったんでしょうね。

      で、ベアトリーチェは確かに女神的な存在で、グレートヒェンも「主人公を救った」という意味では似ているかもしれません。だけどファウストはグレートヒェンの不幸の元凶ですからね・・・神曲のウィキには「ゲーテは神曲の苛烈な表現に不快感を示し、批判している」とありますが、ゲーテよおまえこそ不快な表現してるやろ!と私は思ってしまいます。しかもゲーテは神曲を批判しつつネタ元にしてファウストを書いたんだし。

      はい、文学って実は名作をネタ元というかヒントにして別の作品が生まれるものかもしれません。神曲→ファウスト→舞姫で、実際は神曲ベースのたくさんの作品、ファウストベースのたくさんの作品、舞姫ベースのたくさんの作品が生まれているんじゃないかと。
      で、神曲は神曲で、聖書からの引用があるそうじゃないですか。
      調和の霊感3の6さん・・・ひょっとすると多くの文学作品の根っこって、聖書とギリシア神話にあるかもしれませんね。ファウストもギリシア神話の世界にタイムワープするし。
      って事は、文学を学ぶには聖書とギリシア神話を理解する事が欠かせないのかもしれません。

      でね、専門家になるわけでもない私達は「美味しいところをちょっとかじる」くらいで良いと私は思っています。
      神曲やファウスト、舞姫、いずれもしんどい作品なのですから、さらに「それぞれの作者の宗教観や社会情勢や価値観を理解しなきゃ」なんて考えなくて良いような気がするんです。
      舞台は気軽にこういった世界をかじらせてくれるから良いですね。きっかけを与えてくれる。興味を持ったら調べてみたくもなりますし。
      「舞姫」を観た時は聖乃あすかさんの豊太郎に怒り心頭でしたが、おかげでファウストをちょいとかじり、さらには調和の霊感3の6さんから神曲についても教えていただきました。楽しいです、おばちゃんになっても知的好奇心ってあるんですね。っていうか私の場合、おばちゃんになってからの方がこういった好奇心が強まっているかもしれません。

      はい、みなさんのご意見が本当に役に立ちます。本当にありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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