NHKで放送された文楽の感想&北翔まつりへの愚痴

ジェンヌさん

このタイトル・・・

どうゆうつながりやねん?
こじつけか?

って思われても仕方ない組み合わせですが、私の中ではちゃーんと繋がっています。

https://www.nhk.jp/p/kotenshoutai/ts/VV8Y68GWZ5/episode/te/YRKJWV4V7M/ よりお借りしました

歌舞伎が放送される時はルンルンと再生するNHK「古典芸能への招待(毎月最後の日曜日21時の放送)」ですが、7月は人形浄瑠璃(文楽)だったのでおっくうになっていたんですね。どうしても文楽には「人形やん」なイメージがあって。
だけど、

会場が大阪の国立文楽劇場だと知ってようやく再生する気になりました。
だって、ここ・・・

北翔海莉さんの25周年記念公演「THE北翔まつり」の会場なんです。
たっかーいチケットを買ったんですから、行った事のない国立文楽劇場がどんな雰囲気なのかちょっとでも感じたくて。
753席とシアター・ドラマシティの898席より小ぶりです。ただ私が買った北翔まつりのチケットは一般販売で購入しただけに良席とは言い難く、双眼鏡を大型で重い愛機にするかコンパクトなサブ機にするか迷っており結局再生後も決めかねたままです。

文楽の演目は「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」。
NHK「古典芸能への招待」ってお芝居を放送する前にまず長々と作品の背景などを解説するんですが、妹背山婦女庭訓は文楽存続の危機を救ったそうですね。歌舞伎に負けつつあったけれど、1771年に妹背山婦女庭訓が初演されてからは文楽の人気が復活したそうです。宝塚でいう「ベルサイユのばら」かな、宝塚も存続の危機にあったそうですが1974年のベルばら初演で一気に盛り上がったらしいので。
しかもNHKはしきりにこの作品を「日本のロミオとジュリエット」と紹介するんですよ。ロミジュリもまた、宝塚の人気作じゃないですか。
なので期待しまくって「文楽のベルばら&ロミジュリ」を観たのですが・・・
どうしてこの作品がベルばらのごとく大ヒット作になったのか不思議です。ロミジュリとはだいぶ違いますね。妹背山婦女庭訓のトップスターとヒロインは恋に落ちるけれど、一度も布団を共にする事なく絶命します。しかもトップスターは実父、ヒロインは実母によって刀で首を落とされちゃうんですから悲惨も悲惨。
ベルばら&ロミジュリなメロドラマっぽさは皆無でしたし、実のところ若い二人よりその親がフォーカスされています。

メロどころか、どこまでも演出がグロい。
実母が自分の娘の首を落とすだけで充分にぐろいのに、その後実母がヒロインの首から下のない顔に嫁入り化粧をするんですよ。そしてヒロインの頭を小さな船に載せて川に流しトップスターの家に届けるんですね。何故かこのシーンには「弘誓(ぐぜい)の船」なんて解説が入ってました。
やがてトップスターのもとへ届くも、トップスターはすでに自ら刀を腹に入れており息も絶え絶えなんですからもうホンマ、目も当てられない。ラストは瀕死のトップスターがヒロインの首を眺めている中、実父が介錯していました。

宝塚的な要素はないものの私としては、歌舞伎でぐろに慣れていますのでぐろそのものは受け入れる事が出来たんです。だけどやはり、
「キャストが人形」
ってのが駄目でした。非常に精巧な造りである事は素人ながらよーくわかったんですよ、指や瞼まで動くし。
足さばきといい、操る方々の技術力も凄まじかった。

だけどやっぱり人形なんですよ。特に気になったのが首もと。ヒロインの首が木に刺さっているところが丸見えで、私にとってはここがもうどうにも興ざめでした。

というわけで国立文楽劇場で文楽を生観劇したい気持ちにはならなかったです。
って事は国立文学劇場に向かうのは北翔まつりが最初で最後になるかもしれません。

北翔まつりの大阪公演は9月14、15日ですからあと数日です。
そこで北翔さんの公式サイトを久しぶりに訪ねたんですが・・・
「ん?」

https://hokushokairi.co.jp/「the北翔まつり」公演に関するご案内/ より引用しました

なにこれ?
「the北翔まつり」公演に関するご案内
にこんな事がかかれていたんです。これはガッカリですね、だって、独立行政法人 日本芸術文化振興会の公式サイトには

https://www.ntj.jac.go.jp/qa.html#e4 よりお借りしました

こう案内されているんですから。
つまり北翔まつりで文楽劇場内のコインロッカーを使えないのは主催者である北翔さんの都合なんです。基本的に劇場内のコインロッカーは無料ないし格安なのに、それを使わせず「公共交通機関等のコインロッカーをご利用ください」とは随分ですよ。
高額なチケットを売っておいてこれはないわ~

なんか、宝塚公演をデフォにすると他の公演で「チケット代は高いのにおもてなしは不足がち」と感じがちかも。
そういや梅田芸術劇場でのジェンヌOGコンサートでは終演後にトイレを使わせてくれなかった事がありました(記事はこちら)。宝塚歌劇団の梅芸公演ならこんな事はないのでこれも主催者側の都合です、ものすごく残念でした。

愚痴をこぼしましたが・・・たっかーいチケットを買ったんですし行きますよ、北翔まつり。荷物を小さくしなくちゃいけないって事は双眼鏡はコンパクトなサブ機の方が良いんだろうなぁ。

劇場内にコインロッカーがあるにも関わらず使うなという北翔さんはホンマに強気で、

https://www.kaikan.co.jp/news/20230807_004300.html よりお借りしました

ディナーショーのビジュアルを公開しましたがお値段なんと39,000円!(東京會舘公式サイトはこちら)。
しかも東京會舘でしからやらないようですね。去年は宝塚ホテルでやっていて、確か38,000円だったかと。来年はタカホに戻り40,000円になっているのかな?

ライト経済力な私がこうも強気な北翔さん主催イベントを観るのは北翔まつりが最後になるかもしれません。ホンマ、しっかり拝んできます。

コメント

  1. かなえ より:

    北翔さんのファンでしたら、遠方から参加される方もおられるでしょうね。
    私は8月に花總まりさんのファンミーティングにはじめて参加したのですが、会場の入口脇にたくさんのキャリーケースがあり遠方からみえる方も多いだろうなと思いました。
    参加費も3900円で、現役ジェンヌさんのお茶会の料金相場よりも安くて良心的だなーと思いました。
    望海風斗さんの最近のファンミは東京、大阪で8千円だったみたいです。
    スタッフさんの采配をどうされておられるのか、わかりませんが、北翔さんのお荷物預かりませんは、経費削減のためなんですかね。
    公共に近い建物なら、コインロッカーは使用後コインが戻る印象です。
    帝国劇場はコインロッカーが無料で、びっくりしたのを覚えています。
    たー様も事前のホームページ閲覧で、えっと思われたと思いますが、北翔海莉さんのファンの客層でしたらネットをご覧にならない方も多そうですよね。事前に心の準備があればワンクッションおけますが。

    クリスマスディナーショーの告知が、彩凪翔さんのSNSであったので、東京會舘のホームページを見てみました。
    真矢ミキさんは演出がご主人で、出演者にご主人の兄弟の方のお名前がありました。
    ディナーショーは演者さん側には実入りがよく効率的と言われてますよね。
    単価を高くするほど。
    彩凪翔さん、真矢みきさん、北翔海莉さんと皆さん元ジェンヌさんですがどれくらい集客されるのか興味あります。
    和央ようかさんのショーも他で告知を見ましたが、ファンの方はお金に余裕がありそうです。
    ディナーショーは私は一生行く事はなさそうです。
    たー様の宝塚ホテルのイベントの記事も興味深く拝見しました。
    次回のゲストの小池先生のアー写が、素敵?に写ってましたね。

    私は昨年から花總まりさんのファンクラブに入ったのですが、時折メールマガジンで花總まりさんの出演情報が来ます。
    シアタークリエのコンサート、花總まりさんの出演日が配信があるそうですが、城田優さんもご出演みたいです。

    朝日新聞の「朝日地球会議」というシンポジウムに花總まりさんと小池先生が登壇されるそうです。あとアデランスの会社の方もです。
    会場に抽選で行けない方は配信があるそうなので、申し込みました。
    花組のトップコンビの卒業公演、小池先生には華やかな作品で送りだしてほしいです。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      かなえさん、はい、北翔さんのファンなら遠征組も少なくないでしょう。劇場そばのホテルに泊まるならホテルに預ければ良いけれど、そうじゃない場合は荷物持参で劇場に直行したいですよね。
      かなえさんは花總さんのファンミでたくさんのキャリーケースを見たんですか~。3,900円ならお手頃価格ですね、花總さんはブルーミングエージェンシーという事務所に所属しているようですがそれでもリーズナブルなんですね。望海さんファンミの8,000円はナベプロの都合もあるのかな?

      北翔まつりで荷物預けNGである事には理由があるはずです。経費削減のためかもしれないし、手間を惜しんだのかもしれないし。終演後も使用されたままのロッカーや引き取り手のいないスーツケースがあったりするとややこしいでしょう?そうゆうのに対応する手間を惜しんでロッカーを使用禁止にしたり荷物の預かりを拒否った可能性はあると私は思っています。
      でね・・・もしそうだとしたらやはり、おもてなしの精神が足りないんですよ。結局は花總さんのようにおもてなしの精神で客を迎えてくれる人の方が生き残るはずです。
      北翔さんのファンは年齢層が高めなんですかね?ま、そのあたりも楽しみにしています。何も知らずスーツケースをガラガラしながら来る方がいなけりゃいいんですが。

      東京會舘のイベントのページ、見てみました~
      へー、真矢さんのディナーショーは4万円ですか~、でもって演出家や出演者に身内をねじ込んでいるんですね。こりゃあ儲かりそう~
      はい、北翔さんも真矢さんも彩凪さんも、そして浦井健治さんも同じ会場(ローズ)でやるんですからどのくらい集客あるか気になりますね。浦井さんはジェンヌOGではないですがディナーショーの演出はオギーなんですから舞台の世界って狭い!余談ですが望海さんのコンサートのゲストに浦井さんが来ていまして、私は彼の事をちっとも良いと思いませんでした。いいトシして若づくりが激しすぎるんですよ、ディナーショーの写真もそんな感じだし。

      うわっ!和央ようかさんのディナーショーの日替わりゲストに紫苑ゆうさんのお名前があるじゃないですか~、私、紫苑さん大好きなんですよ~。でもやっぱ高いなぁ、ホテル阪急インターナショナルは近くではありますが39,000円ですから。

      かなえさんはディナーショーに行く事はなさそうなんですね。
      それはそれで良いんですが「一生」を付けなくても良いんちゃいます?所詮はタレントのディナーショーなんですから他人事です、肩の力を抜いていきましょう。
      私もディナーショーとは無縁と思っていましたがニアリーなトークイベントに行きました。はい、次はイケコなんですよね。アーティスト写真バッチリ決まってます。
      ただアー写ってメリットばかりじゃないかも、光月るうさんはアー写よりうーーーんとラブリーで可愛らしいお顔でした。

      花總さんのコンサートに城田さんが出演するんですか?へー、ま、城田さんは技術力はありますからね、おそらく花總さんのコンサートでもキメ顔しながらサラッと歌ってくれるんちゃいます?

      朝日地球会議って登壇者がめっちゃ多いですね!團十郎さんもおるし!ふふ、イケコは同じアー写を使ってますねw
      うーん、私はスルーかなぁ、かなえさんは配信を観るそうですから感想をいただけると嬉しいです。

      はい、イケコには頑張ってもらいたいですね、花組の卒業公演。
      来年3月だというのにチケットセディナがもう受付しているので抽選に応募しました。セディナではありがたい事に永久輝さんの全ツの梅芸公演が当選しまして、先日のエクスカリバーも当選だったし感謝しまくりです。いずれも宝塚友の会では落選でしたから。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. こんちゃん より:

    関西の、たー様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    「妹背山女庭訓」は、歌舞伎オンデマンドで配信を見たことがあります。

    このお話、ロミオとジュリエットよりもさらにややこしいですよね。いわゆる「囚人のジレンマ」

    (二人の容疑者が別室で尋問され、二人が最大の利益を得るためには二人とも黙秘することだが、相手の裏切りを恐れて、結果的にどちらも司法取引による減刑狙いで自白するというジレンマ)

    みたいなところがあると思います。

    「あかねさす紫の花」の時代で、天智天皇と蘇我入鹿の対立があり、

    吉野川を挟んで、大判清澄と太宰家の後室定高の両家が対立している。

    両家はそれぞれ、天皇に付くか蘇我入鹿に付くかで悩んでいるところに、子供たちはライバルの家の子と好き合っている。

    1:両家とも天皇を裏切り入鹿の言いなりになる。→子供たちの身体は助かるが、魂は死ぬ。両家とも天皇家を裏切ることになる。

    2:両家とも入鹿に逆らう。→両家とも入鹿につぶされる。

    3:片方のみが入鹿を裏切る→裏切ったほうの子供の命は助かるが、魂は死ぬ。相手の家の子も絶望して死ぬ可能性がある。

    4:片方のみが入鹿に従うフリをして桜を流し、実は入鹿を裏切る→自分の子は死ぬが、相手の家の子の命を救える可能性がある。

    結局、両家とも4の戦略をとって、相手の子の命を助けようとしたら

    5:両家とも入鹿に従うフリをして、実は入鹿を裏切る。

    →子供たちは死ぬが、魂はあの世で結ばれる。天皇家への忠義は守られる。

    というまさかの結末。

    ロミオとジュリエットでは、モンタギューとキャピュレットと中立の立場にロレンス神父様がいるので、企みがわかりやすいのですが、

    『妹背山』では両家の親が、親兼ロレンス神父様的な役割も兼ねているので、心理の変わり目とか、腹芸とか、現代人がぱっとみただけではわかりにくいと思いました。

    心理の駆け引きが、忠義とか孝行とか、江戸の大人の政治の論理で動いているところを、子供たちの愛の力で覆す!ところに、江戸の人は感激したのでしょうか。

    舞台の中央に吉野河が流れていて、両家の親同士が花道と、上手に作った仮花道に立ってセリフの掛け合いをして、客席が吉野川に見立てられる演出には感心しました。

    上田久美子さんの『桜嵐記』も、吉野が舞台、舞台の上に満開の桜と川のそばの御殿、力の無い天皇など、『妹背山』に似た舞台つくりだなあと思いました。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      こんちゃんさん、妹背山女庭訓を歌舞伎オンデマンドで見た事があるんですね。私はこの作品を「歌舞伎でやるなら見てみたい」と思い調べたところまさに今、やっているんですよ。しかしながら国立劇場なんです、東京の。今月は埼玉に行かないので無理でしてホンマに残念です。キャストが地味めな印象ですがトップ娘の母親を中村時蔵さんがやるのですごく興味あるんだけどな・・・「中村時蔵」は本来なら女形の大名跡なのにタマ様にお株を奪われたらしいですね。

      はい~、「あかねさす紫の花」は中大兄皇子(=天智天皇、626-672)と大海人皇子(=天武天皇、?-686)の(ほぼ)W主演ものでした、大化の改新の頃の話で。不思議と蘇我入鹿(?-645)が登場しないですね。本来なら時代が被っているのに。
      ウィキによると「飛鳥夕映え」はあかねさすの少し前の時代を背景に蘇我入鹿が主役になっているそうです。ここでの入鹿は良い人設定っぽくてどうも悪役は中臣鎌足(614-669)っぽい。
      どちらも柴田侑宏ですが、あかねさすが再演を繰り返しているのに飛鳥夕映えは2004年の初演以来再演がないようです。

      妹背山女庭訓での蘇我入鹿は暴君で、トップスターとトップ娘の悲劇の元凶も入鹿でした。時代的には飛鳥夕映えとあかねさすの間くらいかなぁ???
      でね、、、
      おかしいんですよ、時代背景が。
      何故か妹背山女庭訓に出てくる帝って、天智天皇になっているんですよ。
      おかしい、おかしすぎる。天智天皇の在位期間は668年から671年で、入鹿は645年で暗殺されているんですからどう考えても合わない。
      その後しばらく調べていたんですがわからないままですから、こんちゃんさんがご存知でしたら教えていただきたいです。

      さて、
      私の思っている事ばかり先に書いちゃってすみません。
      妹背山女庭訓は確かに、ライバルの家の子がプラトニックな恋人同士なんですよね。
      で、こんちゃんさんのおっしゃるとおり両家とも「相手の子どもだけを助ける」4の戦略にしたものの、結局ふたりとも死ぬ事となった。
      これねぇ・・・
      どのみちトップスターが生きる事は困難だったんちゃいます?
      入鹿の命令は「トップスターを我が家臣に(といいつつ実は詰問が目的)、トップ娘を愛人に」でした。
      トップスターは入鹿の家臣にならないと死ななくちゃいけないし、家臣になったって詰問を受けた後(白状しようとしまいと)どのみち殺されるはず。
      なので、生き残れる可能性があるのはトップ娘だけであり、そうするには「入鹿の愛人になり、肉体は入鹿のものになるが精神はトップスターのもののまま」にするしかなかったかと。
      ふたりとも死ぬくらいなら片方でも生きる方が良かったですよ、もしトップ娘がイヤイヤながらも入鹿の愛人になっていればそう遠くないうちに首を落とされた入鹿を見る事が出来たはずですし。

      何の罪もない若い恋人同士がプラトニックなまま実の親に首を落とされる作品が大流行するなんて、1771年当時の日本はある意味平和だったのかもしれません。不幸なお芝居が流行るのは景気の良い時らしいですから。

      歌舞伎では客席が吉野川にみたてられていたんですね。文楽でもそんな感じかも?川の流れの演出が凝っていました。もちろん一番凝っているのは人形なのですが、、、

      はい、桜嵐記と似ているかもしれませんね。時代は南北朝でしたね。妹背山女庭訓では帝が家臣の家に逃げ込み、逃げ込んだ先の家臣の家がにわか仕込みの宮中になったらしいんですが、ほぼほぼ天皇状態だった入鹿と帝がいたあたりなんとなく南北朝っぽい感じがします。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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