想定外が続いた
想定外の「新人公演A席」
新人公演を楽しむべく、張り切って大劇場に行ってまいりました。
コロナの影響でしょうか、並んでいる人は前回のワンアポより少ない印象でした。でね、新人公演の当日券で、産まれて初めて、立ち見でも当日B席でもない、A席の座席券を得る事が出来たんです。
しかもね、本公演に並んでる人もいつもより少なそうだったので、新人公演のチケットを購入後すぐに並んでみたんですね。
そしたら、本公演でも座席券を買えたんです！！！
想定外の「本公演座席券」、しかし・・・
上が新人公演。ちょー嬉しい、新人公演初のA席！
で、下が、思いがけずゲット出来た、本公演の座席券です。
「あれ？新人公演のチケットより本公演のチケット、ずいぶん隠してるね」って思います？
そのとおりです！わざとです！理由を今から書かせていただきます。
浮かれていると試練がやってくる
「いやぁ、ラッキーだったなぁ」とホクホクだった私ですが、「浮かれていると何か試練がある」という、これまでの人生でしばしば感じた事がまんま、宝塚でも当てはまりました。
とてつもない、「想定外」がやってきたのです。
「想定外」な観客
みかんハガキさん
大劇場は開演前の約30分前に開場します。私は開場したらとにかくすぐに中に入りたい性格です。で、ドカッと座ってホクホクしてたのですが・・・
開演15分ほど前に、とある観客さんがそばにいらっしゃったんです。 彼女を仮に「みかんハガキさん」と呼ぶ事にしましょう。理由は後に述べます。
私はみかんハガキさんをひと目見て絶句しました。そして「お願いだからこっちに来ないで欲しい」って思いました。だって・・・
後席に迷惑なヘアスタイル
まず驚いたのがヘアスタイル。何と、みかんサイズのお団子（シニヨンって言うんですかね？）が頭の超・てっぺんに乗っていたんです。しかもね、そのみかんの横に、ハガキサイズのヒラヒラの飾りが添えられていました。
大量の荷物と分厚いダウン
両手にはたくさんの荷物。大劇場内で買ったお土産と思われます。ファッションの決め手は分厚いダウンで、たくさんの荷物とダウンのせいか、お世辞にも広いとはいえない大劇場の座席の隙間を一生懸命縫うように歩いていらっしゃいました。
そして・・・私の真ん前の座席でストップ！！！
私の真ん前の席で・・・
みかんハガキさんは床に荷物を置いた後、ダウンを脱いで座席に掛けました。布団のような、私に届かんばかりの分厚いダウン。しかも、ダウンだけでなく、床に置いた荷物のうちのひとつを座席の背面に乗せて、それから、座ったのです。
ちょこん、って。
めちゃ、浅く。
猛烈な圧迫感に不愉快に
これですよ、これ。どんな席でも、前の席の人が普通に深く腰掛けていれば、こんなに視野を奪われる事はありません。
画像加工しているうちにリアリティが減ってしまいましたが、実際の圧迫感はもっともっとすごかった。
大劇場に響く「他のお客様に迷惑となりますので、座席には深くおかけください」のアナウンスは、みかんハガキさんには聞こえないようでした。
私は不愉快になり、この写真を撮りました。開演前に大劇場のスタッフさんに見せて、ひとこと伝えてもらおうと思ったんです。
写真を撮った私の方に身体を向けた
そしたら！
絶妙なタイミングでみかんハガキさんがクルッ！っと、私の方に身体を向けてきたのです！！！
チキンな私はもうビックリ！随分とにぎやかだったのにシャッター音が聞こえたの？と動揺しましたが、その後彼女が私を見る事はありませんでした。私を見る事なく、座席背面に置いた自分の荷物を手に取り、中に入っていたお土産の箱を取り出して、さすり始めました。
心理状態を推測
これがね・・・
「あら、大事なお土産なのに、ついもたれちゃって、箱がちょっとへこんじゃったわ」
って思ってる事が、真後ろにいる私にヒシヒシと、伝わったのです（実際に発言していたわけじゃない）！
でね、その様子を見ていたら・・・
私の趣味である「人の行動を見て、心理面を推測する」クセが出てきまして。以降、推測した行動→心理面ですが
みかんとハガキ→せっかくの観劇だからおめかしした
両手に荷物たっぷり→せっかくの観劇だからお土産たくさん買った
ロッカー使用せず→お土産たくさん買ったから節約したい
なのかなぁ、って気がしてきたんです。いずれも観客としてのマナーはどうなん？って感じですが、彼女は決して意図的に、他の観客に嫌がらせをするつもりじゃあない事は明白でした。
お咎めなしに決定、公演スタート
そのうち、みかんハガキさんが彼女なりに頑張ってる姿に夢中になりましてね、私、ここはひとつ、お咎めなし（スタッフさんにチクらない）にしようって決めたんです。
やがて、本公演スタート。
背中の荷物がなくなったので、写真よりはだいぶマシになりました。しかしみかんハガキさんは、足元にたくさん荷物があってバランスを取るのが難しいのか、表現しがたいリズムで揺れていました。
休憩時の決意！
で、劇が終わって、ショーの前の休憩。
みかんハガキさんはスックと立ち上がり、イソイソと両手に荷物を抱え、動き始めました。横顔がチラと見えただけですが私は彼女に、何らかの決意を感じました。なので「ああ、休憩を利用してロッカーに行くんだ」と思ったのです。
しかし！彼女は全くもって、そのまんまのいでたちで戻ってきました。本当にたっくさんの荷物だったから、抱えたままお手洗いに行ったりするのはさぞ大変だったはず。
そうか・・・あの決意は「荷物多くて大変だけど私、頑張る！」って意味だったんだ。と思うとともに、この、私の想定通りにいかなかった結果がまた、愉快でした。
ショーではさらに
ショーでもお芝居の時と同じく不規則にゆれていたみかんハガキさんですが、さらにパワーアップ！手拍子が始まると、顔の高さ～それより上でパチパチし始めたのです。それも、ビッミョーに、合ってない。
そして、首を揺らし始めたんですね。縦ならまだいいのですがこれがまた、何のストレッチだろう？ってくらい激しい横揺れでした。その度にみかんハガキさんのハガキ部分がユラユラと・・・
幸せそうだった
終了後。みかんハガキさんはとても、幸せそうでした。宝塚で何らかの幸せ、生きがいを得ている事がよくわかりました。私にとっても救いになりました。
彼女は荷物を抱えてからダウンを抱えて、でもまたダウンと荷物を置いて、ダウンをはおり、荷物を抱え、去っていきました。
宝塚大劇場のロッカーは安い
大劇場のロッカーって、安いんですよ。この写真の向かって左（５段）は100円、右（３段）は200円です。駅のコインロッカーなら５段の方でも300円はしますから、ホントお手頃価格です。みかんハガキさんのお荷物（含むダウン）は、200円のロッカーをふたつ使えば確実に、すべて入ったと思われます。
ヘアスタイル、アクセサリー、荷物（上着含む）・・・
本当にいろいろ、勉強になりました。観劇慣れしていない友達を誘う度に、思い出す事でしょう。
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