「VIOLETOPIA」感想

なーんかここのところ、大劇場公演のショーは「従来スタイルからの脱却」がキモなんですかねぇ？
月組「万華鏡百景色（ばんかきょうひゃくげしき）byユカ」はストーリー仕立ての要素が強すぎて、ショーは受け身で単純に楽しみたい私には少々面倒くさかった。
雪組「FROZEN HOLIDAY（フローズン・ホリデイ）byコーサク」はメリー・クリスマス＆ハッピーニューイヤーの連発で、11～12月公演な大劇場ではオッケーだけど1～2月公演な東京宝塚劇場ではズッコケでしょ？
そしてこの度の星組「VIOLETOPIA（ヴィオレトピア）byサッシー」もなぁーんか個性的でした。サッシー本人がプログラムで「この作品は廃墟の劇場から始まります」なんて言ってるだけあってどんよりしたオープニングだし全体的に「目新しさ」を追求しまくりだったかと。特に衣装は宝塚からかけ離れすぎたデザインかつ私の感覚だとダサいのもチラホラでついていけなかった、バブル期の山本寛斎を思い出したというか・・・衣装のダサさは月組「DeepSea」もたいがいでしたがこちらの衣装は「ガッツリと宝塚っぽいデザインでダサい」だったかと。
若手の起用は大歓迎です。職場にアルコールを持ち込むダイスケや、開演前に撮影タイムを設けないオカケーはもういらない。どちらもマンネリだしね。にしたって、こういった古参の演出を若手がアレンジするようなショーを観たいと私は思いました。著作権は劇団にあるはずだから借用しても問題ないはずだし。

にしても、お芝居RRRに続きショーのヴィオトピでも「まこサゲ＆ARIアゲ」を私は感じました。トップスターの礼真琴さんの存在感が薄く、2番手の暁千星さんがやたら目立っていたんです。
なんかもうあっからさますぎる。
どうあからさまって？それは・・・劇団がトップスターの交代を急いでいる、そんな雰囲気。
階段降りにしたってギョッとしましたよ、

確かに礼さんはこの衣装だったんですが、そのふたつ前の暁さんの衣装が礼さんの衣装とソックリだったんです。もちろん礼さんの衣装の方がゴージャスにはなっていましたが、にしても暁さんの衣装が礼さんの衣装に似すぎていました。
礼さんと暁さんではプロポーションに差があり、似た衣装ではどうしても礼さんが不利。礼さんに白なら暁さんに黒を着せるくらい完全に色味やデザインが異なる衣装にしないと礼さんがトップスター映えしにくいと私は思います。
振り返ると礼さんは愛月ひかるさんとのワンツー時代でも大変でした、どうしても愛月さんの方が舞台映えしていましたから。とはいえ礼さんと愛月さんはお顔立ちや全体の雰囲気が「陽と陰」と完全に別れていたからまだ良かった。相手が暁さんとだとどちらも「陽」なキャラだからプロポーションの差が出やすいんですよ。

そんな陽キャラのワンツーのうち、暁さんだけが盛大な女装もしていたんですよね。ダルマでこそないもののおみあし露出たっぷりで「片脚こそ出すもののもう片方は長ズボン」といったズル（？）もない。メイクが男役のままなのが残念でしたが女装が大好きな私としては嬉しいひとときでした、暁さんは背中の筋肉がモリッモリで「これぞ男役の女装！」でしたし。

あと3番手の極美慎さんもかなり目立っていまして、これがまた暁さんが映える要因になっていたんですよね。本来なら宝塚の男役はワンツーないしワンツースリーを楽しむはずですが、今の星組はツースリーが映えます。
はっきり言って「まこありしん」のワンツースリーってバランスが悪い。前回の星組公演「1789」ではこの3人での歌唱タイムがあり極美さんにとって罰ゲームでしたし、今回はショーで礼さんにとって罰ゲームになってしまったかと。歌唱ならまこあり、ビジュアルならありしんなんですよね。あらためて暁さんって歌唱もプロポーションも素晴らしいんだと思いました。

肩書上の2番手だった瀬央ゆりあさんが専科に異動して「ありしんは正真正銘のツースリー！」なお披露目だったかと。不在になって気付いたんですが瀬央さんは礼さんにとって最もフィットする2番手だったんですね。

ホンマに、私の勝手な憶測ですが・・・
もとから星は礼→暁→極（美）でやるつもりだったけれど当初は「礼礼礼礼礼礼暁暁暁極」くらいの公演を続けるつもりだった気がするんです。だけど世代交代を急ぐ事にしてこの度「礼礼礼礼暁暁暁暁極極」くらいの公演に仕上げたんじゃないかと。できる限り礼さんで引っ張るつもりだったけれど見限った、そんな気がするんです。

稼ぎ頭だと期待していたトップスターでも見限る時は見限るし、冷遇していたスターでも稼げると踏んだら過去をなかったかのように重用する。
宝塚はシレッとこうゆう事をするんですね。私にとって暁さんは「実力も人気もあるのに不遇なジェンヌ　ナンバー2」でしたが今や「次期星組トップスターほぼ内定」です、ちなみにナンバー1は外部出演要員になったっぽい。

シレッ！といえば・・・

ころなからずっと調整中だったカップコーヒーの自動販売機がシレッと復活していましたし、

シレッと大幅値上げしていました。