「DEVIL」感想 ヒロインは宝塚OG&中川晃教を初体験

ジェンヌさん

宝塚ブログ界が1789やデスホリの話題で賑やかな中、

私はシアター・ドラマシティに行ってきました。
観劇したのは「DEVIL(デビル)」という、タイトルだけではわかりにくいミュージカル。韓国でヒットした後に日本にやってきたそうです。
この作品はプロモーションがいまいちかなぁ、

とにかく「カッコつけ」が好きらしく、せっかくの巨大パネルも暗くてパッとしない。

そしてストーリーも正直パッとしなかったかな。「ゲーテの『ファウスト』がベース」という触れ込みで、どっしり重くても受け止める覚悟をして挑んだのですが肩透かしを食らいました。ファウストからほんのちょっぴりヒントを得て全く新しい作品にした、くらいに考えるのが良さそう。

そもそもミュージカルというよりコンサートなんですよ。

僕、歌が上手なんです
俺もウマいで!
あたしも~

な感じで、歌ウマな方々がとにかくガンガン歌いまくっていました。しかもキャストのほとんどがピンマイクを装着せず普通のマイクを握って舞台に立っていたのですからホンマ、コンサートみたい。
男性陣の絶対的歌唱力と比較するとやや弱いかな?と感じたヒロインは「AKANE LIV(あかね りぶ)」さんという方で、調べてみたらなんと宝塚OGでした。ジェンヌ時代は神月茜(かみづき あかね)という名前だったそう。柚希礼音さんと同期の85期・・・って事は40を超えているわけで、美人ですが相応に年齢を感じさせるゆえ(ゲーテのファウストの)グレートヒェンっぽさはなかった。デビルのストーリーについては後述しますね。

私がデビルで楽しみにしていたのは、
・(ゲーテの)ファウストっぽさ
・(演出担当の)荻田浩一らしさ
・別の公演で注目した役者さんとの再会
・中川晃教さんの初体験
でした。

けどね・・・先にもお伝えした通りゲーテのファウストっぽさはなかったです。
そして(私のイメージする)オギーっぽくもなかった。私のイメージだとオギーって舞台装置を回転させたりとっかえひっかえしたりと「ド派手志向」なんですよね。何かと低予算ぶりが目立つOSKでもオギーが演出したレビューはかなり派手だったし。
ところがデビルでは、最初に拝んだ瞬間は「おっ、ゴージャスな装置だな」と思ったもののずっとそのまんま(チェンジなし)。照明や映像でフォローしていましたけどね。ちなみに衣装も皆さん着たきり雀でした。

で、別の公演で注目した役者さんについては、デビルで登場した瞬間はガッカリしたのが本音です。「絞らなかったんだ」と思ったんですよ。
デビルのファウストは3人の役替りになっているんですが私が拝んだのは大山真志(おおやま まさし)さんという方。3月にシアター・ドラマシティの「CLUB SEVEN(クラブセブン)」で拝んで注目したのですが(感想はこちら)、この時は「実力あるデブキャラ」として映えていたんです。歌唱力が凄まじい上に縦にも横にも大きいのですごく目立っていました。
だけどゲーテのファウストを演じるならシュッと細身であって欲しかったし、どこか、プロ根性で絞ってくれるような期待をしていて・・・絞らないなら絞らないで、

SPICEが「DEVIL」について取り上げた記事、https://spice.eplus.jp/articles/315740 よりお借りしました

こんな昔の姿を、作品の紹介記事に載せちゃダメでしょ。今はプラス20キロはありそう。

だけど、
ゲーテのファウストがベースである事をとっぱらい、デビルという作品でのファウストとして観るぶんには肥満体でもOKでした。
というのもね(以下ネタバレですので要注意)、

デビルに出てくるファウストはアラサーの証券マンで若くして成功していて、たっぷりお金があるからたっぷり食べて、たっぷり太っていたっておかしくないんですよ。
で、そんなファウストにはひとまわり年上のアラフォー彼女、グレッチェン(グレートヒェン、の韓流?)がいて、彼女は母親のような愛でファウストを包み込んでいるんですね。

しかしブラックマンデー(世界的株価大暴落)後、顧客に大損害を与えたファウストは黒天使のような存在にそそのかされて不正操作によってお金を取り返していくんです。
悪に染まっていくファウストをグレッチェンは悲しみ、やがて発狂。黒天使に奪われたのか自死したのかわからないような雰囲気の中で絶命します。しかしながら黒天使から「お前の命と引き換えにグレッチェンを蘇らせる」と伝えられたファウストは(「エリザベート」のルドルフのごとく)拳銃自死を選び、結局愛の力でファウストもグレッチェンも生き返ってハッピーエンド。

とね、とにかくゲーテのファウストっぽさは微塵もないストーリーだと、私は、思いました。

とはいえ皆さん歌上手だったし、何より、有名な舞台俳優として小耳に挟む事の多い中川晃教(なかがわ あきのり)さんを拝めて良かったです。
あくまで私の感想なんですけど、雰囲気や歌唱の仕方が井上芳雄さんと被るかも?
アラフォーなのに少年っぽさがあり、エリザベートのルドルフが似合いそうなんですよ。ちょっと高めの中性的な声も井上さんっぽいかと。
まだ井上さんは生で拝んでいないので何としても拝みたくなりました。
ちなみに中川さんがデビルで演じたのは白天使のような役。ええっとね、ゲーテのファウストでいうメフィストフェレスを白黒ふたりに分けたんですよね。でもって格は白が上っぽいのに舞台上での役割としては黒が圧倒的に有利だったりします。私には、何のために白天使が存在しているのか理解出来ませんでした。

まぁその、先にも述べました通りコンサートとしては楽しめるかと。
幕間なしの1時間45分と短かったけれどコンサートならこのくらいで丁度良いかな。

さて、おまけでシアター・ドラマシティのコーヒー話。

売店が復活していまして、

さりげなく「ホテル阪急インターナショナル」アピールだし、ものは試しと300円のコーヒーを買ってみました。
これがまぁ予想外なくらいに美味しかったです。
全体的なバランスが良く、軽やかで飲みやすかった。高級ホテルのプライドを押し付けるのではなくさりげなくアピールしている感じ?
いつもこの味を出してくれるのか、今後もシアター・ドラマシティに来たら試す事になりそうです。

コメント

  1. ゆっこ より:

    こんにちは。
    DEVIL、観劇していないですし原作も知らないのですが、たーさんのあらすじはすごく分かりやすいです。
    興味が出てYouTubeにダイジェストが上がっていたのを探してしまいました。
    大山真志さんは4.5年前にシアタークリエで初めて拝見したのですが、その時は裸にビキニ1枚という格好で熱唱されていました。笑
    まさに実力のあるおデブキャラで、歌うまなので好きです。
    その後糖質制限など頑張られていたようですがなかなか絞るのは難しいのですかね。
    中川晃教さんは歌い方が個性的というか、どんな曲も自分のカラーに染めてしまう印象です。
    井上芳雄さんは声量が凄くて声が身体に響いてきますよ。エリザベートで特に感じました。ぜひ生で体験して欲しいです〜。

    1789もデスホリも無事に幕が上がって良かったですね。
    デスホリは最前列が消えてしまいショックでしたが(泣)何度か観劇してきました。
    皆さん歌いまくるし楽曲もすごく良かったです!
    これは私だけかもしれませんが所々でグレートギャツビーが蘇ってきました。
    デイジーがなりたかった「バカな女の子」に海ちゃん今なれてるんじゃない?なんて…お母さんも同じさち花さんですし。
    たーさんはどう感じるのでしょうか。感想を楽しみにしていますね。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      ゆっこさん、私のあらすじがわかりやすかったとの事、ありがとうございます。慢心せず今後もそういった記事を書くよう心がけますね。
      YouTubeにダイジェストが上がっていたのは知りませんでした。私も再生してみましたが良いですね~、歌ウマさん達の歌唱をつまみ食い出来ますもん。手間のかかった事をしてくれるんですから会場にそういった案内があれば良かったのにな。この舞台はホンマ、宣伝が下手ですよ。

      あら!大山さんは4,5年前にすでにデブキャラだったんですね。しかも真っ裸にビキニ?そっかー、私がクラブセブンで拝んだ時はTシャツとパンツの上からのビキニだったけど諸事情あったのかな?
      はい、歌唱力は間違いのない方です。歌声にどこか水木一郎さんっぽさを感じる時があり、アニソンも合いそうだと私は思いました。
      高身長&イケメン&歌ウマな俳優はたくさんいるから肥満で差別化を狙ったのかな?そうすると目立ったりギャグを担当するには有利でしょうがシリアスに合わせにくくなるんですよね。名脇役にはなれてもタイトルロールになるのは難しくなるでしょうし。
      何より、もともと細身だった人がアラサー頃から急激に太ると身体への負担がすごく大きいです。膝や腰の不調、そして命に関わるような心疾患も招きかねません。私は舞台では現実逃避したいので、病気リスクを心配する方よりは健康的な方を拝みたいかも。

      中川晃教さんは確かに「どんな曲も自分色に染め上げる」タイプでしょう。DEVILでは演じた役にこれといった役割がない(と私は思った)ので余計に、中川さんが出てくると彼のソロコンサートっぽくなっていたように感じました。
      井上さんはテレビでは声量があるように感じなかったのですが舞台では歌声の振動が観客まで届くタイプなんですね。小柄な印象でしたが実は182センチと高身長だそうですし、テレビで感じる事ってアテになりませんね。はい、生で体験したいです。

      1789もデスホリも順調のようで本当に良かった。
      ゆっこさんは最前列で観るはずだった公演こそ中止になったものの、その後何度か観劇しているんですね。千秋楽も観劇予定なんですよね。
      ところどころがグレート・ギャツビーだったんですか~、って事は月城さんはやっぱカタブツですかね?
      海乃さんが「バカな女の子」なんて見ものです。ただ、デイジーも決して聡明とは言い難いキャラだったかと。「バカな女の子になりたい」という発言そのものがバカっぽいしね。

      デスホリは昨日配信でしたが千秋楽を生観劇するのだからと見合わせました。一発勝負の生観劇でどう感じるか楽しみです。はい、感想を記事にしますね。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. おかちゃん より:

    アッキーを生で観劇できたこと、私もよかったです。
    コロナ禍に中川さんが出演のFMNHKの青春アドベンチャーというラジオドラマでハプスブルクの宝剣という作品が放送されていました。ミュージカル俳優の多くが出演で声だけなのに夢中になって聞いたその作品。劇場が閉まっていた期間でしたからことさらに記憶に残っています。中川さんには舞台で会ってみたかったんです。もっとあれこれに私が興味を持てるとよいのですが、中川さん出演作私にはモーツァルト以外は見たいと思えなくて。こちらは見たいと思えたのでよかったです。
    あと余談ですが、ラジオドラマで脚色担当が並木陽さん、星組公演のディミトリに繋がっていくとは当時は思いもよらずでした。6/19からFMNHKはまた並木陽さん作品が放送で海宝直人さんが主演です。6/25現在なら聞き逃しでまだ聞けます。タカラジェンヌOGも登場です。たーさんはラジオは興味ないとのことだったので試さないかもですね。

    Devilからは舞台を見たからって私もファウストはわからないままでしたが、歌が上手い人が多くてコンサートと思うと拍手したり黄色い声が客席から飛んだりで楽しかったです。
    そういう楽しみ方も新鮮でした。リピーターが増えて客席との応戦があるともっと楽しくなるんだろうなあと思います。チケット代金捻出が私の場合は難しいのですが、役がわりが多い舞台の楽しみ方(例えば劇団四季)を少し理解しました。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      おかちゃんさんも中川さんを生で観劇したんですね。へー、中川さんはNHKのラジオドラマにも出演していたんですか~、声に特徴のある方ですし姿を見たい気持ちが募るのもわかります。実際に生で見てどうでした?私は中川さんにナルシストっぽい印象があり生で拝んで「やっぱりそうだ」と思いましたが、想定より少年っぽさのある方だとも思いました。
      並木さんは青春アドベンチャーで複数のオリジナルの長編脚本が採用された貴重な存在なんですね。そして斜陽の国ルスダンの著者でもあるんですね。よっぽど魅力的な文章を書く方なんでしょう。はい、私はどうもラジオとは相性が悪く、本を読むのも苦手なので宝塚で並木さんの作品に触れる事が出来て良かったです。

      Devilですがはい、ファウストっぽさはなかったけれど歌ウマさんがたくさんいましたね。ただ・・・中川さんと役替りのもうひとり、リーさんは「DEVIL製作実行委員会公式チャンネル」の動画で見た限り韓流なまりが強すぎるかな。不思議と英語の発音は素晴らしいのに日本語になると韓流になる。リーさんの本当の目標は(日本ではなく)イギリスやアメリカでの活躍なのかも?と勘ぐってしまいました。
      いろんな役替りで動画を観たくなり、day1、day2のダイジェストがアップされているのでday3以降も続くかと期待したのですがアップがありませんね。残念ながらday1、2とも再生回数が伸びていないので仕方ないかな。
      はい、せっかくのシアドラでの上演ですからキャストと観客の応戦が楽しめたら良いですよね。チケットの定価が高すぎるのが残念です。四季は格安席を大幅値上げしましたがそれでも5,000円なので。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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