「アルカンシェル」感想 低予算で冗長で重くネバセイ風味ありすぎ、花組トップ夫妻の退団公演なのに

大劇場公演

決してハチャメチャとかトンチキとか、そういった作品じゃありません。
だけど花組トップの退団公演、それも花組では久しぶりの夫婦揃っての退団なのに、ハナムケとしてはあまりにお粗末だった「アルカンシェル」。

観劇前に宝塚歌劇の殿堂に行ったんですよね。退団公演ゆえ特別企画展「Memories of 柚香光」を開催しているわけで・・・しかし観劇を終えて自宅ですごしている今も、アルカンシェルが柚香さんと星風まどかさんの退団公演である事を受け入れられません。嘘であって欲しいです。

プログラムを読んだ時は「なちすかぁイヤだなぁ」くらいにしか思っていませんでした。
だけど、

劇中のみならず2幕が開く直前すら舞台の上手下手に、はぁけんくろいつが・・・劇中は舞台のど真ん中にも掲げられているシーンがたくさんありました。
私はすごくイヤでした。世界情勢が不安定で、日本も高齢化・人口減・不景気・災害と悲しい事まみれなのにわざわざお芝居、それも宝塚の花組トップ夫妻の退団公演で採用して欲しくなかった。

タイトルに入れた以上、
・低予算
・冗長
・重く
・ネバセイ風味
それぞれお伝えしましょうか。「重く」については先に述べたので他の3つで良いかな。

まずは「低予算」。
衣装にせよ装置にせよ大劇場公演、まして退団公演っぽくないんですよね。
バウならこうゆうのもありでしょうし東上でも良いでしょう、どうしても大劇場公演というなら、長期を予定しているトップ夫妻の就任期間半ばのチャレンジ作としてなら許せます。だけど、しつこく言いますが花組トップ夫妻の退団公演っぽさは全くありません。
驚いたのが、次にトップスターになる事が決まっている永久輝せあさんすら、歌唱指導の衣装にスパンコールなどのキラキラが足りなすぎて地味なんですよ。劇中の衣装が地味すぎるのにトドメがこの歌唱指導?と、せっかくの指導も頭に入ってこないほど衣装の地味さに衝撃を受けました。
作品のイマイチさは小池修一郎のせいでしょう、だけど低予算の責任は劇団にあります。よっぽどカネコマなのか、それとも柚香さんなり星風さんなりが劇団に楯突くなどして劇団の怒りをかった(ゆえに低予算になった)のか、悪い想像をしてしまいます。

続いて「冗長」。
せめて、せめて2本立てのお芝居ならマシだったのに。低予算で重い上に、冗長すぎるのがいよいよダメダメでした。
もうイケコには1本ものを任せてはいけないんですよ。アラウンド古希の彼にはもう、ゼロから1本ものを生み出すパワーがないんですよ。
帝劇を皮切りに全ツした「LUPIN(感想記事はこちら)」にしたって、宙組の2本立て公演のために用意したお芝居を無理矢理1本ものに引き伸ばした雰囲気でした。今のイケコは宝塚でボツが決まった作品を潔く捨てる事が出来ないし、焼き直すにしたって宙組向けっぽさを消そうともしない。もうヤキがまわってる、まわりすぎている。
大御所だからという理由だけで、こんな1本もので花組トップ夫妻の退団公演を独占するなんて。これなら藤井大介で良いからショーを別に設けて欲しかった。職場にアルコールを持ち込むようなダメ演出家だしマンネリだけど、冗長で重く過去作品っぽさが垣間見えるお芝居をずっとやられるよりはダイスケの「!!」シリーズの方がマシです。

そう・・・
アルカンシェルには間違いなくネバセイ、「NEVER SAY GOODBYE」っぽさがある。

以下、ネタバレあります。

なちすものってだけでネバセイ風味なのに、開幕そうそう回想シーンとなり一樹千尋さんのひ孫として聖乃あすかさんが出てきたんですからウッ!となりました。ネバセイも開演するなり回想シーンで、トップ夫妻の孫(ひ孫だったかもしれないが間違いなく子孫)が出てきますからね。言っときますが聖乃さんそのものはとても素敵でしたよ。
そして何と言っても、
輝月ゆうまさん演じる悪役のコンラートがまんま、ネバセイのアギラールだったんです。無慈悲で冷酷で自己中な典型的悪役ね。

以降、さらにネタバレあります。

コンラートは
トップ娘に一目惚れする、
トップスターを助けたいトップ娘の気持ちを利用して自分の言う事を聞かせる、
何が何でもトップ娘を我が物にせんと執着する、
これだけで十分にアギラールっています。
そしてなんと最期、つまり死に方までまんま、アギラールだったんです。

これからマジでネタバレしますよ。

大丈夫ですか?

アギラールの最期は・・・

部下のコマロフに撃たれましたね。コンラートもまた、部下に撃たれていました。
イケコは「あまりにネバセイ通りじゃマズイ」とでも思ったんですかね?上司を撃つ部下には工夫がありました。
まずビジュアルの強化。ネバセイで上司を撃つコマロフは磯野千尋さん(2006年初演)に夏美ようさん(2022年)と専科を持ってきましたがアルカンシェルで上司を撃つジョルジュは綺城ひか理さんなんですよ。(現トップの)柚香さんや(次期トップの)永久輝さんよりも高身長、かつ美貌もスペシャルで歌唱力は柚香さんより上な綺城さんね。ウィッグのセンスが悪すぎるのが唯一の欠点だけどアルカンシェルでは終始地毛なので完璧でした。
そして綺城ジョルジュは上司を撃つまでの経緯が複雑になっており、サクッと上司を撃つ決意をした磯野・夏美コマロフとは異なっています。綺城さんはミュージックホール「アルカンシェル」のメンバーで星風さんのパートナーだったのに星風さんが柚香さんとばかり仲良くする事に嫉妬してアルカンシェルを飛び出し、なちす(=輝月コンラート)側になびいたんです。だけど最後には、柚香さんを追い詰める輝月さんを撃つ事にしたわけで。
確かに工夫はしています。
だけどそれでネバセイ風味のすべてをごまかせるわけでもない。カレーの中にチョコレートや生クリームを入れたくらいのもんですよ、そうしたところでカレーはカレーなんです。

というわけで、
ガッカリもガッカリな作品でした。作品を根こそぎ否定するつもりはなく、花組トップ夫妻の退団公演としては全く納得出来ないんです。
ジェンヌの皆さんにはただただ感謝しかありません。だけど宝塚歌劇団という組織の問題点をむき出しにしている、そんな花組トップ夫妻退団公演だと私は思っています。

コメント

  1. “ちぃさま” より:

    たーさま こんばんは

    私もアルカンシエル観てきました。そうです、第二幕開演のはぁけんくろいつ我が目を疑いました。はいるひっとらーポーズも相当抵抗感あります。なちすのイデオロギー宣伝は禁止されているはず?と思って調べたら文芸表現は対象外なんだとか。

    今回はパリが舞台だけど、宝塚ってなちす政権下のドイツ物多くないですか?なちす政権だと舞台は地味な茶色ベースだし、低予算モードですよね。17年の星組【ベルリン、わが愛】も権力者ベッケルスが部屋でヒロインを我が物にしようとするセクハラシーンがあったけどお約束なんですかね?人を撃つシーンも見たくないです。

    宇宙の【007】は観に行かなければよかったと後悔するほど内容薄かった。それに比べたら救いようはありました。ダンスシーンたくさんあって楽しめました。だったら二本立てでショーが観たかった。モブの下級生にも見せ場があったことでしょうし。

    たーさまのいう宝塚という組織の問題点なんだと思います。小池御大にショー併用の作品を書いてなど言えないのでしょう。はぁけんくろいつ良くないと思っても誰も言えない、改革改革と言ってもガバナンスまったく効いてない。

    18年にスカステで1年前のはいからさん見てあまりにキュンキュンして、1週間後には福岡に飛んでゼンツ【メランコリックジゴロ/エキサイター】ショーの客席降りで、勇気を出してれいちゃんと声をかけ差し出した手を小道具がわりにしばし握ってくれたことが一番の思い出です。22年【TOP HAT】公私共にキツい中相当の無理して行きましたが、れいちゃん見た瞬間すべてはこの人を見るために・・・と涙が止まらなかった。柚香光さんには感謝でいっぱいです。同時に終わりがあるからいいんだなぁと。

    松竹座観劇は別途報告させてくださいね。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      ちぃさまさん、こんにちは。お返事遅くなりすみません。
      アルカンシェルの感想をありがとうございます。はい、ゾッとするほどにはぁけんくろいつでしたね。そう、はいるひっとらーポーズまでありました。そうですか、文芸表現としてはなちすイデオロギーの再現を許されているんですね。

      はい、宝塚はなちすものが好きですね。何故かころな禍でさらにその傾向が強くなったような。そういえば2021年の風間柚乃さんのバウ主演「LOVE AND ALL THAT JAZZ」もなちす政権下とジャスでしたね。私は配信で観たのですがこれも地味だった、衣装も装置も。
      「ベルリン、わが愛」は映像で観たのですがほぼ忘れてしまいました。凪七さんにとっては専科になってから初の出演作なんですね、そしてヒロインを我が物にしようとする悪役でしたかー。
      人を撃つシーンはイージーに使って欲しくないです。この度のアルカンシェルでは、いったんはなちす側になびいた綺城さんが最終的に柚香さんを助ける決意をする理由がわからなかった。柚香さんを助けるにあたり他の手段もあったようにも思えますし。
      ただ私は、効果的な使い方なら銃もアリだと思っています。パッと思い出すのは「アルジェの男」ですね。真っ暗な中パーンパーンと音がして、明るくなったら音波みのりさんがヒモクズ男の愛月ひかるさんを撃っていた。弱い立場の音波さんは銃でも使わない限りヒモクズを成敗する事は出来なかった状況だったんですよね。私が「柴田侑宏」の名前を記憶したきっかけ作品のひとつです。

      あら、ちぃさまさんは007はイマイチでした?私は原作映画を観ていたからかさして不満はなかったです。今思えばこの頃は「ようやくキキがトップになるんやな~」といったワクワク感もありました。
      それが現在では、ゆりかさんへもイケコへもネガティブな感情になってしまいます。
      イケコは偉大な脚本家であり演出家ですが、もうヤキがまわっているんです。なのにこれまでのツテをフル活用して宝塚のボツ作品を大物であるかのように仕上げて全ツしたり、新作感のない作品を花組トップ夫妻の退団公演にしたり。大御所が偉そうにしているから若手の、才能がピーク中の脚本家や演出家が活躍しにくくなっているんだと私は思っています。

      宝塚の運営陣って政治家たちと似ていますね。自分たちがいかにウマミを得るかばかり考えていて、そのためにはジェンヌ達からの搾取も厭わない。自分たちが政治家であり続けてウマミを国民から搾取する事ばかり考えている政治家たちとホンマに似ています。特権階級の高齢化も同じだし。
      そう、改革なんて口先だけの事で、特権階級は自分たちににとって居心地の良い環境をいかに維持するかしか考えていません。

      ちぃさまさんははいからさんが通るにキュンキュンしたんですね、そしてそのキュンキュンをエネルギー源に福岡まで飛んだんですね。柚香さんに手を握ってもらえたなんて羨ましいな~
      TOPHATはポスターからして柚香さんの美貌が冴え渡っていました。無理をおして観劇したちぃさまさんが生な柚香さんに感動して涙したお気持ち、わかります。
      はい、ジェンヌさん達には本当に感謝でいっぱいですよね。そしてそう、終わりがあるから良いんです。本来なら運営陣もそうでなければならないのに。

      いつもありがとうございます。
      松竹座の感想も是非お聞かせくださいね。
      この度はお返事が遅くなり本当にすみませんでした。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. さち より:

     たーさま

     こんばんは。
    花組の正直感想、ありがとうございます。
    私は、子供の大学受験の願かけ中?で
    ただいま宝塚観劇絶ち(^_^;)しておりまして、花組公演をご覧になった皆さんの感想を羨ましく眺めていました。

     「思っていたより、よかった」的な感想が多くて、もしや??と思っておりましたが…
    花組トップ夫妻の退団公演ですから、華やか過ぎるほどのショー観たかったですよね!!
    今回は、配信も複数回あるのですから、これでもかというほど豪華にしてほしかったです。

     私は、しばらく大劇場はごぶさたしておりますが、友の会で月組公演ゲットできましたので、4月に月トップ夫妻の退団公演観劇予定です。
    子供の受験も🌸咲いてくれれば、最高の観劇になるのですが(^_^;)

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      さちさん、私は本当に思った事をそのまんま記事にしました。その「正直」ぶりに感謝いただけた事が本当に嬉しいです。

      さちさんは願かけ中なんですね。私は同じ理由で2年前の「今夜、ロマンス劇場で」の生観劇を見合わせました。ロマンス・・・は月城さん海乃さんの大劇場お披露目だったのに、今ではお2人の退団公演が目の前に迫っているのだから宝塚ってホンマ時の流れが早いです。

      そう、アルカンシェルには「意外と良かった」的な感想が多いんですよね。なので私もそういった期待を胸に生観劇したんですが、私にとってはガッカリもガッカリでした。
      そう・・・花組トップ夫妻の退団公演で、柚香さんはとにかく美貌とダンスが素晴らしい方なんですから「豪華の極み」にして欲しかった。舞台の上下左右から強いライトが照らされて老眼には眩しすぎるような、そんなショーね。
      退団にあやかってか今回は配信が多いですよね、舞台より配信の方がより地味さが目立つだろうに。予算を削り倒したくせに配信を増やして荒稼ぎしようとする劇団運営陣にげろげろです。

      さちさんは月組公演をゲットしたんですね。是非感想をお聞かせください。私は平日ばかり申し込んでいたにも関わらず友の会で落選となり現時点でチケットがありません。こうゆう時は無駄にあがかず流れに任せようかと。
      さちさんは4月の観劇だそうで、娘さんも大劇場周辺も桜まみれになっているようお祈りしています。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. おかちゃん より:

    たーさんのブログで私のモヤモヤを言語表現はこのことかと思いました。
    プロの薮下さんのブログも言葉を選びながらも辛口。
    チケットを手にしたので見たのは退団の人たちを見るには映像では難しいからで、本当に花向けの餞別もなかったのは娘役が下級生だからなのかな。

    自力で貸し切り公演チケットが買えたので後半の公演をまた見ます。その時には少し演じるみなさんがこなれているから変わっていて欲しいな。

    今後もよろしくお願い致します。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      おかちゃんさんはマメですね、おかちゃんさんのお陰で薮下哲司さんを思い出しました。私はミーマイ以降忘れていたんです。
      アルカンシェルについてですが、私は薮下さんはプロらしく程よく忖度っているように思います。おかちゃんさんが感じた「辛口」は、

      >全体的な印象としてはレビュー劇場のバックスステージ物の割には装置に豪華さが足りず、結局、大階段を使った定番のフィナーレが一番ゴージャスに見えたのが皮肉だった。

      な締めでしょうか?まぁその、プロとしてはこのあたりで精一杯なのだろうという気がします。
      プロゆえ読みやすい文章ですが忖度を感じるので私が自主的に読み続ける事はありませんから、もしおかちゃんさんが読んで気になった記事があれば教えていただけるとすごく嬉しいです。
      薮下さんはイザボーを観ていないようですね、残念。

      はい、トップ夫妻にすらハナムケ感がほとんどないんですから下級生の方にはさらに厳しいものがあるんでしょう。かろうじて帆純さんだけには感じましたが娘役はスルーと言うか。

      私もあと1枚チケットがあるんです、だけどあまり乗り気じゃないんですよね。来月は南座で花形歌舞伎を観ますからこちらが案外楽しみだったりします。正真正銘の高身長イケメンなのに私にとってはどこか物足りない隼人さんが女殺油地獄の与兵衛をどう演じてくれるかハラハラでワクワクというか。
      でね、宝塚を入口に観劇好きになり歌舞伎も観るようになったのですから、やっぱり宝塚も大切なんですよね。だから少々乗り気じゃなくても手持ちチケットは大切に使います。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  4. 昭和っ子 より:

    花組に集中します なんてたー様に言っておきながら

    なんと今週は水曜日に花を見た後
    何故か全て助っ人で
    心斎橋の「Brooklyn P a r o r」へOSKの方のショー(空良さん)グループ
    そして110期の文化祭を見に行きました

    どちらも若さ一杯 若返りました

    雪組ライブ配信は見られなかったが 実は少し見せもらいました(どんな方法かは聞かないでください)
    シューロックホームズの話は作者にとって不本意で金儲けだけの作品だったのですね

    私はシューロックホームズの話は知らないので(宙組の舞台の話だけしか知らない)
    まあ名探偵コナンみたいなものかな?

    きっと楽しい小説だったのでしょうのね

    雪組の「ボイルド」も花組「アルカン」(面倒臭いので略しました)も見る人から見たら楽しく良い作品でしょうね

    舞台ってファーストインプレッションが本当は大切なんですが
    (大抵の人は一回しか見ない)

    ボイルドは生田氏なので装置なんかはこだわってたのかな?

    アルカンは大した劇場の話で無く(日本で言えばある程度大衆向け)だから貧乏劇場
    一つのセットにホテルも楽屋もマルセルの部屋もうまく引っ付けるな!飾りもなくかなりシンプル

    まぁ柚香さんファンがれいちゃんの過去の作品のパロディが盛り込まれてるって話してだから満足見たいな
    小池氏は今回は柚香ファンのためと次回主演コンビのアピールみたいな作品かな?

    本当に大して中身はないように思うが

    主演二人のラブラブで
    ラストはお互いの道で無く、これからも支えて行くみたいなラスト?
    サヨナラ公演には珍しいかな?

    まぁトップの片方のファンの私としては別に不満もないし満足感もなく
    これでよかったかな?感じですが

    なんとなくれいまどの関係の当て書きっぽい雰囲気もあるしね
    (歌劇誌)の絵と文のまどかちゃんの同期が話す内容とリンクする
    ちょっと微笑ましい関係

    また何回か観てラスト近くなったら色々感動するかもしれません

    昔からサヨナラ公演に良作無しって言われるみたいに

    一路さんのさよならは「エリザベート」ですら
    今なら名作と言われたが
    当時一路さんはサヨナラなのに死の役なんて ちょっと不満気味
    さらに羽根が本当な羽根の形で安定が悪いってなんかで話されていました

    でも今は凄い名作なんですよね

    衣装もセットも格安(まどかちゃんのカトリーヌの衣装はかなり良い)
    ドイツに占領されて貧乏なパリだからそんなもんかな?

    宝塚歌劇団
    内部の状況は知りませんが
    柚香さん星風さんは最後まで働き方改革にも関係なく
    東京公演までの合間にミューサロやディナーショー
    ギリギリまで働きます

    そして東京のライブは前楽も配信
    大楽はライブビュー代も値上がりですね
    なんとしても黒字にする劇団の方針
    退団後のディナーショーなどの収入は個人ですものね

    そうそう、文化祭に新しい理事長さんが観劇されていました
    なんか見た目より腰の低い感じの方でした

    容貌があんなんだけど割と良い人かも?

    そうそう文化祭のお芝居は日本物で義経、静は妊っているみたいな話
    鎌倉殿の追手が来るので奥州に逃れる
    佐藤忠信も出てきて歌舞伎の義経千本桜?
    吉野の別れ、ウエクミでは無く谷さんの作品?でした
    お芝居の最後は客席に降りて退場?
    文化祭では珍しい演劇発表でした

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      昭和っ子さん、アルカンシェルだけでなくOSK、そして110期の文化祭も生で観たんですね。羨ましいなぁ。

      そして雪はライブ配信をちょこっとだけ観たんですね。はい、どうもシャーロック・ホームズはドイルにとって不本意だったようです。雪組公演の内容はさておき、実在したドイルについてウィキるきっかけになった事には感謝しています。夫との会話のきっかけにもなりましたし。私もシャーロック・ホームズのシリーズは全く読んでいません。ってか私、極端に読書量が少ないです。

      雪組も花組もそれなりの宝塚ファンにとっては楽しい作品なのかもしれませんね。あら、柚香さんの過去作品のパロディが練り込まれているんですかー、私は気付きませんでした。
      永久輝さん星空さんのアピールはそれなりにしていましたね。なんなら柚香さん星風さんより強調されていたような。

      はい、宝塚では「サヨナラ公演には良作がない」がまかり通っているようですね。それで許されるって事。
      エリザベートは当時としてはある意味「宝塚らしくない」要素がたっぷりと詰まっていて、それゆえ当初は不評だったのかもしれません。

      柚香さん星風さんはギリギリまでお仕事が詰まっているんですね。
      退団後の活動にもサポートをしてくれているのか気がかりです。特に柚香さんは女性に戻ってミュージカルの舞台に立つのはかなり難しいように感じますし。

      はい、宝塚は配信を増やすんですね。ちょっと驚きました。それならなおさら作品は華やかにしなくちゃいけないはずだったのに。宝塚を知らない人が前楽の配信を観て、さらに翌日のラストデイをお代わりするとはとても思えない。そこそこの宝塚ファンですらたまげるような派手派手ショーをやって欲しかったですホンマに。

      新理事長も文化祭を観ていたんですね。前理事長も大人しそうなサラリーマンっぽい雰囲気だったそうですし、どちらも決して「悪い人」ではないんでしょう。
      落ち着いた環境では良い理事長かもしれませんが、常に波乱な宝塚の理事長には不向きじゃないですかね?

      文化祭が和物なのはかなりレアらしいですね、他の読者さんが教えてくれた薮下哲司さんのブログで知りました。
      はい、源平モノらしいですね。私が大阪松竹座で観た源平布引滝に出てきた源義賢は頼朝・義経兄弟の叔父らしいです。といってもみんな血の濃いつながりじゃないんですよね、頼朝と義経って異母兄弟だし、ふたりの父親の義朝にしたって、義賢とは異母兄弟なんですから。
      佐藤忠信は義経の重臣なんですね。義経千本桜では全五段のうち四段目の「河連法眼館の場(かわつらほうごえんやかたの場)」で登場するようです。義経千本桜は三段目の「すし屋」しか私は知らないので四段目も観てみたいと思いました。
      吉野の別れでウエクミといえば「桜嵐記」しか私はわからず、時代が違いますよね。谷正純さんはよくわからないのですがあら、風間さんの「LOVE AND ALL THAT JAZZ」の脚本家ですか~、って事は重ためですかね?風間さんが何度も瀕死の状態にありながらも最後まで死なないのがちょっと変だったかなぁ。宝塚的にはバウ主役を安易に死なせるわけにはいかないのでしょうが。

      文化祭なのに客席降りがあったんですね。いいなぁ、私も観たかった。
      チケットが入手出来ないとどうしても気持ちが引いちゃいますね。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  5. こんちゃん より:

    関西の、たー様

    いつもたのしみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    土曜日は遠征して花組『アルカンシェル』を観劇、日曜日は配信でミュージカル版『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』を視聴と、小池修一郎ワールドに浸っておりました。

    『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』は、第1幕~第2幕前半の展開が、訳ありげな人物が次々出てくるわりには物語の方向性がなかなか見えず、冗長に感じました。

    モーリス・ルブランの原作のうち、基本の七本枝の燭台 やクラリスやボーマニャンネタは『カリオストロ伯爵夫人』から、少年探偵や何しに来たのかわからないへっぽこホームズネタは『奇巌城』から、

    カリオストロ伯爵夫人の男装ネタは、ホームズで潤花が演じていたアイリーン・アドラーの原作での特技からと、それぞれけっこうなボリュームがある原作からいろいろネタを引っ張ってきているようですが、交通整理がうまくいかずにもたついていた印象です。

    原作では、クラリスは赤ちゃんを産んだのち早世し、ルパンはカリオストロ伯爵夫人と因縁の再開を果たすので、ひょっとしたら続編があるかもしれません(カーテンコールで古川さんがちょっと匂わせ発言をしていました)

    カリオストロ伯爵夫人の真風涼帆は、声はだいぶ低いですが、ドレスを着た時の仕草が優雅で、若い男の子にオトナの世界を教えてあげる大人の女性の色香があり、「ルパン一世」に対する「初代・峰不二子」感があってよかったです。

    本格ミュージカル路線は厳しいでしょうが、アガサクリスティーものとかで犯人役の曲者マダム系など需要があるのでは?と思いました(贔屓目かもしれない自覚はあります)。

    『アルカンシェル』は…幸運にも10列目が取れてうきうきして着席したのですが、両サイドにあるなちすのかぎじゅうじが嫌でもずっと目に入る席でした。配信ではほとんど映らないのでしょうが、2時間あのシンボルを見ていると、どうにも気分が下がって…

    ネバセイの主役のモデルであろうロバート・キャパが、パリ解放の日を記録した写真があるのですが、その中でドイツの軍人と関係を持っていた女性が、髪を丸刈りにされて、赤ちゃんと共に公衆の前でさらし者になっているシーンを見たことがあります。

    永久輝さんと星空さんが演じる恋人たちを見ながら、キャパの写真に写っていた女性の顔や彼女をあざ笑う野次馬たちの顔を思い出して、また気分が下がるという…

    小池先生が、聖乃さんに背景をきっちり説明させていることや、なちすのかぎじゅうじを隠さずに舞台に出してきたことは、歴史に対する誠実さだとは思います。

    いっそ、聖乃さんが、永久輝さんと星風さんとの間に生まれた子の子孫だということにしてくれたほうが、まだ救いがあったかもしれないと思いました。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      こんちゃんさん、こちらこそいつもありがとうございます。
      ふふ、こんちゃんさんにとってアルカンシェルはワイルドホーン抜きのネバセイだったんですね。イケコにはいろんなツテがあり、だからこそルパンにドーヴ・アチアを使う事が出来たはずなのに、アルカンシェルではどこまでもケチってしまいました。脚本を仕上げるのがあまりに遅すぎてお願いする時間がなかったのか、予算の都合か、どっちもなのか。

      イケコルパンのベースについて教えてくださりありがとうございます。こんちゃんさんはホンマ、たくさんの本を読んでいるんですね。ちなみに奇巌城でもへっぽこホームズは薬物中毒者なんですかね???
      ふたつの原作をひとつの芝居にしたのは川霧の橋もそうでした、ってこれ、こんちゃんさんの記事で初めて知ったんです。なんかつながりが悪い芝居だと思ったんですが理由はそこにあるような気がしました。複数の話をひとつにして芝居にする事が悪いわけじゃないけど、とっちらかったまま回収しきっていないのは私は嫌だなぁ。

      んまっ!あのルパンに続編があるかもしれないんですか?私は古川さん達キャストには何ら恨みはないけれど続編を観る気にはなれません。基本的に続編って最初のより劣るものなのにその最初の作品が私にとってはイマイチすぎたので。

      真風さんの様子を教えてくださりありがとうございました。男役としてもとにかく所作が美しい方でしたね。はい、もともと歌の方ではないですし本格ミュージカルは無理でしょう、それに一連の報道があったのですからすでに決まっていたルパンやコンサートはさておき、今後大きな舞台に立つのは難しいんじゃないですかね?
      それでも、年会費20万とも噂される高級会員が100人いれば2000万円の収益があり、他ランクの会員と合算して年間4000万ほど会費を集める事が出来ればファンクラブ運営の維持費を差っ引いてもそれなりの生活をおくる事が出来るでしょう。

      アルカンシェルでは10列目だったんですか~、そりゃあウキウキですよね。しかしそれゆえかぎじゅうじの旗がババンと視野に広がったわけですね。
      はい、とてもテンションが下がる旗です。舞台中央にまでババンなシーンも多いでしょうから配信でもある程度流れるはずで、こんな作品の配信を増やすなんて宝塚もアホです。柚香さんの退団にあやかり配信を増やしてウハウハしたいなら、もっと華やかな作品とショーの2本立てにすべきだったと私は心底思っています。

      こんちゃんさんのおっしゃるキャパの写真、ネットで探してみると出てきました。そして見た瞬間、「マレーナ」という映画を思い出しました。せんそうで夫を失った(実際は死んでいなかったのに誤報があった)美女がその後も不運続きで生きるためにドイツ軍人を含む多くの男性と関係して、終戦後に壮絶なりんちに合うんです。ただし舞台はイタリアだし、加害者は居住地周辺の一般女性たちでした。ようは終戦後のヨーロッパのあちこちで不幸な女性がさらに不幸になっていたのでしょう。いえ、ヨーロッパだけではないんですよね。朝ドラ「ブギウギ」ではぱんぱんがーるずと呼ばれる女性たちが差別の対象になっていました。

      強いストレスがかかった群衆ははけ口を求め、りんちも厭わない・・・今まさに、宙組で起こっている事です。トップスターや組長は物理的に髪を刈り上げられたり殴られたりしたわけではないけれど、ネット上でりんちの対象になっているんです。

      イケコは歴史に対して誠実ですか?私はそう思いません。
      本当に残酷な事までは取り上げないんですから中途半端なんですよ。宝塚がやるなちすものはみんなそうだけど、花組トップ夫妻の退団公演としてはあまりにもお粗末だと私は思っています。
      タカホ支配人のディナーショーが中止になったのもイケコの都合のはずです。歴史に対してだけでなく宝塚ファンに対しても誠実じゃない。
      肩書がある人たちってそれを守る事が何よりも大切なんですね。先ほどタカホ支配人のnoteを確認したら相変わらずDS中止の説明をしておらずシレッとRRRの記事をアップしていました。

      こんちゃんさんは聖乃さんの設定を変えてくれたら「まだ救いがあったかも」と思ったんですね。私はしょっぱなに子孫を使う時点でアウトです。それでもあと1枚チケットがあるので観に行きますし、夫が大千秋楽の配信に興味を持っているので観るつもりです。雪組の配信を夫婦で観た際は夫の意外な発言に驚きましたから、花組でも夫の視点が良い刺激になるかもしれません。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

      • こんちゃん より:

        関西の、たー様

        いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

        『奇巌城』は長らく読み返していないのですが、ホームズの原作では彼はコカイン依存症です。事件が無いと鬱になり、「退屈だぁ」とコカインの7%溶液を注射してハイになっているやばいキャラです。医師であるワトスン博士はホームズのコカイン依存をやめさせたがっている描写がありますが、現代においても依存症の特効薬は無いですからね…

        当時のイギリスではコカイン使用は逮捕されるようなことでは無かったようですが、アルコール依存症とかニコチン依存症くらいには「体に悪いこと」という認識はあったそうです。

        • 関西の、たー 関西の、たー より:

          こんちゃんさん、「奇巌城」の原作でもホームズは薬物依存症なんですね。教えてくださりありがとうございます。退屈しのぎに注射してハイになっているんですかぁ、現在のコンプライアンスではテレビドラマやハリウッド映画で採用する事は出来ませんね。
          私が観たルパンでは柚希さんだったんですが、ホームズに薬物を注射するシーンがあったんです。おそらく真風さんでも同じかと。長期トップも退団した途端こんな演技をしなくちゃいけないんだなぁと思いました。ホームズの腕には黒い斑点がいくつもあったし・・・最後列&超サイドなカスカス席でしたが双眼鏡があればバッチリわかりました。

          奇巌城は1909年の発表だそうで、実は大昔ってわけでもないんですね。ええっと、作者のモーリス・ルブランもルパンもフランス人だけど、奇巌城ではルパンの対決相手がイギリス人のシャーロック・ホームズだったんですね。今回のコメントを読みようやくウィキってみました。あら、登場人物に高校生探偵イジドール、そしてガニマール警部までいる!なるほど、原作を知っている方にイケコルパンはムフフなんでしょう、ただ奇巌城ではもうちょっとホームズに見せ場があるような気がするんだけどなぁ。

          1909年ごろのイギリスは薬の入手が容易だったようですね。「ベアタ・ベアトリクス」で極美慎さん演じたロセッティ(1828-1882)と小桜ほのかさんが演じた妻リジー(1829-1862)もイギリス人で、2人してあへん系の薬物依存になっていたそうです。
          それにしてもイギリスって影響力の強い国だったんですね、「アナスタシア」をきっかけにロマノフ王朝をちょいと調べたんですが何とイギリスのビクトリア女王と血縁で、血友病にしたってビクトリア女王が保因者だったゆえにロマノフ王朝に受け継がれた事を知った時は超驚きました。

          いつもありがとうございます。
          観劇をきっかけに文学や歴史、有名人の人生に触れる事はとても楽しいです。
          今後も文学に詳しいこんちゃんさんからいろいろ教えていただけると幸いです。
          どうぞ宜しくお願いいたします。

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