OGが5人出演「ロジャース/ハート」感想

ジェンヌさん

東京ってホンマに便利ですよねぇ、

JR有楽町駅の国際フォーラム口から国際フォーラムがどれほどに近いかは「ファントム」の観劇で知っていたのですが(感想はこちら)、よみうりホールもめっちゃ近いんです。改札を出る前に案内が目に入りました。

ホンマ、有楽町駅のすぐそば。
だけど国際フォーラムほど「おお~」って感じではなく、わりと古さが目立つビックカメラの7階にありました。

エレベーターホールも劇場も狭かった。読者さんからコメントで「改札内にトイレがない」と教えてもらっていたので覚悟はしていましたが、改札を出たって階段を登るか降りるかしないとトイレがないのは本当に不便です。車いすの方が劇場スタッフさんに車いす対応のトイレの場所を質問していたのですが「劇場周辺にはありません」との事で、車いすの方は残念そうなご様子でしたし私もすごくガッカリしました。

劇場は席の配置が個性的でまずまずの雰囲気だったものの、トイレの事といい撮影禁止といい座席での飲食禁止といい、お気に入りにはならなかったです。

観劇したのは「ロジャース/ハート」。
出演する女性5人がすべてジェンヌOGさんだという事が魅力的すぎて作品については調べず観る決意をしました。OGもいろいろですが、
壮一帆(82期)
凰稀かなめ(86期)
音波みのり(91期)
音くり寿(100期)
吉田莉々加(礼哉りおん)(104期)
(以上敬称略)
と、2人はトップスターOGで2人は人気があった娘役OGとゴージャスですし、残りひとりにしたってプロポーションが超ゴージャスな男役OGでした(後述します)。

演出担当は玉野和紀さんという方でアンサンブルとして出演もしています。平素から実力派ジェンヌOGさんを自身の作品に呼び寄せている方で、私は以前「CLUB SEVEN(クラブセブン)」で楽しませてもらいました(感想はこちら)。なので玉野さんが選んだOGさんはもちろん作品にせよ男性キャストにせよハズレるはずがないと安心して劇場に向かう事が出来たんです。

あら、またも前置きが長くなりましたね。感想に入りま~す。
開演早々に感じたのは主役の男の子ふたりへの「あれ?」でした。ポスターはちょっと盛っているかなぁ、顔が違うと思ってしまいました。

身長にしても実際は「ノッポくんと小柄くん」なほどに異なっていたんですよ。
ノッポくんが演じるのは作曲家のリチャード・ロジャース、小柄くんが演じるのは作詞家のロレンツ・ハートで、どちらも実在の人物です。ウィキったところハートは背が低い事に強いコンプレックスがあったようですからキャスティングに反映されているのかな。ただ実際のハートは同性愛者だったのにお芝居の小柄くんは凰稀かなめさんに恋をしてフラれていました。あたかも失恋したゆえ小柄くんは短命だったかのような雰囲気でお芝居は終わりましたが実際のハートはもっと苦しかったかも。もともと不安定だった情緒がどんどん深刻になり、相方だったロジャースから愛想をつかされたり母親が亡くなったりとショックな出来事が続いた後に48歳で病死したそうですから。

最後のみやや暗めだったもののお芝居は総じて明るかったです。
ええっとねぇ、「お芝居」としては中身カラッポ・・・は言い過ぎかもしれませんが中身スカスカ、くらいは言っても良いでしょう。「お芝居仕立てのショー」だと思えば良いかと。
ノッポくんと小柄くんが出会って仲良くミュージカル曲を作りまくって、いろんな俳優さんと出会う中でノッポくんは壮さん、小柄くんは凰稀さんに恋をするんですね。だけど何故ノッポくんが壮さんを、小柄くんが凰稀さんを好きになるのかあまりに説明不足です。壮さんはノッポくんのプロポーズを受け入れるのに凰稀さんは小柄くんを拒否る理由も謎だしね。

しかし先にも述べた通り「お芝居仕立てのショー」だと思えば楽しい作品です。せんそうだの催眠術だのといった作品は絶対に避けたい精神状態だった私にとって幸いでした。
客席は私が座っていた2階席はガラガラでしたが1階席はそこそこ埋まっており、観客それぞれ御贔屓さんがいて歌やダンスを楽しんでいたんじゃないかと。ストーリーを追う必要がない(って言うか追えるほどのストーリーになっていない)ので、御贔屓さんに集中するにはうってつけです。
私としてもOGさんをまとめて5人も拝めて有難かった。本当に本当に、ジェンヌさんに会いたい気分でしたので。

感謝しつつ忖度なしで感想を述べますと、凰稀さんの歌唱は「ギリッギリ普通」かなぁ、あと1~2センチでヘタクソ入りしそうでした。一方でビジュアルは「凄まじく美しい」で、ブスとの距離は100メートル以上あったかと。たくさんのお着替えの中でも最初のベージュのドレスが一番お似合いでしたね、ゴージャスなヘッドドレスとの組み合わせが抜群でしたし。
トップスターOGだけに身長が十分にあり舞台映えしていました。「1789」のマリーアントワネットは(宝塚版の)有沙瞳さんより(東宝版の)凰稀さんの方が華やか、というコメントが読者さんから届くのも納得です。でもでもしかし、マリーアントワネットは歌唱もそれなりにありますから私は有沙さんを推したいなぁ。

壮さんは映像で観た現役時代の「カナリア」よりだーいぶ、随分と歌唱力アップしているように思いました。若干不安定だったので「歌ウマ」とまでは言いませんが。しかし壮さんはお笑いのセンスがありますね、トップスターOG仲間な凰稀さんがひたすらキレイどころを演じているのに対し壮さんはギャグに励んでいました。出身地で決めつけてはいけないのでしょうが、凰稀さんが首都圏出身で壮さんが関西出身である事にやたら納得してしまいます。

この度のOG5人組で歌唱力ナンバーワンは間違いなく音さんでしょう。現役時代のまんまの歌声といい安定感といい素晴らしかったです。しかしアンサンブル3人組のひとりゆえプリンシパルの凰稀さん壮さんほどには歌唱がありませんでした。

吉田さんはジェンヌ時代は「礼哉りおん」というお名前で活躍していました、と言ってもブービーでの入団な上に4年で退団していますから「活躍」とは言い難いかな。水着グラビアに挑戦したり大物お笑いタレントの長寿番組に出演しおよそ聡明とは言い難い発言をしたりと、退団後の方がよっぽど活躍しています。こういった吉田さんのOG活動に眉をひそめる宝塚ファンはいたでしょうし、私も嬉しくはありませんでしたが・・・宝塚から去るのではなくこの世から去るという選択をした現役ジェンヌさんの事があってからは吉田さんの姿に「生きて頑張ってくれたらそれで良い」と思うようになりました。
だけど!
グラビアでの勝負は厳しいんじゃないですかね?だって、グラビアってのは男性の性欲を刺激してなんぼの世界なのに吉田さんにはその要素がほぼありませんから。
ちぶさはそこそこあるようですが、もう超スペッシャルに高身長で首も腕も脚も長いんですよ。公称身長は173センチと主役のノッポくんのそれより4センチも低いけれど吉田さんの方が高く見えました。これでは背が低かったり脚が短かったりする男性達の性欲ではなくコンプレックスを刺激してしまうでしょう。男役だった名残がまだあるお顔立ちがまた、色気とはかけ離れていますしね。
ターゲットを男性にするのではなく女性にする方が良いと私はホンマに思います。あのプロポーションなら欧米のハイブランドだって余裕で着こなせるでしょうし。

で、男性ウケは音波さんがナンバーワンじゃないかと。
この度のOGさん5人を並べて、宝塚を知らない男性達に「ビジュアルだけで好きな人を選んでくださーい」と投票をお願いしたら音波さんがダントツ1位になると私は思います。音波さんこそ多くの日本人男性が恋人にしたい顔、奥さんにしたい顔かと。背も低すぎず高すぎずちょうど良いし。これでちぶさぱいんぱいんならパーフェクトですよ。ただ91期って事はすでに年齢が30代後半なので大きなネックですね、男性は基本的に若い女性が好きなので。

というわけで、
ジェンヌOGさん達を拝めてとっても楽しかったです。A席が7,500円ではなく4,500円ならおかわりしたかったな。それでも東京公演はA席があるだけマシで、大阪公演は何故か全席一律11,500円ですから高すぎますね。大阪会場の松下IMPホールに行った事はありませんが京橋駅からちょっと離れているようですし、そこそこ立派な劇場かもしれませんが不便でチケットが高いんじゃ観劇ファンとして辛いところです。

やはり観劇するなら東京がパラダイス。よみうりホールにしたって有楽町駅の真ん前だし、そこからちょっと歩けば

日比谷ですからねぇ。
次は12月に日比谷を訪ねる予定です、東京宝塚劇場の宙組公演に当選しましたので。
シアタークリエや日生劇場にもいつか行きたいし、夫が今後5年10年と埼玉で単身赴任してくれると嬉しいんですが世の中うまくいきません。私が東京での観劇を楽しんでいる一方で夫は単身赴任が辛いらしく、「出来る限り早く関西の自宅に戻りたい」と勤め先に伝えているそうです・・・

コメント

  1. やすみ より:

    たーさま
    こんにちは。
    ロジャース/ハートの感想をありがとうございます。
    よみうりホールはイベントや試写会で利用が多いホールです。
    以前、岡本圭人さん主演の盗まれた雷撃 パーシー・ジャクソン ミュージカルをよみうりホールで観ました。
    壮さんもご出演だったのですが、舞台セットなどチープな感じで微妙でした。
    今後はわかりませんが、J事務所の出演される舞台は宝塚OGの出演が多い気がします。
    安全パイ的な扱いでしょうか。
    深堀したくなるところです。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      やすみさん、こんばんは
      よみうりホールはイベントや試写会で使われる事が多いんですね。立地がむちゃくちゃ良いし、デカすぎないのが良いんでしょうね。

      私は岡本さんを知りませんでした。闇深い、と呼ばれるJKTのうち歌舞伎と宝塚にはそこそこハマった私ですがJだけは今もとことん興味がありません。
      なのでロジャースを演じた方もハートを演じた方もJだと知った時は軽く驚きました。おふたりともお上手でしたよ、私はJの子はみんな口パクだと思っていましたが実力派の方もいるんですね。

      やすみさんが観た「盗まれた雷撃 パーシー・ジャクソン ミュージカル」、けっこう良さげなあらすじだしキャストも豪華じゃないですかー、しかも演出がオギーだし!舞台セットがチープだったのは中止リスクを踏まえてかもしれませんね、去年の9月ならまだ十分にその可能性はありましたし。

      確かにJの子と宝塚OGの共演って多そう。はい、客寄せとして手堅いんでしょうね、実力にしたって個人差はあれ大ハズレはいないですし。
      深掘りはそこそこにするのが良さそうですね、エンターテインメントの世界はすべて深掘りすると毒が吹き上げてきて、深掘りした人を苦しめそうですから。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. かなえ より:

    たー様楽しいレビューをありがとうございます!!
    読みながら、ププッっとなりました。
    男性陣も豪華でしたね。
    のっぽの方は以前「マイ・フェア・レディ」でフレディをやっておられるのを見ました。
    玉野さんはダンス等、実力者なんですね。
    出演級があの事務所でも、大人気グルーブのメンバーでないと席は埋まらないんだなと思いながら見てました。
    「シェルブールの雨傘」はチケットとれませんでした。
    演奏がピアノとパーカッションだけでもとても多彩で、素敵だなと思いました。
    2幕目の撮影の場面が少し違ったかな?でした。
    お話が深刻でなくてよかったと思いました。

    この先「カム フロム アウエイ」と「テラヤマ キャバレー」が少し気になります。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      かなえさん、先に「ロジャース/ハート」を観た方から私の感想記事を褒めてもらえてとても嬉しいです。
      ノッポくんはマイ・フェア・レディにも出ていたんですか~、本来ならフレディを演じたのは自慢の経歴になるはずなのに悲しい事が起こってしまいました。あら!今調べてみたら小柄くんもフレディを演じたようですよ、しかもあの方とのWキャストで。

      玉野さんはタップダンスの名手だそうで、ロジャース/ハートでもけっこう披露してくれましたが私にはタップダンスの良さがわかりません。音が鳴るしくみがわからないんですよ、足の動きと合っていないような気がするし。
      やはりかなえさんも主役の男の子ふたりの所属が気になります?私も知った時は驚いたけれど、今回はジェンヌOGさん5人にフォーカスした記事を書く事にしたのでノッポくん小柄くんについては細かく書きませんでした。

      「シェルブールの雨傘」のチケットが取れなかったんですね。残念でしたね。
      私は読者さんから同タイトルの映画の存在を教えていただき、とにっかくヒロインの若さと美貌が重要だと思ったんですね。映画だと歌は吹替ですが舞台は本人が歌うんでしょうから歌唱力も抜群じゃないと困りますし。ゆえに主役が朝月さんというだけで無理でした。ジェンヌOGなら真彩さんが最適かと思いますが新婚生活エンジョイモードなのかもしれませんね。

      演奏がピアノとパーカッションのみ、、、というのはロジャース/ハートですよね。はい、シンプルでしたが良かったです、ただ私は1曲も覚えられませんでした。宝塚のショーだと初めて聴いてもワンフレーズくらいは口ずさめるようになる事が多いですがこれも密かに工夫されているんでしょうね。
      ロジャース/ハートの曲は覚えられなかったけれど、開演そうそうノッポくんがピアノを弾いてくれたのはよく覚えています。1分くらいの演奏の後に専門の方へバトンタッチしていたかな?歌もうまかったし良い子でした。ハマりはしなかったけれど。

      はい!そうなんです!お話が深刻でなくて良かった。
      本当にありがたかったです。

      「カム フロム アウェイ」や「テラヤマ キャバレー」も調べてみますね。教えてくださりありがとうございます。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. GIN より:

    こんばんは。

    たーさんは色々な舞台をご覧になりますね。自分では観る事がない作品のレポを読むのが楽しみです。
    よみうりホールは行った事がないですが建物自体が古いから不便な面も多いでしょうね。
    日生劇場も古い建物ですが内装がとても素敵ですよ。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      GINさん、はい、我ながら節操がないなぁと思います。宝塚ファンには一途な人が多そうですが私は常に浮気のチャンスを狙っていますねw 本気になりかけた四季にはあっさり冷めたのに歌舞伎とはズルズル続いているのが自分でも面白いです。寺島しのぶさん公演と尾上親子公演も観ますよ~

      よみうりホールははい、ビックカメラの建物が古いですね。こんな一等地にもったいない。ま、そのうち建て替えじゃないですか?
      いろんな人にやさしい建物になって欲しいです。車椅子の方がトイレに行けない建物なんて早くなくなって欲しい。

      日生劇場も古いんですね。外観は重厚な感じですね。
      ここへは育三郎さんのトッツィーで行きたかったのですが、夫が単身赴任の早期終了を会社に願い出ているので年明け以降のチケットは取れなくなってしまいました。
      楽しい東京観劇ライフも残りわずかとなりそう。とはいえ短くても東京で観劇しやすい環境になったのは本当にラッキーでした。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  4. 真子 より:

    たー様、こんばんは。
    レビュー楽しく読ませていただきました。劇場(建物)についても詳しく書かれているので、行ったことのない劇場はこんな感じなのかー、と雰囲気を感じております。
    音くり寿さんは、「ねじまき鳥クロニクル」を観劇しに行きますので、お歌が楽しみです。「ファントム」の真彩さんもなのですが、恥ずかしながら宝塚OGということを知らず、たー様のブログ記事を読んで知った次第です。
    知らないながら、そういえば和央ようかさんのスタイルの良さに圧倒されたことがあったこともふと思いました。
    もっといろいろな舞台を観てみたい気持ちはあるのですが、やはりチケット代がネックですね。仕方ないことではありますが。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      真子さん、こんにちは
      はい、私は観劇だけでなく劇場への興味も強く、感じた事をそのまま記事にしています。東京の複数の劇場を訪ねましたが歌舞伎座と国立劇場と帝国劇場が3強です。3強のうち2つの閉場が決まっておりとても残念。よみうりホールは立地こそ最高ですがバリアフリーならぬバリアフルなのがイマイチでした。

      真子さんは音さんが出演する「ねじまき鳥クロニクル」を観るんですね。私はこれ、「鳥」を「島」と勘違いしていました。村上春樹の作品をまともに読んだ事がないにも関わらず拒絶反応が出てしまっています。
      音さんがたっぷり歌ってくれると良いですね。私は音さんの歌がホンマに好きです。コンサートなら行きたいんですがディナーショーなので予算的に断念しています。和央さんも年末にDSしますね、和央さんだけでなくゲストもゴージャスだし興味あるんですが価格もゴージャスです。
      真彩さんはもしDSしたらさぞ稼げるでしょうがやらないのかな。ま、今は新婚さんですからね。宝塚OGは男役だといかにもそれっぽい雰囲気の方が少なくないですが娘役だとわかりにくいですよね。

      東京の月組公演はもう観ました?良ければ感想をお聞かせください。
      私は友の会で東京の宙組公演に当選しました。どうなるかわかりませんが上演するのなら観ます。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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