寺島しのぶと尾上親子の仲を勘ぐる

歌舞伎・芸舞妓

10月15日 追記
この記事はつまらない、げすな勘ぐりだったと反省しています。
国立劇場の尾上親子公演(といっても菊五郎さんは休演)にも、寺島さんが出演している歌舞伎座公演にも行ってきました。

ーー以下、くだらないまま当時の記事を残していますーー

毎月最後の日曜日に放送されるNHK「古典芸能への招待」。歌舞伎、能、文楽とさまざまな古典芸能を大盤振る舞いしてくれるんですが私はやっぱ歌舞伎が一番ありがたいですね。
今月は昨日の放送でして、歌舞伎な上にかねてより興味のあった

夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)でした。
今年6月に博多座で上演したばかりなのに9月に放送してくれるんですよぉ、さすがNHK!

この番組はいつもホンマに太っ腹。本編だけでなく専門家の解説もありますし、

https://www.nhk.jp/p/kotenshoutai/ts/VV8Y68GWZ5/episode/te/2QN4ZPNKN5/ よりお借りしました

今回は船乗り込みの様子もちょっとだけ放送してくれました。どうも博多川という川らしいです。大阪だと道頓堀川で同じイベントをしていますね。

左が主役の片岡愛之助さん、隣にいるのが2番手の尾上菊之助さんです。
ガチ歌舞伎での愛之助さんってわっるい役ばっかり。この度のお芝居でも義父を殺していました。ま、この義父は根性悪なジジイだったのでまだマシです。今年3月に同番組が放送してくれた「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」での愛之助さんはもっとずっとひどい、両親の愛や親切にしてくれる人の気持ちを踏みにじる極悪殺人犯でした。
こんな役ばかりしている歌舞伎俳優にオネエ言葉の官僚を演じさせたんですから、あのテレビドラマの制作班は抜群のセンスですよ。受け入れた愛之助さんも相当な覚悟だった事でしょう、ガチ歌舞伎での自分のファンが逃げてしまう可能性だってあったでしょうし。

一方で・・・大して観劇歴があるわけでもない私ですがどうも菊之介さんって「汚れ役はやらない」スタンスっぽい。歌舞伎以外だとリメイク版の「犬神家の一族(2006年)」に出演していてアマプラで観たものの、やっぱカタブツな美味しいキャラなんですよね。初演ではあおい輝彦さんが演じていた役だからイケメン枠だし。
初めて生で拝んだ「俊寛」(感想はこちら)の菊之介さんは超カタブツキャラだったし、この度の放送ではちょいワルだけど根は良い人キャラ。
なんというかその、飽きてきたかも?どうも私は「善人キャラ」に飽きやすいらしく、宝塚でもそんな役ばかり演じているトップスターに食傷気味だったりします。

で、飽きたかもと思いつつ菊之助さんについて調べてみたんですよ。
そしたらドびっくりな発見をしてしまったんです。

https://www.ntj.jac.go.jp/sp/schedule/kokuritsu_l/2023/51010.html よりお借りしました

なんと菊之助さんは来月、父親の菊五郎さんと一緒に国立劇場のさよなら特別公演に出演するんですね。奇遇にも演目は私にとって今月マイブームとなった「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」だったりします。これまたNHKが文楽バージョンを放送してくれました(感想はこちら)。

別に、尾上親子が国立劇場で共演するのはおかしくないんですが・・・
来月の歌舞伎座公演「錦秋十月大歌舞伎」って、

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/841 よりお借りしました

菊之助さんの姉であり菊五郎さんの娘である、寺島しのぶさんが昼の部に出るんですよ。
成人女性が歌舞伎座に立つのは前代未聞だそうで、尾上家にとってすんごく特別なイベントのはず。父親・弟として寺島さんを応援したっておかしくないと思いません?共演するとか、寺島さんが出演する昼の部には出演しなくても夜の部には出演して歌舞伎座を盛り上げるとか、あるいは裏方に徹して寺島さんの名前でチケットを売りさばくとか。
なのに・・・尾上親子は寺島さんと日程も時間もまるかぶりな別の劇場の公演に出るんですねぇ。歌舞伎の世界に一般家庭の感覚が通じるはずないんでしょうが、にしても驚きました。

ほんまにほんま、私が勝手に思っているだけなんですけどね、尾上親子は寺島さんを応援しているどころか横槍を入れているような気すらしたんです。
だってね、
国立劇場では9月に妹背山婦女庭訓の第一部、10月に第二部を上演するんですが、

https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2023/532.html よりお借りしました

9月の第一部のキャストはだいぶ地味なんですよ。
中村時蔵さんがトップ娘の母で、時蔵さんの長男の梅枝さんがトップ娘、次男の萬太郎さんがトップスターを演じます。私は、地味めなキャスティングのように感じました。

https://www.ntj.jac.go.jp/sp/schedule/kokuritsu_l/2023/51010.html よりお借りしました

それが10月の第二部では、尾上親子が加わるだけでもすごいのに中村芝翫さんまでキャスティングされていますからね~、中村米吉さんも若手の美しい女形で名が通っていますし。野球に例えるなら第一部はオリックスだけでやっているのに第二部ではタイガースの選手が加わった感じちゃいます?
配役はもちろん菊五郎さんがトップスター。
そして菊之介さんがトップ娘で、

たまたまですが私が国立文楽劇場で文楽人形を拝んだばかりの「お三輪」でした(記事はこちら)。

こうも気合の入った国立劇場の10月公演と比べると、寺島さん出演作のキャスティングは

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/841 よりお借りしました

こんな感じで、中村獅童さんこそパッと目が行くけれどあとはにざ様の息子さんの孝太郎さんしか私にはわからないです。
あくまで私の感覚ですが昼の部より夜の部の方が人気俳優が多いような?獅童さんは夜の部にも出るし、芝翫さんの次男・三男な福之助さん歌之助さんは夜の部しか出ませんし。

寺島さんが出演する「文七元結物語(ぶんしちもっといものがたり)」がまた、私の勘ぐりを増長させる演目だったりします。
歌舞伎美人(歌舞伎公式サイト)の
山田洋次、獅童、寺島しのぶが語る歌舞伎座『文七元結物語』
を読むと、初演で主役の長兵衛を演じたのは5代目の菊五郎さんで、寺島さんの父親である7代目の菊五郎さんも何度も演じてきたそうなんですよ。それを寺島さんは何度も観ているそうなんですよ。
こんなのを読むとホンマ、菊五郎さんだけでも今回長兵衛を演じる獅童さんへの指導に専念したって良かったんちゃう?と思ってしまいます。寺島さんは長兵衛の妻、お兼を演じるそうです。

ダラダラ書きましたが私の勘ぐりをまとめると、
・寺島さんは歌舞伎座に出演する事を熱望し、果たした。
・しかし菊五郎さん菊之介さんは反対しており、わざわざ日程も時間も丸かぶりな別会場で、寺島さんの出演作より格が高い作品に親子で出演する事にした。
・寺島さんの歌舞伎座出演を反対する声は他にも多く、出演を引き受ける俳優は多くはなかった。
・それでも獅童さんは

しのぶさんとは年齢が一緒で、20代の頃から舞台の後、二人でよくお酒を飲みに行き、そのときから、歌舞伎座で一緒にお芝居ができたらという思いがありました。

https://www.kabuki-bito.jp/news/8492

旧知の仲ゆえ損得勘定ぬきに主演を引き受けた。
になります。
ホンマただただ、勝手な勘ぐりですからね。「格」については「先にやった作品が上」と判断しています(妹背山婦女庭訓の初演は1771年、文七元結物語の歌舞伎での初演は1902年)。

私としてはもう、どちらの作品も観たくてたまりません。
ただ10月は博多座への遠征が決まっている上に、まだ夫の単身赴任先の埼玉に行く日程が決まっていないのでなんとも・・・
本当なら寺島さん公演はすぐにもチケットを購入しなくちゃいけないんですけどね。基本的に歌舞伎座公演は当日でもチケット入手しやすいんですが寺島さん出演公演はやったら売れており、安価な3階席がほとんど残っていません。

一方で尾上親子の出演作のチケットはそうでもないんですよね。国立劇場のチケットの購入には登録が必要で面倒くさいけれど、

「しのぶvs.父弟」への興味が強いゆえ登録しまして、チケットの売れ具合を確認したところ

マジ?
もしかしたら私、今月中に国立劇場観劇デビュー出来るかもしれません。

コメント

  1. かなえ より:

    宝塚歌劇団のジャンルのブログランキングに
    歌舞伎の「俳優祭」レポートがあったとお伝えします。(40位前後の方です。)
    模擬店とか、運営が慣れていなくてグダグダとかも含めておもしろそうと思いました。
    定期的な開催ではないみたいですが、たー様が滞在中で機会があれば参加も楽しいかもと思いながら読んでいました。

    最初「俳優祭」と正式名称を覚えておらず
    「歌舞伎 文化祭」とネットで検索ワードをかけたら、某高校生の文化祭で歌舞伎を演目に取り組むというレポートがありました。
    パッと写真を見た印象ですが、若いと化粧映えするかもと思いました。
    地方で偏差値の高い高校生が伝統文化に触れるんですから、有意義な体験ですよね。

    歌舞伎はあまり興味がなくて、たー様のレポートを拝見していますが、たー様の目線で書いてくださるので、楽しく拝見しています。

    今度新国立バレエ団の「ドン・キホーテ」を見に行きます。
    バレエの全幕で生観劇は久しぶりなので、楽しみです。
    私のバレエ鑑賞の最大の目的は男性の美しい跳躍場面なのです。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      かなえさん、「MadameSoleilの備忘録」にお邪魔してみました。管理人のマダムソレイユさんは根っからの歌舞伎ファンなんですね。にわかな私はただただ尊敬しまくっています。
      俳優祭おもしろそうですね、俳優の方々を近くで拝めるのは本当に貴重かと。
      歌舞伎ってご挨拶などのトークはもちろんカテコやフィナーレといったものもないんですよねぇ、ミュージカル慣れしていると寂しいです。

      あら、文化祭で歌舞伎を上演する高校があるんですね。宝塚をやっている高校かと思ったら全然違っていました。
      そうですね、若い方は化粧映えしますね。それに動きがキビキビしています。私が深く印象に残った「キビキビさん」は橋之助さんと歌之助さんです。本当ならえんの助さんの立ち回りも生で観たかったな・・・
      はい、若い上に偏差値の高い子が伝統文化に触れてくれるのは有意義ですね。

      かなえさんは歌舞伎に興味がないのに私の記事を読んでくださるんですね、ありがとうございます。
      私は「にわかファン」ゆえ、歌舞伎に興味がない方が読んでも違和感がない内容になるのかもしれません。どんなジャンルも詳しくなるほど素人ウケしにくい思考になりがちです。

      かなえさんはバレエの「ドン・キホーテ」を観るんですね。ミュージカルにもなっていますし有名な演目ですよね、私もいっぺん観てみたいです。
      バレエとオペラにもいつか挑戦したいんですがチケットがべらっぼうに高く困っています。
      かなえさんにとっては「男性の美しい跳躍場面」が楽しみなんですね。バレエは女性が主役だと思っていましたが男性にも人気があるんですね。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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